突然の事故やけがによる歯の破折
インプラント治療で人工歯を装着
芥川歯科
(豊島区/駒込駅)
最終更新日:2025/04/23


- 自由診療
転倒などによって過度な力が加われば、神経を取っていない歯でも折れることはある。加えて、神経のない歯は十分な栄養補給ができなくなるため、歯根破折や歯牙破折が生じやすい。こうした場合、折れ方によっては治療や修復が可能ではあるものの、抜歯しなければいけないケースもあるという。失った歯に対する治療の選択肢はいくつかあり、その一つがインプラント治療だ。「芥川歯科」の芥川重之院長は「インプラント体の質も向上し、以前よりも低侵襲の手術で行うことができるようになりました」と話す。安全かつ精密に手術を行うための手術用ガイド装置も使われるようになり、リスクは年々減っているといえるだろう。破折だけでなく、虫歯(う蝕)や歯周病で歯を失った場合にも有用なインプラント治療の詳細について、芥川院長に話を聞いた。
(取材日2025年3月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯が折れてすぐに歯医者に行けないときはどうすればよいですか?
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A
どのように折れたかにもよりますが、歯根破折の場合は翌日でもよいので、できるだけ早く歯科医院に行くことをお勧めします。歯根が折れると、歯の周りの骨が急速に失われていきます。折れた部分の周りにいる菌が繁殖して、破骨細胞という骨を溶かす細胞が活性化するからです。その状態を早く鎮静化させるには抜歯するのが望ましく、痛みを感じることもあれば、多少の違和感を覚える程度という場合もあり、自覚症状はさまざまです。しかし、本人が思っているよりも早いスピードで悪くなっていきますので、早めの受診が鉄則です。痛みをまったく感じていなくても、エックス線写真を撮ってみると歯根が折れていることがわかるケースもあります。
- Q失った歯を修復するにはどのような方法がありますか?
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A
抜歯後の治療は、主に入れ歯、ブリッジ、インプラント治療の3つの選択肢があります。このうち入れ歯とブリッジは、失った歯が担っていた役割をほかの歯が代わりに受けましょうという方法なので、ほかの歯に負担がかかってしまいます。それに対して、歯が1本なくなったから1本足しましょうというのがインプラント治療です。機能的な回復という意味において、ほかの歯に迷惑をかけないのが大きな特徴です。といっても私から強くお勧めすることはありません。患者さんによってはインプラント治療に対して抵抗を感じられる人も一定数いますので、それぞれのメリットやデメリットを説明した上で、患者さんに決めていただくのがよいと思っています。
- Qインプラント治療を行うメリットについて教えてください。
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A
最大のメリットはほかの歯に負担をかけずに、しっかりした噛み心地で食事できることが望める点です。治療の際、入れ歯やブリッジのように周りの歯を削る必要がないため、そうした意味でほかの歯に悪影響を与えることがないのです。インプラント体の耐久性も、正しい歯磨きを行い定期的なメンテナンスを受けていれば、健康な天然の歯と同じくらい長く維持することは十分望めます。また、以前と比べ、インプラント体が骨と結合しやすくなるなど品質自体も向上しています。装着する人工歯は、患者さんの希望に応じ好きな素材を選ぶことができます。当院では審美性に優れ、硬くて傷や汚れがつきにくいという理由から、ジルコニアをお勧めしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1失った歯に対する治療法の選択を検討
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エックス線で画像診断してもらった後、失った歯を補う治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラント治療という3つの治療法についてメリットやデメリットなどの説明を受ける。同院では入れ歯を選択するケースは少なく、治療の負担が比較的少ないブリッジ、またはしっかりした噛み心地が期待できるインプラント治療のどちらかで検討することが多いという。
- 2歯科用CTなどによる精密検査を経て診断を受ける
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インプラント治療を選んだ場合、まずは歯科用CTや口腔内スキャナーで撮影したデータを3D画像で再現し、口腔内の状態を精査。噛み合わせや顎の骨に問題がないかといった検査も行い、その日中に治療計画の説明を受けることができる。治療にかかる期間の目安は下顎で3ヵ月、上顎で4~5ヵ月。難しい症例などは、必要に応じて模型を作製することもある。
- 33D画像や模型を使った詳細な治療内容の説明を受ける
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治療前後の3Dシミュレーション画像や模型を使った説明を受け、治療内容を理解する。インプラント体を埋入する際の手術内容もステップごとに詳しく説明してくれるので、気になったことや不安を感じることがあれば歯科医師に尋ね、疑問を解決しておこう。埋入後に起こり得るリスクについて確認しておくことも大切だ。この後、インプラント体を適切な位置や角度、深さに埋入するための手術用ガイド装置の作製に取りかかる。
- 4インプラント体埋入後、治癒期間を経て人工歯を装着
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手術用ガイド装置を使ってインプラント体を埋入。同院では、フラップレス手術と呼ばれる歯茎を切開しない方法で行われることが多い。顎の骨量が少なく、骨造成を行う場合などでは、1回法や2回法と呼ばれる歯茎を切開する方法が選ばれることもある。インプラント体と顎の骨が結合するまでの治癒期間は約2~3ヵ月で、その期間は仮歯を装着して過ごす。結合を確認した後、上部構造である人工歯を作製し装着してもらう。
- 5メンテナンスでインプラント治療後のケアを行う
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インプラント治療で使われる人工歯の形状は、根元にいくに従ってくびれが強くなっている。そのため、自宅でのブラッシングにはコツが必要で、3ヵ月から半年のペースで受ける定期検診では、ブラッシングの指導や治療後の変化のチェック、取りきれていない汚れを取り除くためのケアを行う。インプラント周囲炎は起きやすいものではないが、仮に起きた場合でも定期検診を受けていれば早めに対処できる。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万円〜(インプラント埋入料金、上部かぶせ物製作料金、手術用ガイド装置(サージカルガイド)利用料金を含む)、骨造成/5万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。