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高田 徹 院長の独自取材記事

たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科

(神戸市須磨区/須磨駅)

最終更新日:2023/03/02

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科 main

周辺に整形外科医院が少なかった土地に、2022年10月に開業した「たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科」。開業前から近隣住民の注目を集め、開業後は週末に遠方からも患者が訪れる、早くも地域に不可欠なクリニックとなりつつある。院長を務めるのは、勤務医時代に数多の手術を手がけた高田徹先生。豊富な経験や医療機関とのネットワークを生かしながら、整形外科と専門である脊椎に関する外科の両面から柔軟に診療を行う。「自分は話し始めると止まらない」と語る高田院長は、診療時もわかりやすく丁寧な説明に注力。さらに治療に関する資料を自作するなど、患者の満足とより良い治療のために努力を惜しまない。そんな院長がどのような経緯で開業医となり、現在診療しているのか、同院の特徴なども交え詳しく聞いた。

(取材日2022年11月6日)

自作の説明書を活用し、持続可能な治療と生活を支援

この地に開業した理由や、主な患者さんについて教えてください。

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科1

私自身が神戸に長く住んでいるのと、周辺に整形外科クリニックが少ないため地域貢献ができるという考えから、この地に開業した次第です。また、以前の勤務先である順心神戸病院が比較的近くにあり、そちらで手術対応ができる点もメリットと考えました。開業時は皆さんに興味を持っていただき、内覧会でもたくさんの方がいらっしゃいました。地域の会合の際にも早速講演会を依頼してもらえましたので、現在はまだ新型コロナウイルス流行下ではありますが、なるべく早めに開催したいですね。患者さんは近隣にお住まいの方が中心である一方、土日は遠方から受診される方が増えています。週末に診療している整形外科をインターネットで調べ、当院を見つけて来てくださる方もおり、幅広いニーズにしっかり応えていかなければと思います。

開業から1ヵ月がたちましたが、改めて新規開業の意気込みを伺います。

これまでの経験を生かし、整形外科では標準的な治療を、専門の脊椎に関する外科ではより専門的な医療をご提供いたします。その上で、この地域は高齢化率が高く独居の方も多いため、ご高齢の方の持続可能な生活をサポートしたいという思いがあります。住み慣れた土地でいつまでも暮らせるよう、まずは転倒や骨折を予防したいですね。加えて学校が多い土地柄、当院には小中学生のスポーツ障害の患者さんも多く受診します。そのためスポーツ障害、特に腰椎分離症という若年層の疲労骨折を改善したいと考えています。腰椎分離症に対する物理療法において、現在活用しているのが超音波骨折治療器。こちらは微弱な超音波を当てることで骨折の治癒を促す機器で、当院では鎮痛処置の一つとして実施しています。

診療におけるこだわり・スタンスを教えてください。

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科2

リハビリテーションに使う器具のカタログは、すべて私とスタッフのオリジナルです。メーカーさんから頂く資料をそのまま利用するのではなく、実際の使用感や治療を通して得た手応えも交えながら、患者さんに熱を込めてご説明できるものを作っています。そして、書いて渡すだけでは内容を覚えられずリハビリも持続しませんので、口頭でも丁寧にお話しします。必要に応じて、私自らが患者さんの目の前でスクワットをしたり介護予防グッズを使ったりしながら指導することもありますよ。病気や薬の副作用など、治療に関する説明書もだいたい手作りですね。患者さんが十分な説明を受けられず、もやもやした状態で帰ることがないように、一歩踏み込んだ工夫を行っています。

先進設備を導入し、幅広いケースに対応

設備面はどのように整えていらっしゃいますか?

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科3

新鋭のシステムを備え、性能にこだわった透視台を導入しています。1台で3役をこなせるもので、第1に鮮明かつ長いエックス線写真を撮影できます。整形外科では背骨の曲がり具合など全体を見る場面が多いため、こうした機能が搭載されているものを選びました。第2に骨密度測定が可能で、従来の手首ではなく近年の推奨部位である大腿骨を測ることにより、より精密な検査を行えます。そして第3にCTのような断層画像を撮れます。さらに被ばく量は一般的なCTの約10分の1以下で、患者さんのメリットが大きいと思います。あとは感染症対策として、院内の空気の清浄度にこだわりました。大型の換気システムのもと、扉を閉めた状態でも1時間に2回、すべての空気が入れ替わるようになっています。

診療の特徴や強みについても教えてください。

当院は整形外科だけでなく脊椎に関する疾患にも対応しており、手術から変性疾患、外傷まで幅広いケースに対応できます。特に多いのは骨粗しょう症が原因の椎体骨折で、私は勤務医時代、小さな傷口からカテーテルを挿入し椎体を膨らませる手術を数多く手がけてきました。また、大学院ではヘルニアについて研究していたため、ヘルニアを溶かすための薬を使った手術不要の治療もご提案できます。もちろん手術が必要な場合も、私が順心神戸病院で執刀し、合併症を含めた術後の管理を責任を持って行います。長年の研鑽を経て、大きな合併症のリスクが高い方をある程度見極められるようになり、そのスキルが手術時にも役立っています。

両方の診療科に対応できるからこそのメリットは何ですか?

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科4

脊椎の診断中に別の疾患が見つかるなど、整形外科と脊椎に関する外科にまたがる症例にも一人で対応できるのはメリットといえます。専門性に特化する現代医療の風潮に逆行しているかもしれませんが、個人的にはどちらも当たり前にできなければいけないと思うんですよね。両方の分野に携わっているからこそ「自分はここまではやる」「ここから先は紹介すべき」という判断も余裕を持って行えます。それにご紹介の際も、紹介先の先生の立場や専門性をよく理解しているため、患者さんに自信を持って説明した上で適切に連携できます。こうした体制があって初めて、患者さんの利益を最大化した医療をご提供できると考えています。

苦節を経て師匠と出会い、父の医院と同じ名前で開業

先生はなぜ医師を志し、整形外科の道に進んだのですか?

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科5

同じく整形外科の医師であり、開業医だった父の影響が大きいですね。残念ながら早くに亡くなってしまったため、医院を継ぐチャンスを得られませんでした。時は流れ、縁があって私は地元の福岡から神戸へ移住。それでも「父と同じ名前のクリニックを持ちたい」という気持ちがあり、開業に踏みきりました。ちなみに整形外科の中で脊椎を専門に学んだのは、師匠をはじめ熱心な先生方から直接指導していただいた経験がきっかけです。昔は小さかった脊椎に関する外科のグループを師匠たちが大きくする過程を間近で見ながら、いろいろな勉強をさせてもらった恩がありますので、師匠たちには今でも頭が上がりません。

師匠の先生との出会いや脊椎に関する外科でのお話を、ぜひ詳しくお聞かせください。

あくまで過去の話ですが、脊椎疾患は治りにくい、手術をしたらもう打つ手がないといわれた苦しい時代があったんです。若手医師だった当時の私も「何とかならないものか」という思いを常に抱えながら診療していました。そんな中、首に腫瘍ができ苦しみながら最期を迎えたがん患者さんを担当し、改めて自身の無力さを痛感しました。そしてもう一度0からやり直そうと、大学院へ入学しようとした時に出会ったのが師匠です。そこから本格的に脊椎の世界へ飛び込んだのですが、思えば父の専門も脊椎でしたね。脊椎に関する外科は診断や治療こそ難易度が高いものの、適切な医療を提供できれば患者さんを幸せにできると思っています。治療の過程で困難があっても、根気強く治療を続けていれば良い道が開ける。そんなドラマがある診療科です。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

高田徹院長 たかだクリニック 整形外科・脊椎外科・リハビリテーション科6

何よりも最初に取り組むべきは、地域の皆さんの信頼を得ることです。私はこれまで多数の手術を手がけてきましたが、どんな場合でも手術をしたほうが良いとは決して思っておりません。今後は地域のかかりつけとして、手術以外にも保存的加療や介護予防を目的とした診療など、その時々で最も必要な治療を行いたいと考えています。まずは小さなことからこつこつと。自身のできる・できないを明確にしながら対応範囲を手堅く広げ、ご満足いただける治療で患者さんの健康に貢献できたら幸いです。整形外科領域のことなら何でも構いませんので、困り事や相談したいことがあれば、どうぞ気軽に当院へお越しください。

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