気になることは後回しにせず受診を
眼科の初診時のかかり方
いしだ眼科クリニック
(神戸市東灘区/御影駅)
最終更新日:2025/03/27


- 保険診療
「なんとなく見えづらい」などの目の症状。他の部位に不調があればすぐにクリニックを受診するが、緊急性がないからと眼科の受診は後回しになってはいないだろうか。しかし緑内障をはじめとする眼科疾患の中には、初期は自覚症状がほとんどなく、いつの間にか病状が進行してしまうものもあるため、早期の受診・治療が大切だ。しかし眼科に行くと視力検査をはじめさまざまな検査が行われるため、「時間を取られるのが面倒だ」と思う人も多いだろう。御影駅が最寄り駅の「いしだ眼科クリニック」の石田和寛院長は、「目の状態と疾患の進行具合を正しく判断し、適切な治療へつなげるためには、きちんと検査を受けることが大切です」と話す。今回は石田院長に、眼科にかかるタイミングや、検査の目的と定期通院の重要性について聞いた。
(取材日2025年2月17日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼科はどのようなタイミングで受診すれば良いのでしょうか。
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A
中高年になると目も他の部位と同様にさまざまな病気を発症しやすくなります。代表的な疾患の一つである白内障は、ぼやけて見えるなど自覚症状が出やすいです。しかし緑内障は症状なく進行してしまう場合が多く、他の悩みをきっかけに見つかるケースが多い疾患です。失われた視野は取り戻せないため、早期発見が大切です。そのために、どんな些細なことでも気になることがあれば受診していただきたいですね。時間帯によって症状が出たり出なかったりする病気もあるので、症状が継続して出ていなくても構いません。また「年だから心配で」という理由でも良いでしょう。まずは眼科を受診することが第一歩です。
- Q眼科ではなぜたくさんの検査をするのですか?
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A
眼科でさまざまな検査を行う理由は、目の状態を適切に判断し、どれくらい進行しているのか「病期」を知る必要があるからです。病期を知ることが治療の進め方やスピードに大きく関わってくるため、最初は一通り検査を行います。検査内容は、例えば見え方に何か問題があって来られている方の場合、屈折検査を含む視力検査、眼圧検査をしてから一度診察を行います。そこから必要だと判断したら、網膜の厚みを測るOCT(光干渉断層撮影)や目の奥の血管の状態や網膜・視神経などを観察する眼底カメラ検査、視野検査を行う場合もあります。また病気が見つかった後も、病気の進行や治療後の経過を確認するために定期的な検査が必要です。
- Q受診の際に注意してほしいことなどはありますか?
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A
当院では一人ひとりに十分な時間を確保し、正確で適切な検査と診察を行いたいと考えているため、予約制を採用しています。そのため受診前には電話またはウェブでの予約を推奨しています。予約をしていない場合はどうしても待ち時間が長くなってしまいます。「目がものすごく痛い」といった緊急性のある場合を除き、翌日以降の日にちで予約を取ってから来ていただいたほうが、ご本人にとっても楽だと思います。また継続した治療が必要な場合、次の受診日を自己判断で先延ばしにしてしまったり、点眼をさぼってしまったりしてしまうと、治療の成果が判断できかねるので、医師の言うことは守ってほしいと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1受付・問診表記入
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ウェブまたは電話から予約を取って受診する。同院では予約優先としている。当日受診の場合は待ち時間が長くなるため要注意だ。受付を済ませたら、ウェブ予約の場合はウェブ上から症状、既往歴、手術歴、家族の目の病歴などを問診表に記入。電話での予約の場合は待合室で紙の問診表に記入する。気になる症状や健康診査で異常を指摘された場合はその内容を記入すること。
- 2基本検査
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基本検査では、屈折検査を含む視力検査、眼圧検査を行う。視力検査では裸眼視力を計測するのに加え、視力検査用眼鏡枠を掛け、レンズを入れて近視・遠視・乱視などの屈折異常を矯正した状態で矯正視力を測る。眼圧検査は、目の硬さを調べる検査で、目の表面に空気を当てて測定する。
- 3必要に応じて追加検査を実施
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基本検査の後一度診察を行い、必要に応じて追加検査を行う。網膜症や黄斑、視神経の疾患などが疑われる場合は、近赤外光を利用して網膜や視神経の断層画像を撮影解析するOCT(光干渉断層撮影)を行う。さらに緑内障による視野欠損の有無や進行を確認する場合は視野検査を行う。同院では静的視野検査を採用。一点を見つめて、周辺に出現する小さい光が見えるかどうかを検査する。
- 4医師による診察
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検査室から診察室に移り、医師の診察を受ける。これまでの各検査の結果とともに、現在の状況や病気の可能性などについて、医師から説明を受ける。同院ではOCTの画像などを見せながら、患者にとって理解しやすい言葉で説明することに努める。フォローアップ中の患者に対しては、前回の受診時と比べた比較画像や、眼圧の変化がわかるグラフなどを提示。病気の進行具合や治療後の経過を確認する。
- 5定期通院
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一人ひとりの病状に合わせて通院スパンが提示されるため、忘れずに受診すること。予定があるため次回の診察日を変更したい場合などは、医師に相談を。また緑内障は自覚症状がほとんどないため、治療を途中でやめてしまう人も多い。しかし進行の抑制を図るためには、定期的に通院し診察と検査、点眼を続けることが大切だ。