横山 正 院長、横山 新一郎 先生、横山 武生 さんの独自取材記事
横山医院
(横浜市保土ケ谷区/星川駅)
最終更新日:2023/04/11

相鉄線の星川駅近くの住宅街の一角で、地域住民の健康を見守り続けてきた「横山医院」。院長は整形外科とリハビリテーション科を専門とする横山正先生。父で先代院長の横山新一郎先生が内科、小児科の診療を行う。横山院長の弟の横山武生さんは理学療法士としてリハビリテーションを担当。子どもの病気やケガから高齢者の認知症診療や在宅医療まで幅広く対応する。身内ならではのチームワークを生かし「開業医として地域の患者さんの安心と生活を支える」という診療方針を守りながらそれぞれの立場で患者に向き合う。予防から治療、リハビリ、看取りまで地域に求められる医療を提供し、地域で医療と福祉を支える体制づくりにも取り組む3人に同院の特徴やめざすところを取材した。
(取材日2019年11月18日/更新日2022年12月20日)
整形外科、リハビリ、内科、小児科に幅広く対応
まずこちらのクリニックの成り立ちやあらましを教えてください。

【横山院長】祖父が1953年に開業した医院を父が引き継ぎ、私で3代目になります。私は、以前は総合病院の整形外科に勤めながら、週1回外来診療や訪問診療を担当していました。2017年からは院長として本格的に整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科の診療を行っています。リハビリテーション科には、弟夫婦を中心に理学療法士や作業療法士が11人在籍しています。また、訪問診療や訪問リハビリなど在宅医療にも対応しています。
【新一郎先生】私は内科と小児科の診療を行っています。最近まで、長男の横山太郎医師が緩和ケア科を担当していましたが、分院化して上星川に「横山医院緩和在宅クリニック」を開設しました。当院の患者さんで、緩和ケアが必要な場合などは連携しています。
整形外科の外来診療にはどのような特徴がありますか。
【横山院長】整形外科では、一般整形外科、スポーツ整形、リウマチ科など幅広く対応しています。子どもの疾患をはじめ、青年層で多い骨折・捻挫・切り傷などの治療や、高齢の方の骨粗しょう症を起因とする圧迫骨折、変形性ひざ関節症、脊柱管狭窄症なども多く診ています。最近、新しい整形外科用のエックス線装置と、骨粗しょう症診療で推奨されているDEXA法を用いた骨密度測定器を導入して設備もいっそう充実しました。また、五十肩・腰痛・肩凝り・捻挫・しこりなどの診断や治療には超音波検査機器を活用しています。被ばくの心配なく、ピンポイントで診られるのはとてもありがたく、当院には欠かせない存在です。診療の中では、手術が必要か、薬や運動指導などで対応できるかをしっかりと見極め、ご本人の希望も聞きながら治療法を選ぶことを心がけています。
内科・小児科の外来診療にはどのような特徴がありますか。

【新一郎先生】私のもともとの専門は血液内科ですが、今は生活習慣病をはじめ幅広い診療に対応し、認知症の方のサポートや治療にも尽力しています。小児科では、かかりつけ医療機関として小児科一般診療、予防接種や乳児健診に対応しています。小さいお子さんから、お年寄りまで、家族ぐるみで当院を頼っていただけたらうれしいです。
チームで患者の健康を支える体制で在宅医療も可能
リハビリや在宅医療にも力を入れているそうですね。

【横山院長】快適にリハビリを受けていただけるよう、最近、リハビリ室を改装し、高周波治療器など新しい機器も整備しました。病気の進行を抑え、機能を維持することを目的とした運動指導に注力しており、理学療法士、作業療法士が合わせて11人在籍し、患者さん個々に合わせた運動プログラムを提供しています。普段から患者さんの健康状態を知り、検査では異常がなくてもなんとなく不調を感じる未病の時から健康の維持・回復のサポートを行うことで、地域全体の健康を守っていくことをめざしています。在宅医療では、内科に加えて、地域でニーズの高い整形外科の訪問診療や訪問リハビリを行っています。整形外科の訪問診療では、ブロック注射や関節内注射を行い痛みにも対処し、骨折や切り傷といった外傷などへの対応として、ギプスや装具の装着処置、傷の縫合ができます。超音波検査機器の活用で在宅の現場でも精度を追求した治療が可能になってきています。
こちらでは理学療法士はどんな役割を担っているのでしょうか?
【横山武生さん】整形外科での運動器のリハビリ、介護保険で行う短時間型の通所リハビリ、ご自宅に出向く訪問リハビリを行っています。いずれも希望される方が多く、フル回転の状態です。特に当院の整形外科ではリハビリを重視しており、単に疾患のケアだけでなく、生活の質を改善するところまでをめざしているのが特徴です。患者さんとよくコミュニケーションをとり、その方の状況や環境をできる限り聞くことを心がけ、何がその人に必要なのか、どうすれば生活しやすくなるかを考えながら対応しています。知り得た情報は医師にもフィードバックをしています。訪問リハビリでも、体のケアや運動指導だけではなく、自立を促し生活の質を上げることをめざしています。
多職種が活躍されていて、チーム一体となって患者さんを診ているのですね。

【横山院長】そうですね。当院はなんといっても家族のつながりだけでなく、職員全員のチームワークを生かしたチーム医療が強みです。遠慮なく意見交換ができるところもメリットです。整形外科・リハビリテーション科、内科・小児科、必要な場合は分院の「横山医院緩和在宅クリニック」と連携を図り、多方面から患者さん一人ひとりにとって最適な医療を提供できるような体制を作っています。経営面や管理面をサポートしてくれるスタッフもいますので、私としては診療に専念できるのもありがたいですね。それぞれの専門性を発揮して、医療を通して地域の安心と生活を支えたいと考えています。
予防から治療、リハビリ、訪問診療までを地域で提供
これからの展望について聞かせてください。

【横山院長】地域のかかりつけ医として、予防から、治療とリハビリ、在宅医療、看取りと地域の皆さんの一生をずっと診ることもできる医院でありたいと考えていますので、できれば院内に入院設備を整え、必要な時に短期入院も可能にしたいですね。整形外科では、多くの方が悩まれる五十肩や腰痛、肩凝りなどの痛みを取ることを目的とした、生活の質を高めるための治療にも力を入れていきたいと考えています。
理学療法士の立場からはどのような展望がありますか。
【横山武生さん】誰でも年を重ねると、痛みなどいろいろな症状が出てきます。整形外科を受診し、適切な治療やリハビリを受けると、対処可能なものも多くありますし、高齢になっても運動機能の維持をめざせますので、年のせいと諦めないでいただきたいですね。予防策もたくさんありますので、ぜひ専門家に相談してください。医院としては、スポーツ整形のリハビリなども幅広く手がけていることを地域の皆さんに知っていただきたい。また当院では、通院できなくなった方にも、外来と同じスタッフが訪問リハビリを行いますので、安心して利用していただけることも広めていきたいですね。私たちも、超音波を取り入れるなどより効率的なリハビリに取り組み、皆さんのお役に立ちたいと思っています。
地域の皆さんや、読者へのメッセージをお願いします。

【横山院長】今後の超高齢社会で重要になるのが、健康寿命の延伸です。当院の強みを生かして、要支援・要介護になる大きな原因となるロコモティブ症候群や、認知症、高血圧や糖尿病、メタボリック症候群の発症予防や治療を行い、身体機能を維持して健康寿命を延ばしていきたいと考えています。通院が困難となった方には在宅医療で最後まで携わり、皆さんが安心して地域で暮らせるようにしたいと考えていますので気軽にご相談ください。
【新一郎先生】お子さんの場合も、高齢の方の場合も、体調の変化を一番先に察知できるのは身近にいるご家族です。何か異変に気づいたら、かかりつけ医を受診してください。認知症についても、進行してご家族の手に負えなくなってから受診しても、手遅れになることもあるので、早いうちにご相談ください。