尾島 洋介 院長、尾島 碧 副院長の独自取材記事
よつや駅前クリニック 内科と皮膚科・形成外科
(新宿区/四ツ谷駅)
最終更新日:2023/03/10

100年ほどの歴史を持つクリニックを引き継ぎ、新たな医院としてスタートした「よつや駅前クリニック 内科と皮膚科・形成外科」。皮膚科・形成外科の医師である尾島洋介院長と、内科・糖尿病内科の医師である尾島碧副院長夫婦が2022年4月に開院。明るく清潔感のある院内からは、洋介院長と碧副院長をはじめとする若いスタッフの情熱とフレッシュさが感じられる。取材中には、生後半年になる院長夫婦の子の声が聞こえることも。医師としての一面に加え、子を持つ親としての一面も見られた。「どんな人も自分らしく生きられるようにサポートしたい」と語る洋介院長と、生活習慣病を専門に尽力する碧副院長に、診療方針や患者への思いなどについて聞いた。
(取材日2022年10月25日)
前医院が築いた土台に専門性の高い診療をプラスし開院
こちらの開院の経緯を教えてください。

【洋介院長】100年ほどの歴史がある清水医院を引き継いで、2022年4月11日に開業しました。私の実家の隣が前医院の理事長をされていた方の家で、それが縁で声をかけていただいたのです。歴史あるクリニックを任されるのはうれしかったのですが、半世紀以上続くクリニックを引き継ぐことになりますので、「私で大丈夫だろうか」という思いもありました。前任の清水敏朗先生は内科と小児科の診療を中心に、さまざまな症状に対応されていました。清水先生が築き上げたものと、自分たちが行いたいことを融合させて地域に還元していきたいと思い、清水医院をリニューアルして開院しました。
二診制をとられていますが、どのようなメリットがありますか?
【洋介院長】私が皮膚科と形成外科の診療、妻の碧副院長が一般的な内科と糖尿病内科の診療を行っています。患者さんの悩みは1つではないことが多いので、「今日は内科、今度は別の病院で皮膚科を受診する」というケースもありますよね。忙しい方ですと、あちこち通うのは大変です。同じ病院で一度に治療できることは、患者さんにとってメリットになると思い、二診制を導入しました。私と副院長がそれぞれ専門的な知見で診療できる点もメリットです。
現在の診療体制が生かされていると感じることはありますか?

【洋介院長】例えば、皮膚科で血液検査をしたら肝臓の数値が悪かったという場合も、そのまま内科にお願いして診てもらうことが可能です。私も内科に関する知識を身につけるために勉強していますが、「これはどうなんだろう」と疑問に思うことがしばしばあります。そんなとき、すぐに相談できて専門的な答えが得られると、私も患者さんも安心できますね。
【碧副院長】洋介院長とはお互いに専門は異なりますが、情報を共有したりダブルチェックしたりすることで、違う知見で診療ができているなと感じます。院長は傷の縫合がすごく丁寧なんですよ。もしも私が縫合が必要なけがをしてしまったら、院長に担当してもらわないと不安なくらいです(笑)。
診療時間も工夫されたそうですね。
【洋介院長】皮膚科と形成外科には、当院の周辺で働いている方が多く受診されています。ですので仕事の昼休み中や仕事後も受診しやすいよう、平日木曜日以外は前半13時30分まで、後半は19時まで診察しています。内科の患者さんは地域にお住まいの方が多いですね。新規開院後からかかりつけとして通われている方が多い印象です。私も碧副院長も海外留学の経験がありますので、英語での診療も可能です。水曜が糖尿病内科の休診、木曜が皮膚科・形成外科の休診です。
自分らしく生活を続けられるよう長期的にサポート
ところで、お二人が医師をめざしたきっかけを教えていただけますか?

【碧副院長】私の両親は医師なのですが、家族全員の健康を見守るファミリードクターのような存在です。父はよく外で「先生、いつもありがとうございます」と声をかけられていました。そんな父の姿を見て、私も人に感謝されるような人になりたいと思い、医師をめざしたんです。父は人から何かを頼まれたら、なんでも引き受けるタイプ。私も患者さんと家族ぐるみでお付き合いができる医師になって、地域の糖尿病の方を全員診療したいですね。
【洋介院長】私は高校3年生の時に顔の骨を折る大ケガをして、形成外科で手術を受けました。それまで骨折も病気もしたことがなかったので、手術前はとても不安でした。担当してくださった先生に、すごく助けていただきました。この経験がきっかけで、医師をめざすことにしました。
診療方針について教えてください。
【洋介院長】当院のミッションは、どんな人も自分らしく生活を続けられるように、サポートすること。そのために何ができるのかを考えています。例えば、生活習慣病から命に関わるような病気につながる前に、症状を改善してあげたい。皮膚疾患がコンプレックスで自分のやりたいことができない方に、アプローチしていきたい。このようなことを考えて実践していく「健康コンサルタント」のような役割も担っていきたいですね。この考えは、スタッフにも共有しています。医師、看護師、医療事務を問わず、皆でミッションに取り組むためのアイデアを出し合っています。また、知識のブラッシュアップも欠かせません。院内で勉強会を開いたり、院外の勉強会に参加したりしています。スタッフ一同が常に学び続けるクリニックでありたいですね。
設備や院内の環境づくりでこだわったことはありますか?

【洋介院長】糖尿病の状態を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値を、瞬時に測定できる機器を導入しました。大規模病院で採用している方法(HPLC法)と同等の精度の高い機器です。検査をしたその日のうちに結果が出ますので、患者さんの治療のモチベーションにつながると思います。
【碧副院長】生活習慣病の治療は、いかに継続して通院していただけるかが鍵になりますので、通いやすいように清潔で明るい印象の院内にしました。管理栄養士も常駐していますので、栄養指導も受けられます。服薬だけではなく、食事療法と運動療法をメインにして治療することに力を入れています。
要望をくみ取り応える、地域のかかりつけ医に
印象に残っているエピソードを教えてください。

【洋介院長】小さなお子さんが折り紙で作ったかぶとを持ってきてくれたことですね。今でも飾っています。
【碧副院長】ある妊婦さんのことが忘れられません。つわりがひどくて、かかりつけの産婦人科に相談したものの、タイミングが悪かったのかすぐに対応してもらえなかったそうです。泣きながら当院に駆け込まれました。産婦人科は専門外なので、何とか助けたいという思いで話を伺い、病診連携を通して総合病院の産婦人科の先生に連絡し、対応していただきました。患者さんからも産婦人科の先生からも感謝していただけて、うれしかったですね。
患者さんと接する際に大切にしていることは何でしょうか。
【碧副院長】患者さんの立場になって考えることを大切にしています。症状だけではなく、患者さんを取り巻く環境を考慮し、何を求められているのかを考えるようにしています。
【洋介院長】その考えのとおり、碧副院長はいつも優しいですね。私は、患者さんが医師に伝えにくいことも話していただけるように、なるべく丁寧に時間をかけてお話を聞くようにしています。専門的なことを伝える際は、わかりやすくかみ砕いてお話ししています。また、話しやすい雰囲気をつくることも大事ですね。同じ疾患でも、患者さんの抱えているものや背景は違いますので、少しでも患者さんのことを理解できるように努めています。
【碧副院長】洋介院長が書いたカルテには、患者さんの情報がたくさんメモされているんですよ。予備情報がぎっしり書かれています。
最後に、今後力を入れていきたいことを教えてください。

【洋介院長】開院してまだ間もないのですが、当院のミッションである「どんな人も自分らしく生活を続けられるように、サポートすること」を第一に考え、医療に限らずさまざまな方法でアプローチをして地域の健康をサポートしていきたいと思っています。法人としてできることも考えていきたいです。
【碧副院長】糖尿病は経過が長く、一生付き合うことになる方もいらっしゃいます。合併症が起きないように一人ひとりの患者さんを長期的に診て、人生を全うしていただけるようにお手伝いしたいですね。