神経除去後、歯の根の奥まで殺菌消毒
再治療防止をめざす根管治療
エス歯科クリニック 横浜みなとみらい
(横浜市西区/新高島駅)
最終更新日:2022/10/13
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虫歯が歯の根の奥まで進行してしまった場合、歯の中の神経を抜かなければならない。多くのケースで抜歯は伴わないが、治療を終えたはずなのに歯が痛む場合は要注意だ。「エス歯科クリニック 横浜みなとみらい」の首藤真一院長によると、初回の神経除去よりも、再発時の治療の方が難易度が上がり、技術力と充実した設備が求められるのだという。クリニックによって「抜歯」という診断にブレが出るのはそのためだ。同院では広範囲で確認できるエックス線機器や歯科用3次元CT、患部を数十倍に拡大できるマイクロスコープを用いた「精密根管治療」を提供している。今回は首藤院長に、根管治療はどのような治療なのか、また保険診療と自費診療の違いについても話を聞いた。
(取材日2022年9月21日)
目次
根管治療で大切なのは、歯科医師の技術力と充実の医療設備。徹底した殺菌消毒で再発防止をめざす
- Q歯の痛みにはどのような原因が考えられますか?
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A
さまざまな原因がありますが、虫歯や噛み合わせから生じることが多いです。虫歯が進行すると歯に穴が開き、刺激が神経まで伝わりやすくなります。冷たいものや熱いものが口の中に入る際や、食べ物を噛み圧力がかかった際などに痛みが誘発されてしまうのです。歯にかかる力は意外と強力で60~100kgほど。噛み合わせの強い方ですと1tもの力が加わるといわれています。歯磨きで過度に力がかかりすぎたり、外傷などでヒビや割れが生じると、それも痛みの原因になり得ます。その他、歯の根の先が膿んでしまい痛みを感じるケースもあるんですよ。
- Q痛みの原因を探るため、どのような検査をするのでしょうか?
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A
目視だけでは不十分ですから、エックス線撮影などを行います。当院で使用しているのは、全体を写し出すパノラマエックス線装置や、口腔内から撮影できる小型のデンタルエックス線装置です。従来のエックス線装置よりも広範囲を精密に映し出せるのが特徴です。また歯茎の状態が影響していないかを確認するために、歯周ポケットの深さを測ります。重度の歯周病では歯茎が下がり、歯の根があらわになることで痛みを感じます。こうなると歯周病としてはかなり進行した状態だといえますね。さらに疑わしい症状があれば3次元で確認できる歯科用CTや、患部を数十倍に拡大できるマイクロスコープを使い診察します。
- Q虫歯が進行した場合、歯や神経を抜く必要があるのでしょうか?
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A
神経まで細菌が入っている場合は、歯の中の神経を抜かなければなりません。ただ初めて神経を取る際に「抜歯」と診断されるケースは少ないでしょう。問題なのは一度神経治療を行った後、歯の根の先が再度膿んでしまった場合です。前回よりも治療の難易度は上がり、歯科医師の技術力と医療設備が必要になります。マイクロスコープを使って中の細菌を完全に除去することをめざさなくてはなりません。そのためクリニックによっては「抜歯」という診断になることもあるのです。歯を残したいと考えるならば、根管治療に強みをもつクリニックでセカンドオピニオンを受けるのも一つの方法です。
- Q根管治療はどのような治療ですか?
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A
菌に感染した神経を取り除き、神経があった穴の根管内部まできれいに殺菌消毒していきます。初めて神経を取る場合は比較的容易で、当院では計2回の通院で治療を終えるようにしています。歯の根の先が再度膿んで再治療となった場合には、骨が再生するまでに3ヵ月ほどを要します。経過を見る必要がある場合は仮歯をかぶせますので、食事や生活に支障は少ないでしょう。根管治療のメリットは天然歯を残せること。しかし歯の根の奥は網目状の複雑な構造をしており、根の奥にごく微細な枝分かれした構造があるなどの理由から、どうしても膿を取りきれないケースも1割ほど生じます。そうなると根管治療では対応しきれず、抜歯しか方法はありません。
- Q根管治療には保険診療と自費診療があると伺いました。
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A
その通りです。違いは主に使える医療機器や治療器具です。当院では、肉眼では難しい根の奥の状態を確認できるマイクロスコープは、自費診療でのみ用います。薬品の詰め方などの手技も異なり、当院では自費診療での治療を「精密根管治療」と称しています。初めて神経を取る際は、保険診療で十分に対応できるケースが多いですね。ですが再治療の場合には、必ずしもそうではありません。特に他院で抜歯と診断されるレベルの症状ですと、自費診療でないと十分な処置は難しいと感じています。当院の「精密根管治療」の料金は、初めて神経を取る場合よりも、再治療の方が高額になる傾向にあります。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密根管治療/6万円~15万円
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。