治療と仕事の両立をめざして
「通いやすさ」にこだわった不妊治療
torch clinic
(渋谷区/恵比寿駅)
最終更新日:2023/11/17
- 保険診療
- 自由診療
近年、女性の社会進出が進む一方で、晩婚化や高齢出産に至るケースが増加してきている。そんな中、不妊治療と仕事の両立が困難になり、ついには退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまう人も少なくないという。こうした現状を踏まえ、患者にとって通院しやすい環境を整えようと力を尽くしているのが、不妊治療専門クリニック「torch clinic」の市山卓彦院長だ。不妊治療は、通院回数の多さや、院内での滞在時間の長さにより、通院を継続することの難しさが常々課題とされている。その課題に対して同院が取り組んでいる 「通いやすさ」への工夫、そして実際の治療の流れについて市山院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2023年9月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q不妊症の治療は、仕事との両立が難しいとよく聞きます。
-
A
不妊治療は、命と命をつなぐための重要な医療です。しかしながら、体外受精をはじめとした高度生殖医療を受ける方は、時間的制約も多いため、仕事と治療の両立に難しさを感じることが少なくありません。ある調査では、不妊治療をされている方の17%もの人が、就労との両立がかなわず離職していたといわれています。さらには、治療中の方の約半数が心のコンディションを崩してしまったという報告もあり、社会的にも大きな課題となっています。私たちは、患者さんの不安に心から寄り添い、安心して治療に臨める環境を整えていくことが重要と考え、受診しやすい仕組みづくりや、心身ともに負担の少ない治療の提供を心がけています。
- Qこちらでは「通いやすさ」のためにどんな工夫をされていますか?
-
A
恵比寿駅徒歩1分というアクセスの良い場所で、土日祝や平日の夜間も開院することにより、お仕事やプライベートと両立していただきながら受診できるようにしています。また、アプリでの事前問診や後日会計のシステムを導入し診察前後の待ち時間をなくし、薬剤も院内処方にすることで、薬局へ行かずに済むようにしています。最近は、患者さんのご要望もあり、遠隔地や離島にお住まいの方を対象に遠隔診療も行っています。オンライン診察等を併用しながら、最低限の来院回数でも安全に配慮しながら当院の高度生殖補助医療を受けていただけるような、検査・治療内容になっています。
- Q不妊治療を始めるべきタイミングについても教えてください。
-
A
一般的には、性交渉をしても1年間妊娠しない場合、不妊治療が推奨されます。しかし、妊孕性(妊娠する力)には個人差があり、また年齢や授かりたいお子さんの人数・時期によっても適切なタイミングは変わりますので、一概に1年とは言い切れません。まれではありますが、20代の方であっても卵子がほぼ残っていないケースもあります。ご自身の妊孕性を知ることが、妊娠出産を含めたライフプランを見つめ直すきっかけになると思いますので、いつか家族を持ちたいと考えていらっしゃるのであれば、男女とも、パートナーの有無を問わず、早めに受診していただきたいです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前問診に回答し、受診する
-
受診予約と事前問診票の記入、保険証の登録はクリニック専門のアプリで行う。問診票の質問項目には、既往症やアレルギーなどの一般的な項目に加え、「最終的に授かりたい子どもの人数」や「今後の家族計画」のような項目があるのが特徴。事前に自宅で回答するため、プライバシー性の高い内容にも安心して回答できる。初診当日は、2人そろっての来院が望ましい。一緒に検査と説明を受けることで、今後の意思決定がしやすくなる。
- 2予診の後、医師の診察を受ける
-
医師の診察の前に、看護師・臨床心理士による予診がある。問診票の内容をもとに、治療に対する要望や不安などについてのヒアリングが行われる。医師に確認・相談したいことがある場合は、ここで伝えておくとスムーズに診察が受けられる。予診の後は、医師の診察へ。患者が納得して治療を進められるよう、妊孕性知識について丁寧に説明が行われる。内診を行う場合もあるので、スカートなどの着脱しやすい服装での受診がいいだろう。
- 3検査を受ける
-
子宮や卵巣の状態を確認する超音波検査や、卵巣機能や卵巣予備能を調べる血液検査を行う。他にも、卵管性不妊の原因の約60%を占めるといわれるクラミジア感染症の検査や、必要に応じて子宮頸がんの検査なども行われる。卵管造影検査など、一部の検査は事前の準備が必要なため、後日実施となる。
- 4治療計画が決定したら、いざ治療へ
-
治療計画は、検査の1週間後に、検査結果と本人たちの希望を踏まえて決定される。「いつ、何人授かりたいか?」という具体的な家族計画をもとに、タイミング療法から体外受精まで、幅広い選択肢の中からその時最適と思われる治療法が提案されるので、パートナーとしっかり話し合い、納得のいく選択をしよう。通院頻度は、タイミング療法で月2回、人工授精で月3回、体外受精で月4~5回程度が目安となる。
- 5会計の待ち時間なし。不安な気持ちは心理士に相談を
-
クリニック専用アプリによる事後会計システムを導入しているため、説明や処方が終わり次第、すぐに帰宅することができる。治療を継続する中で、不安な気持ちが生まれたり、夫婦間でのコミュニケーションに悩んだ時は、自分一人で、あるいはパートナーと一緒に、クリニック専属の臨床心理士のカウンセリングを受けることも可能だ。
自由診療費用の目安
自由診療とはクラミジア検査/4500円