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西川 徹 院長の独自取材記事

みなとクリニック宝塚

(宝塚市/中山寺駅)

最終更新日:2022/10/11

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宝塚市安倉南の「みなとクリニック宝塚」は2022年8月に開業。内科、外科、訪問診療に対応している。中でも同院が地域住民への貢献をめざして注力しているのが訪問診療。24時間365日対応の体制を整えており、開業して間もないが、すでに多くの問い合わせがあるという。「地域に必要とされている、大きな手応えを感じています」と話す西川徹院長。一般診療含め大切にしているのは丁寧でわかりやすい説明とコミュニケーション。プライマリケアをモットーに、ちょっとした不調や心配事でも気軽に相談できるクリニックをめざしているという。穏やかな語り口が印象的な西川院長に、開業までの経緯や訪問診療に関心を持ったきっかけなど詳しく聞いた。

(取材日2022年8月26日)

24時間365日体制の訪問診療に注力

8月1日に開業したばかりということですが?

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はい、当院は訪問診療に力をいれており、まだ開院間もないのですが、想定したよりもかなり多くの問い合わせがあり、必要とされている手応えを感じ、とてもありがたく思っています。この地域で訪問診療を行うクリニックはあまりないようで、伊丹や、西宮など海沿いの大きなクリニックから医師が診療にやってきているという話をよく聞きました。このエリアは住宅地が山の腹に沿ってあり、勾配が急な坂が多い。お年を召して自分で病院に通えなくなっている方々のお役に立てるのではと思っています。

大阪市の「医療法人みなとクリニック」の分院とお聞きしましたが、開業までの経緯を教えてください。

福井大学医学部を卒業後、杉田玄白記念公立小浜病院の研修医となり、消化器外科医員として勤務し、計6年間過ごしました。その後7年間、三菱京都病院の消化器外科に勤務しました。胃、大腸、膵臓、肝臓など消化器のがんや、ヘルニア手術などを数多く扱う一方、当直で急患に対応したり、幅広い分野の勉強も続けてきました。実は本院の田中崇洋理事長は研修医時代からの同僚で本院を継承し大きくしていく中で声をかけてもらったのが開業のきっかけです。院長就任が決まり、本院で数ヵ月間運営ノウハウを学んでから開業となりました。田中理事長とは長い付き合いなので、日頃からSNSやウェブ会議ツールを使って状況を相談、情報交換しています。互いに住まいが近いので休日ゆっくり会って話すこともあります。本院の総合内科を専門とする医師も交え、理事長と3人で相談することもあります。

訪問診療は年中無休で対応されているのですね。

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日中は私一人で伺っており、休日、夜間、緊急時などの対応は本院に複数の医師がいるので分担してもらい、24時間・365日の体制を整えています。訪問診療は診療以外にも行うことが多く、書類作成、訪問看護ステーションや介護事業所のケアマネジャーとのやりとり、入院など状況に応じた救急病院への依頼など外部との連携も必要です。訪問看護師は患者さんとより密接に関わりますが、宝塚市は訪問介護事業所と訪問看護師は多いですが、訪問診療を行うクリニックは少ないです。今まで奮励されていた地域医療の現場に当院が参加し、密に連携することで、より良い状況がつくれるのではないかと考えています。中には急な依頼もあります。先日もケアマネジャーさんから「自宅療養中のご高齢者の状態が悪いため、今日診てもらえないか」という依頼がありました。多くの依頼に応えていくため今後はスタッフも増やしていきたいです。

「ちょっと困った」を気軽に相談できる医師でありたい

一般診療では、どのような患者さんが訪れていますか?

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新型コロナウイルス感染症が流行している中なので、発熱の患者さんが多いですね。当院では発熱者専用の外来のブースを設け、一般の患者さんと動線を分けて診られるようにしています。外科は、うおのめ、たこが意外に多いです。ちょっと困ったということで来る方が多いと思うので、プライマリケアをモットーに「何でも診ますよ」という親しみやすいクリニックをめざしています。気軽にご相談に来てもらって、いろんな話をし、医学的に手伝えることがないかを考えさせてもらう場にしたいと思っています。もちろん、当院で対応できないものは適切な紹介先をお伝えします。体調などでちょっと困ったことを、親戚のおじさんみたいに気軽に相談しやすい医療を提供する。そんな医師でありたいです。

先生が日々の診療で大切にされていることは何ですか?

診断や治療に集中し過ぎないことを心がけています。医師としてどうしても、治してあげたい、解決してあげたいという気持ちが前面に出てしまいがちですが、それが本当の解決なのかというと、そうとも限りません。ご本人の個性のようなものと捉えてうまく付き合っていくことを示した方が良いと思われる場合もあります。訪問診療ではご家族の状況などもわかるので、医学的な判断だけでなくご本人とご家族皆さまにとって一番良い、納得できるケアを提供できるよう努めています。

患者さんと接する時大切にされていることはありますか?

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コミュニケーションが8割と思っています。当院のような診療所は何が問題かわからないが少し困っているから診てというのが多いと思います。何がその方にとって適切か見極めるのにコミュニケーションはとても大切。説明の際は、専門的な言葉をわかりやすく伝えるよう努めています。外科の医師時代、手術の決断をしてもらう必要がある時から意識していました。おなかを切り、取り除き、つなぎ直す。一連の流れをわかりやすく説明する習慣がついたので、今も役立っています。信頼関係がないと必要な情報が手に入らないこともあります。同じ目線に立ち、友人や親戚のおじさんのように話しやすい関係を意識するようにしています。

通院困難になったら訪問診療に切り替えられるのも強み

先生が医師を志したのはなぜですか?

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両親は教師でしたし自分ではよく覚えていないのですが、物心ついた頃から「医師になる」と言い続けていたらしいです(笑)。子どもの頃、近くの小さな診療所に親が連れていってくれて、そこの先生がとても良い先生で診察を受けても泣かずに帰って来ていたんです。その先生への憧れがあったのかもしれません。

訪問診療に関心を持たれたきっかけは?

体が丈夫でなかった祖父のことが大きいですね。自宅から遠い病院にバイクで通っていたのですが、高齢で乗れなくなり苦労して急な坂を上り下りして通院していました。病気を持つ人がなぜ無理をして行かなくてはいけないのか、そういう人を助けられないかと、医学部に入る前から感じていました。当時は「往診」になると思いますが、そうした診療があるのは知っていたので、将来関わりたいと思っていました。専門を選ぶ時、総合的な医療を診る内科と専門的な治療を行う外科とで迷いましたが、当時上司だった外科の先生に「外科は全身を診ることになるから、治療的なこともしっかり勉強できる」とアドバイスをもらい外科に進みました。その後も訪問診療、地域医療、全身を診る。そうしたことに関心を持ちながら、小さな診療所をつくり、地域に溶け込む医療を提供したいと思っていたので、田中先生からお話をいただいた時に、その機会を大切にしたいと思いました。

今後の展望についてお聞かせください。

スタッフなど体制をさらに整え、より多くの訪問診療を引き受けられるようにしていきたいです。また近隣の先生たちと仲良くなって情報交換もできたらと思っています。個人的には、究極の医学である予防医学、病気にならないような生活や、健診も含めたアナウンスを地域に発信できるような医師になりたいです。生活習慣病は、その名のとおり生活習慣を改善しないと根本的な解決に至らないので前向きに取り組んでいただくために説明の仕方もさらに考えていきたいです。外科医時代、手術を受ける患者さんは既往症のある方も多く、当時から術後の生活習慣の改善や病気の予防の必要性を痛感していたので、特に力を入れて取り組みたい内容です。また訪問診療は体力がいるので、若い力、将来の仲間を増やせたら良いですね。すでに近隣の医科大学から学生見学を受け入れていますが、次世代の力も得て患者さんがより安心できる体制にしていけたらと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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今は自分で通院できるが高齢になったら困難になるのかもしれないという心配があり「ここは訪問診療があるから安心」とおっしゃった方が既に何人もおられます。通院できなくなったら訪問診療があるというのが当院の強みといえます。長くお付き合いできればと思っていますので、ぜひご利用ください。

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