息苦しいからこそ運動を
一人一人に寄り添う「呼吸リハビリ」
きだ呼吸器・リハビリクリニック
(大阪市生野区/桃谷駅)
最終更新日:2023/05/30
- 保険診療
「呼吸がしづらい」「咳がつらい」という症状は、健やかな生活を送る上でとても大きな問題だ。もし、こうした症状によってスポーツや趣味が楽しめなくなったり、出かけることが不安で面倒になったりすれば、日常生活の質も著しく低下してしまうだろう。そんな日々に悩む人々に寄り添い、丁寧にサポートしているのが「きだ呼吸器・リハビリクリニック」だ。同院では、呼吸器診療に従事してきた松本学院長と理学療法士がタッグを組み、一人ひとりに適した「呼吸リハビリ」を提案しながら、患者とともに「楽に呼吸ができる暮らし」をめざしている。まだまだ日本での認知が少ない呼吸リハビリだが、潜在的に必要としている人は多いと語る松本院長に、呼吸リハビリの特徴について詳しく話を聞いた。
(取材日2023年4月21日)
目次
呼吸器疾患や筋力低下などによる、息苦しさに対応。一人ひとりの健康状態に配慮した「呼吸」のリハビリ
- Qまずは、呼吸リハビリの特徴について教えてください。
-
A
呼吸は誰もが自然にしているものであり、特に意識して生活されている方も少ないため、「呼吸リハビリ」と聞いても今一つピンと来ないという方は多いと思います。しかし、肺気腫や喘息などの呼吸器疾患や、肺の手術などによる体力低下などが原因でうまく呼吸ができず、少し動いただけでも強い疲労感を感じる方がいらっしゃいます。さらに、肺の病気が進行すると酸素をうまく体に取り込めず、呼吸機能が悪くなってしまうこともあります。そうなると、場合によっては寝たきりになるリスクや命の危険を伴うこともあります。そこで必要になるのが、呼吸リハビリです。整形外科の運動器リハビリとは異なり、呼吸に特化したリハビリを行います。
- Qどのような症状の人が相談にいらっしゃいますか?
-
A
肺気腫や喘息、気管支炎、肺炎、新型コロナウイルス感染症の後遺症などを原因として、呼吸機能が低下し、生活しづらいと感じている方の他、肺の手術を控えられた方や手術後のリハビリとして来院される方もいらっしゃいます。また、たとえ医師による診断を受けていなくても「階段を上ると息が切れる」「歩くのがつらくて、あまり外に出ない」といった方も来院されます。当院では、一人ひとりの状況に合わせた個別のリハビリをご提案しますので、まずは一度ご相談ください。病気の有無に関わらず、息苦しさや呼吸のしづらさを感じた際は早めにご来院いただければと思います。
- Q患者さんの中には、重い症状のある方もいらっしゃるとか。
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A
息苦しさから夜中に何度も目が覚めてしまう方や、症状が重く、動くことや歩くこと自体が困難な方もいらっしゃいます。それでも、呼吸リハビリは適用できますので、ご安心ください。中には、車いすで来院され、熱心に通われている方もいらっしゃいます。呼吸リハビリの対象になる患者さんの症状は幅広く、重症化すると日常生活を送ることも大変な場合もあります。当院では患者さん一人ひとりに合わせたリハビリをご用意していますので、まずはご相談をいただきたいです。
- Q呼吸リハビリは、どのように進められるのでしょうか?
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A
まず診察を行い、息苦しさや息切れが始まったのはいつ頃からか、どんな時に感じるかなど、症状について詳しく伺います。呼吸器疾患の症状はさまざまですが、早期に原因を追究し治療することが大切です。当院では、呼吸器疾患・心臓外科疾患・消化器外科疾患・整形外科疾患などのリハビリに従事してきた理学療法士が、呼吸機能検査、レントゲン検査、6分間の歩行検査などの身体機能の評価を行い、呼吸の乱れや酸素濃度の変化、体の動かし方などを観察し、息苦しさを改善するためのポイントを見つけ出します。その後、原因に合わせたリハビリを計画し、呼吸リハビリを開始します。
- Q実際には、どのようなリハビリを行うのですか?
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A
呼吸リハビリは動いた後の息切れや息苦しさの改善を目標に行います。動いた後の息切れや息苦しさは呼吸機能の低下だけではなく、全身の筋力低下によって引き起こされることもあるので、患者さんの身体状況に合わせたリハビリを行うことが大切です。そこで、当院は呼吸トレーニングだけではなく、筋力アップのためのトレーニングの他、動きが悪くなった部位をほぐすためのストレッチも重視しています。エアロバイクでの有酸素運動で持久力の増強を図り、呼吸練習で安定したリズムの呼吸を身につけていただきます。呼吸リハビリは継続が大切です。週2回を基準に、患者さんの体調に応じて間隔を調整していただくようご説明をしています。