マイクロスコープを活用
患者が納得できる説明と治療を
明大前歯科クリニック
(世田谷区/明大前駅)
最終更新日:2023/02/15
- 自由診療
根管治療など精密さが求められる治療で使われることの多いマイクロスコープ。裸眼と比較して約20倍程度まで視野を拡大することができ、精密な治療が可能になるが、使いこなすための技術も必要なことから国内での普及率はまだ低いのが現状だ。そんなマイクロスコープを虫歯や歯周病の治療にも活用している「明大前歯科クリニック」の宇野勇樹院長。治療前の段階からマイクロスコープを用いて患者の口腔内を動画で撮影。虫歯や歯周病などの状況を患者により詳しく説明し、納得を得ることにつなげていると話す。さらに治療中もマイクロスコープで記録しているため、患者は治療されている部分、治療の様子などを確認することができる。マイクロスコープを活用し、治療の徹底した「見える化」を図る宇野院長に、そのメリットや活用方法を聞いた。
(取材日2022年11月29日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマイクロスコープを虫歯治療にも活用されているそうですね。
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A
当院ではほぼすべての治療においてマイクロスコープを使っています。まず、お口の中全体を撮影するためにマイクロスコープを使います。一眼レフでも写真を撮りますが、マイクロスコープで動画を撮影し「ここに虫歯がありますね」「ここが歯周病です」と説明しながら患者さんと一緒に確認することで、患者さんに納得していただけるように努めています。治療においては、例えば虫歯の取り残しや健康な歯の削り過ぎを防ぐこともめざせます。歯はとても小さいので、正直、裸眼では見えづらいです。マイクロスコープには明るいライトも搭載されていますから、患部を拡大し明るい状態で診ることで、より精密な治療ができます。
- Q実際にマイクロスコープ動画を見られた患者さんの反応は?
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A
多くの方が「初めて見ました」と言って驚かれますね。マイクロスコープは導入したからといってすぐに使いこなせるものではないので、まだまだ歯科医院での普及率が低いのだと思います。例えば根管治療で使うだけなら、難易度はそれほど高くないのですが、虫歯治療、歯周病治療、外科など、いろいろな用途で使いこなすことはなかなか大変です。そのためにはセミナーへ行くなどして常に技術をブラッシュアップしなければならないですし、セミナーで学んだことを実践しなくては身につきません。そのため、私もマイクロスコープに精通した先生のもとで臨床に取り組みながら学んでいました。
- Q保険と自費ではマイクロスコープの活用方法は変わりますか?
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A
当院ではマイクロスコープを使うから自費診療、使わないから保険診療というような分け方はしていません。ただ、マイクロスコープを使って丁寧な治療を行うには時間がかかります。そこで、当院では診療時間に最低でも1時間、平均すると1時間から2時間ぐらいお時間をいただき、その分、通院回数は少なくしています。保険診療の場合は治療時間が限られてしまうので、治療前後、マイクロスコープで記録した画像や動画を使ってご説明するには時間が足りないケースがあり悔しいところです。患者さんに「嘘のない治療」を提供すること、安心して治療に取り組んでもらうためにも、さまざまな治療にマイクロスコープを活用することを大切にしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診による主訴の確認と必要な応急処置
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虫歯の治療の問診では、まず痛みの度合い、いつから痛みがあるのか、どこが痛むのかなどを確認。虫歯の進行が進んでいる場合は激しい痛みが生じることが多いため、その場ですぐに痛みを取り除くための応急処置を行う。根の先への感染を防ぐため神経の治療が必要になることも。痛みが落ち着いたところで今後の治療計画へと進む。
- 2虫歯や歯周病に対して必要な検査を実施
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口腔内の写真を撮影。歯だけでなく顎の状態などもわかるよう必要に応じて顔写真も撮り、歯と顔のバランス、歯の見え方、骨格なども確認する。口腔内や患部は、マイクロスコープで動画撮影。動画で撮ることにより、説明と治療に必要な情報量が増える。その他、必要に応じてエックス線、歯科用CT、セファロ、フェイスボウと咬合器を使った検査などを実施。
- 3検査結果をもとにカウンセリング
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カウンセリングでは、まず歯科医師の視点から見た理想的な治療方法を聞く。1本の歯だけでなく、口腔内全体を診た上での説明を受け、そこから要望を伝えて治療の落としどころを見つけていく。説明ではマイクロスコープで撮影した画像や動画、写真などを活用。治療にかかる期間、費用、治療へのモチベーションなどの条件などを考慮し納得できるゴールを決めて治療方法を選択。
- 4マイクロスコープを使った治療を開始
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治療中の様子はマイクロスコープを使って撮影。それによって「嘘のない治療」を行えることが大きなメリット。また、患部を拡大して診ることで、虫歯の見逃し、取り残しや健康な歯の削り過ぎなどを防ぎ、より精密な治療をめざす。治療後の説明を受ける際も、実際の治療の様子を確認することができる。
- 5治療後のメンテナンス
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治療後の良い状態を保つためにはメンテナンスが不可欠。3~4ヵ月に1回の通院で汚れを落とすことも大切だが、日々の患者自身によるセルフケアや良い状態を維持したいというモチベーションの維持が最も重要。そのため、同院では適切なセルフケアの指導にも力を入れている。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密虫歯除去/3万3000円