全国のドクター8,862人の想いを取材
クリニック・病院 161,498件の情報を掲載(2020年1月22日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市青葉区
  4. たまプラーザ駅
  5. もりの緑メンタルクリニック
  6. 加藤 邦夫 院長

加藤 邦夫 院長の独自取材記事

もりの緑メンタルクリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2019/08/28

20274 df 1 main 1446081082

たまプラーザ駅から徒歩2分。医療モール「メディカルモールたまプラーザ」地下1階にある「もりの緑メンタルクリニック」。訪れた患者の心をリラックスさせてくれるグリーンで彩られた院内は、開放的でありながらも窓やドアの材質すべてにこだわり、患者のプライバシーに配慮した工夫が随所に施されている。加藤邦夫院長は高知大学教授をはじめ、米国の名門イェール大学でも研究に携わったキャリアの持ち主。診察室に置かれたギターを「たまに弾いています」とはにかんだ笑顔で答える、人間味あふれるドクター。同院には、若い世代から中高年まで、世代を問わず多くの患者が院長を頼って訪れるという。取材では、うつ病の傾向や社会問題でもある認知症について、また予防や対策などを聞いた。
(取材日2018年7月5日)

認知症のリスクを診断し予防に生かす

どのような症状を訴える患者さんが多いですか?

1

開院当初からうつ病の患者さんは増え続けています。最近は中高年層に加え、若い患者さんも少なくありません。またそれに加え、睡眠時無呼吸症候群や不眠症を併発することもあります。そのほかには、認知症の方も増えていて、ご家族が相談にみえることも多いですね。また当院では軽い統合失調症の患者さんも受診されます。統合失調症の場合は、病状が顕著に表面に出てくる少なくとも数年前から徴候があるので、早い段階で見つけて治療していくことが大事です。

認知症には有効な治療があるのでしょうか?

症状が軽い段階で診断できれば、日常生活の工夫などで食い止めたり、抑止できる可能性があります。しかしそのためには認知症の「型(タイプ)」を正確に知ることが重要です。アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型など、「認知症」といってもさまざまな型があります。型に合っていない治療をしていても、効果が期待できませんからね。認知症は、本人だけでなくご家族にも負担になるもの。軽度のうちにリスクを知ることは、自分にとってもご家族や周りの方にとってもいいことです。認知症予防でいわゆる“脳トレ”をされる方もいますが、それでしたら散歩など軽い運動をお勧めします。心と体はつながっていますから、心身ともに健康でいることをめざしてください。

認知症の検査にはどのようなものがありますか?

2

脳萎縮を見るMRI検査や、心理士による認知機能検査を行っています。認知症予備軍の状態での進行程度がわかるので、現在明らかな認知症でなくても、物忘れが目立ったり、身近な家族に認知症にかかった人がいるなど、将来認知症になる可能性が気になる方にも受けてもらいたい検査です。当院で行っている検査は、半日ほどで終了できるようプログラムを組んでいますので、忙しい方も気軽にお問合せください。

個性を尊重し、心の健康を支える

最近のうつ病にはどのような傾向がありますか?

3

ここ数年増え続けているのが、10代や小学生など、若い患者さん。うつ病というと働き盛りの中高年のイメージがあるかもしれませんが、世代を問わずかかる可能性のある病なのです。特に若い患者さんで多いのは、学校だけでなく家庭のことも精神的負担になってしまうというケース。親御さんにはお子さんへ過度な理想を追い求めないでほしい、とよく伝えています。精神力も含めて個性ですからね。例えば「普段楽しんでいたことを楽しめなくなる」「夜、寝られない」というような症状はサインの一つです。病気は何でもそうですが早期治療が大事。うつ病は、気分の落ち込み・意欲の低下などが長く続くと治りが悪くなります。2週間程度を目安に治療を開始することが重要です。

子どもの発達障害も増えているそうですね。

今の社会の中では発達障害の人たちは住みづらさを感じているかもしれません。発達障害の人はうつ病になりやすいんです。特に子どもは少子化が進み、学校のクラス人数も少ないことから、その中で輪から外れてしまうと、うつ病になったり不登校になったりしてしまいます。当院にはカウンセラーが5人おり、そのうち1人は不登校を専門にしています。不登校になってしまった原因にもよりますが、お子さんとご家族、また学校の先生などにも協力してもらいながら治療を進めていきます。診察はカウンセリングを重視し、安心して話してもらえる環境を整えています。専門のカウンセラーがいることは患者さんにとって心強いことだと思いますので、スタッフの充実にも努めています。

心の健康のため、予防や対策法があれば教えてください。

4

ストレスによって脳の一部が過活動状態となり、それが心の病につながることが多いんです。なので、脳を休息させることが何より大切。その方法として適しているのが睡眠と運動です。運動によって、過剰な活動状態によって起こる脳の機能低下を回復させることも期待できるんですよ。また、感情を適度に出すようにして、ストレスをためないようにするのも一つの手段です。怒りや悲しみなど、人にはどうしても言葉で表現しづらい感情があります。それを表に出さずため込んでしまうとうつになってしまう。だから表に出さなくてはならないのです。常識の範囲内で「大人の怒り方、感情の出し方」をちゃんと知っておくといいでしょうね。治療は、こうした日常生活の工夫と併せて内服薬などで行っていきます。

患者に寄り添い、じっくりと声に耳を傾ける

「心」に深く関係する分野のドクターになった理由をお聞かせください。

5

僕は東北大学理学部卒業後、社会人経験も積みましたが、当時は生命科学が徐々に注目されるようになった頃でした。生命科学の持つ意味や大切さについて広く深く言及されるようになり、そこで僕は人間の脳の働きを理論的にとらえられたらいいなと考えました。山形大学医学部に進学し、米国ワシントン大学精神科研究員、米国イェール大学神経科研究員として研究を重ね、高知大学医学部神経科精神科教授なども歴任しました。そして2010年11月に当院を開院しました。イェール大学では、脳が記憶できる仕組みや謎を追究していました。記憶を作るためにはグルタミン酸の働きが重要です。最近では統合失調症や認知症などの精神疾患の発病と関係が深いと考えられているんですよ。

この仕事を選んで良かったと思うのはどんな時ですか?

体に不調があるといろいろな科に行くわけですが、「特に問題はない」とか「原因がわからない」などと診断され、なかなか納得いく治療を受けられずに悩んでいる人が多いです。悩んでいる方は真剣ですから、ときには饒舌に自分の症状を訴えるわけですが、なかなか思うように聞いてもらえない。僕はそんな方たちの話を聞くことに根気よくお付き合いできる性格です。患者さんの中には、うつ病だけでなく、なかなか回復しない腰痛に長年悩んでおられる方がいらっしゃることもあります。うつ病の治療の中でじっくりお話を伺うことで、それ以外のことにも良い影響が生まれ、生活面で助かるということであれば、医師冥利に尽きます。

診療をスムーズに行うために工夫していることはありますか?

患者さんがリラックスできるようにと、院内の内装を落ち着く色調で統一し、ドアや壁も、プライバシーに配慮した防音がしっかりしたものを選びました。あと、全体的な診療のプロセスにもこだわっています。当院では最初の問診から診察まですべてを診療室で行い、マンツーマンで対応します。患者さんに負担がかからない診療体制を心がけています。

読者に啓発しておきたいことを含め、メッセージをお願いします。

6

最近気になるトピックスとして「大人の発達障害」があります。社会に出て周りと違ってうまくできない、ついていけない、頑張っても覚えられない、といったことでお悩みの方は、ぜひ一度受診することをお勧めします。できない、ということが障害だと気づかず、自分を責めることはありません。こういった心の病は、昔と比べて世間に認知されてきましたが、それでも今なお心療内科・精神科のクリニックに対してハードルを感じている人は少なくありません。「何かおかしい」「ひょっとしたら、うつ病かな?」と少しでも徴候を感じたら、早めに治すようにしましょう。心の病は決して特別な病気ではありません。今後も僕の原点である「最新の脳科学の視点」からも、皆さんの「心」について最善の治療を行っていきたいです。

Access