河合 光徳 院長の独自取材記事
かいと整形外科リハビリクリニック
(尼崎市/尼崎駅)
最終更新日:2025/05/29

JR神戸線・尼崎駅より徒歩3分、2022年5月に開院した「かいと整形外科リハビリクリニック」。体の痛みからの解放と機能の再獲得をめざしてリハビリテーションに重きを置き、1階の診療スペースのほか、4階には通所リハビリ施設を併設。さらに訪問看護ステーション・ケアプラン施設も備えており、必要に応じて連携しながら患者の悩みの解決に向けて取り組んでいる。院長を務める河合光徳先生は、リハビリ室を眺めながら「1人でも多くの人が、好きなことをできるようになるまで、しっかりサポートをしたい」と目を輝かせる。病院勤務時代に数多くの手術を手がけ、豊富な臨床経験を持つ河合院長が考える「サポート」とはどんなものか、またクリニックのめざす先はどこか、詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2022年6月1日/情報更新日2024年12月23日)
リハビリで、消えない痛みにアプローチ
優しい雰囲気があふれる広々としたクリニックですね。

開院する際「整形外科クリニックだけでなく、リハビリもできる施設をつくりたい」という思いがありましたので、広々とした空間を探していました。ここは駅近でアクセスも良く、特徴のあるリハビリ施設を併設することもできましたので、現在の自分にとって理想的なクリニックをつくれたなと思っています。また、せっかく来てくださった患者さんには少しでも心地良い空間で過ごしていただきたい気持ちがあり、1階は海と空をイメージしたブルー、4階のリハビリ施設は森をイメージした暖色系をテーマカラーにしました。海と空は私が大好きなものであり、大切な息子・娘の名前にも使ったほど。わが子への愛をいつも胸に、来てくださる患者さんへ愛ある診療をしたいと思っています。
クリニックの特徴を教えてください。
リハビリに注力していることです。整形外科を受診する患者さんは、体の痛みに悩んでいらっしゃいます。痛みのあまり、日常生活を含めた「やりたいこと」ができず、気分的にふさぎ込んでしまう方も少なくありません。また、薬や注射・手術などの治療をしても痛みが改善されない方も多くいらっしゃいます。私は、このような方を救うための方法がリハビリだと考えています。検査・診断を行い、治療をすることも大切ですが、病名にとらわれず生活習慣や姿勢・体型など根本的な部分をしっかりと見つめ直し、痛みの抑制を図り患者さんがやりたいことができるようにサポートすることが、整形外科の一番の使命だと思っているからです。
そのように考えるようになったきっかけはありますか?

病院勤務時代には膝の人工関節の手術など、非常に多くの手術を経験させていただきました。悪くなった部分を、状態の良いものに置き換えるわけですから、理論的には問題なく動けるようになるはずなんです。しかし、そううまくはいきません。傷が癒えても痛みが消えない、動きづらいなんてことが当たり前にある。「これはなぜだろう?」と考えた結果、自分は「悪くなった部分だけ」に注目しているからではないかと考えるようになりました。人間の体は連動していますから、1箇所だけ対処できてもそれは一時的なもの。痛みを治すためには全体を見て、良い状態に調整することが大切と考えるようになり、リハビリを重視するようになりました。
志を同じくするスタッフと、患者をサポートする
患者さんと接するにあたり、心がけていることはありますか?

まずは患者さんをよく知ること。そのための手間を惜しまないことですね。先ほどお話ししたように、全体を見るためにはエックス線やCT、MRIなどの検査も大切ですが、ご本人を知ることもとても大切です。仕事や趣味は何か、どんな暮らしをしているか、体の使い方に癖はないかなど、すべてが痛みの原因を知るためのヒントです。ただ、診察時間には限りがあるので、私一人ですべての情報を知ることは不可能です。そこで当院ではあらゆるタイミングで、スタッフが患者さんとコミュニケーションを図り、得た情報を共有することで治療に役立てています。私に話しにくいことはスタッフに伝えるのでもいいので、気軽に話してもらえたらうれしいですね。
女性の理学療法士さんも多数在籍されており、話しやすい雰囲気づくりがされていますね。
当院には女性の理学療法士が多く在籍していますが、実はこれは偶然で、単純に「患者さんが、好きなことを楽しめる暮らしができるようサポートする」という目標に賛同してくれた人たちなんです。みんながとても情熱を持って仕事に取り組んでくれていますし、患者さんとも気持ちの良い関係を築いてくれています。リハビリ室から笑い声が聞こえることもあり、高齢のご婦人など、彼女たちとの会話をモチベーションに通ってくださっていることもあるほど。理学療法士は私よりも長い時間を患者さんと過ごしますが、とにかく当院ではすべてのスタッフが「患者さんのため」を大切にして働いてくれていて、私としても安心して任せられます。その姿を見ていると、自分は恵まれているといつもありがたく思っています。
リハビリ施設について、もう少し詳しく伺えますか?

1階にあるリハビリルームでは、健康保険でのリハビリを行っています。事故やケガの回復のためのリハビリはここですね。1階には個室のリハビリルームもありますので、子連れのお母さんたちも気軽に利用していただけます。子どもがいると、自分のことを気にする時間や余裕がないかもしれませんが、お母さんが元気なのは大切なこと。痛みを我慢しすぎず、わが子の心配が少ない空間でリハビリに取り組んでもらえたらと思います。また、4階に併設する施設では通所リハビリ(デイケア)を行っており、こちらは介護保険適用の場所です。そして、近隣に訪問看護ステーションも備えており、訪問リハビリや訪問看護にも対応できるようになっています。どちらにおいても、単なる筋力回復だけでなく、筋肉の柔軟性を取り戻すことにも着目し、客観的な評価のもと理学療法士が一人ひとりに合わせたメニューをご提案しています。
めざすは「無理なく痛みのない暮らし」
たくさんのベッドがあることに驚きました。

整形外科のリハビリというと、超音波治療や低周波治療などをイメージする人が多いかもしれませんね。もちろん、そういったリハビリも大切ですが、当院がめざしているのは「患者さんのやりたいことができること」ですから、そのために必要な筋力の回復や柔軟性の獲得を図ることも積極的に行っています。これは理学療法士による施術が中心になるので、機械ではなくベッドが多く並んでいます。また、病院やリハビリ施設は床の凹凸もなく歩きやすいものですが、自宅に帰ればそうはいきません。患者さんの暮らしにどんな危険があり、その中で安全に過ごすにはどうすればいいか、そこまでしっかりと見据えたリハビリを行うことで、安心できる暮らしを提供したいと思っています。
スポーツ整形や産後のリハビリなどにも注力されているんですね。
事故や加齢によるものだけでなく、スポーツを頑張るアスリートや産後のケアも整形外科の大切な仕事だと思います。アスリートには競技特性に合った治療や動きの獲得が必要ですし、産後のダメージケアをしっかりと行うことは、女性が将来の体の痛みを予防するために大切なこと。その人の状況に合った治療・リハビリをすることで「無理なく痛みのない暮らし」を実現し、スポーツや育児を存分に楽しんでもらいたい。痛みから始まる負の連鎖が起こらないよう、患者さんの体と気持ちに寄り添いながら、良い治療・リハビリを提供していきたいと考えています。もし、痛みや違和感に悩んでいる人がいたら、気軽に受診してください。
それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。

事故や加齢によるものだけでなく、スポーツを頑張るアスリートや産後のケアも整形外科の大切な仕事だと思います。アスリートには競技特性に合った治療や動きの獲得が必要ですし、産後のダメージケアをしっかりと行うことは、女性が将来の体の痛みを予防するために大切です。その人の状況に合った治療・リハビリをすることで「無理なく痛みのない暮らし」を実現し、スポーツや育児を存分に楽しんでもらいたい。痛みから始まる負の連鎖が起こらないよう、患者さんの体と気持ちに寄り添いながら、良い治療・リハビリを提供していきたいと考えています。もし、痛みや違和感に悩んでいる人がいたら、気軽に受診してください。