全国のドクター9,289人の想いを取材
クリニック・病院 158,664件の情報を掲載(2024年4月16日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市守山区
  4. 新守山駅
  5. 守山みずのハートクリニック
  6. 水野 明宏 院長

水野 明宏 院長の独自取材記事

守山みずのハートクリニック

(名古屋市守山区/新守山駅)

最終更新日:2023/12/22

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック main

幹線道路の交差点に面したドラッグストアの1階に「守山みずのハートクリニック」がある。水野明宏院長は、心臓血管外科を専門に研鑽を積んだエキスパートで、内科、外科、血管外科、循環器内科と幅広い診療に対応する。同院の特徴の一つに挙げられるのが、足に関する諸症状の診療に力を入れている点だ。むくみや冷え、だるさなど、血管に関連する諸症状の悩みに幅広く耳を傾け、病診連携も図りながら適切な治療につなげている。「これまでの自分の歩み、経験が地域医療のお役に立っていると思うとうれしいです」と語る水野院長に、クリニックの特徴や医療への思いを聞いた。

(取材日2023年8月30日)

生活の質の向上と健康維持に役立つ診療を実践

開業の経緯を教えてください。

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック1

勤務していた名古屋市立東部医療センターが名古屋市立大学に移管されたのをきっかけに、自分自身の医師としての今後を考え、学生や若い医師の育成のために働くよりも「患者さんの治療に全力を注ぎたい」と思い、2022年に開業しました。この場所に巡り合ったのは開業場所を探しているさなかのこと。ドラッグストア併設であること、広い駐車場があることが決め手です。患者さんの利便性を考えると、これら条件は外せませんでした。後から気づいたのですが、以前あった守山市民病院と東市民病院が合併して名古屋市立東部医療センターとなった経緯もあり、実は東部医療センターの患者さんの中には守山区在住の方も多かったんです。開業後も継続して受診してくださる患者さんもいて、この地に縁があったんだなと感じています。

どのような診療に対応されているのですか?

内科、外科、血管外科、循環器内科を標榜しています。風邪をはじめとした急性疾患や生活習慣病などの慢性疾患の治療、ケガの処置、動脈硬化症といったさまざまな診療に対応しています。この辺りは内科が少ない地域ということもあり、新型コロナウイルスやインフルエンザの検査に来られる方も多くいらっしゃいます。中でも当院の特色は、日帰り手術をはじめとした下肢静脈瘤の専門的な治療や、フットケアにも対応している点です。外反母趾や扁平足などの症状には、医療用インソールの作製にも応じています。足の悩みには、整形外科的な原因が関係するもの以外にも、血管やリンパ管が関係していたり、糖尿病などの病気がトラブルを招いたりすることがあります。リンパ浮腫を抱える方に対してはマッサージを用いた治療や、弾性ストッキングによる圧迫療法を行っています。

クリニックづくりでこだわった点を教えてください。

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック2

下肢静脈瘤の日帰り手術を行う施術室、リカバリー室を備えています。フットケア室があるのも特徴の一つ。専用の足の洗い場があるので、フットケアを衛生的に行える環境となっています。また、超音波検査や血圧脈波検査などの検査機器に加えて、胸部エックス線画像診断の際に用いるAI読影支援システムも導入しています。私とAIのダブルチェックで読影することで、見落としのリスク低減につながっています。また、電子カルテシステムを通じて、名古屋市立大学医学部附属東部医療センターや西部医療センターともつながっていますので、同センターでの精密検査の予約もスムーズに行える体制となっています。皆さんに安心して受診していただくため、感染症が疑われる患者さんは隔離室内で診察を行い、ドラッグストアと連携して隔離室内や車内でお薬の処方、会計までできるよう体制を整えています。

患者との対話を通じて原因をひもとき治療につなげる

医師をめざしたきっかけ、専門領域を決めた理由は何だったのですか?

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック3

子どもの頃、体が弱くよくお医者さんのお世話になっていたんです。それが原体験となったんでしょうね。中学進学後、周囲に医師のご子息が多かったのも影響し、14歳頃には「医師になる」と決めていたように思います。その後、名古屋市立大学医学部に進学。卒業後、初期研修で最初に所属したのが、消化器外科と心臓血管外科と小児外科がある講座でした。実は当時、私自身は消化器外科、特に肝臓を専門とする医師になりたいと考えていたんです。ですが、その1年間を振り返ると、半分以上を心臓血管外科で過ごしていて。それで、初期研修を終えるタイミングで心臓血管外科に進むことにしました。当初の目標とは異なりましたが、もともと外科をめざしたのも、複雑な再建が必要な治療に携わりたいとの思いがあったので、心臓血管外科にもやりがいを感じていました。

血管疾患の治療にはいつ頃から取り組まれているのですか?

2007年頃に、腹部動脈瘤のステントグラフト治療が日本に入ってきたのが、本格的に取り組み始めた最初のきっかけです。治療に関する講習を聞いて「これをやりたい!」と思い、一念発起してカテーテル治療を多く行っていた岐阜の長良医療センターに赴任させてもらいました。ですが、赴任からほどなくして心臓血管外科の手術が終了するとの話を聞いて……。落ち込む私に、当時の院長が提案したのが、保険適用となって間もない下肢静脈瘤に対するレーザーカテーテル治療。結果として、普及の初期段階の時期から治療の研鑽を積むことができました。市民向けの啓発活動も精力的に行っていました。その後、奈良の病院で下肢静脈瘤やステントグラフト治療を専門に行うチームの診療体制の立ち上げに携わり、一度撤退してしまった東部医療センターの心臓血管外科の再建にも関わる機会に恵まれました。

診療の際、心がけていることを教えてください。

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック4

何よりも大事にしているのは、患者さんとの対話です。できるだけ対話の時間を取って、顔を見合わせるといった、基本に忠実であることを心がけています。あらゆる可能性に目を向けることにも意識を向けています。私たち心臓血管外科の医師は「足の症状を診るときは足だけに注目していてはいけない」と口酸っぱく指導されてきました。足の症状が、他の臓器と関係しているというのは決して珍しいことではないんです。例えば歩行時に足が痛くなる下肢閉塞性動脈硬化症ですが足の血管だけが動脈硬化になるだけではなく、全身にある血管が動脈硬化を起こすため脳の血管や心臓の血管にも影響が及び脳梗塞や心筋梗塞を起こしていることがあります。足の症状にだけに気を取られていると文字どおり「足をすくわれる」結果になりかねません。さまざまな可能性を検討しながら診察を行い、適切な治療につなげるのが、私の役目かなと思っています。

地域のニーズに耳を傾け、診療で応える

治療では漢方を取り入れることもあるそうですね。

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック5

漢方にはもともと興味があって、勤務医の頃から勉強を続けてきました。漢方は、病名のつかない症状にも役立つことがあります。例えば診断の結果、下肢閉塞性動脈硬化症とわかれば血管を広げるための治療をしたり、血をさらさらにするためのお薬を用いるなど、どの薬を使えばどんな結果が見込めるかの見立てができます。けれど、冷えの中には血管の病気がないのに冷えを感じている、といったケースも多いんです。こういった場合に、漢方の投与で患者さんの症状改善につながることがあるので、適宜提案しています。今後さらに勉強を重ね、もっといろんな「はっきりしない不調」の改善に役立てていきたいです。

今後の展望を教えてください。

勤務医の頃、先天性心疾患の治療に携わっていたんです。先天性心疾患とは、生まれつき心臓や血管の構造の一部が、正常とは異なる病気です。心臓には左右それぞれに心房と心室がありますが、 複雑心奇形の術後の方の中にはこれらが1つずつになるような手術を受けた方もみえます。そのような方は幼少期に手術を受けた後、しばらくは小児科で経過を見ることになりますが、成人になっても経過観察が必要な場合があり、小児科では診てもらえないケースが出てきてしまいます。そういった患者さんを何とか当院で引き受けるために、名古屋市立大学病院心臓血管外科との連携を強化し、成人先天性心疾患の外来を2024年1月から開設いたします。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

水野明宏院長 守山みずのハートクリニック6

困った症状があれば相談してください。健康診断の結果について質問したい、市の健診について相談したいといったことでも構いません。当院でも健診を実施していますが、私は血管を専門としていますので、今後は首の頸動脈や手足の超音波検査などを組み合わせた、新たな健診メニューの追加を予定しています。予防医療に力を入れることで、地域の皆さんの健康に貢献できたらと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

弾性ストッキングを用いた圧迫療法/3500円~、リンパ浮腫のマッサージを用いた治療/4400円(お一人1時間の完全予約制。月2回実施しております。※詳細日時、予約についてはお電話下さい。)

Access