食事と運動を主とした健康管理で
糖尿病による合併症の予防を
とき内科クリニック座間駅前
(座間市/座間駅)
最終更新日:2022/12/07
- 保険診療
糖尿病とは、インスリンというホルモンの不足や作用低下で、血糖値の高い状態が続く慢性疾患である。何年間も血糖値が高いままで放置すると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、足の壊疽といった合併症につながるという。糖尿病・甲状腺疾患など専門分野を中心に内科全般に対応している「とき内科クリニック座間駅前」。日本糖尿病学会糖尿病専門医である土岐卓也院長は、短時間で結果の出る先鋭の検査装置を導入し、質の高い糖尿病治療に努める。加えて、さまざまなオンラインアプリを使用した健康管理は、患者のモチベーションを高め、生活習慣の改善につなげることに役立っているそうだ。「糖尿病は完治しませんが、血糖値を正常に保てば、合併症のリスクを引き下げることが期待できる」と語る土岐院長から、糖尿病治療について詳しく話を聞いた。
(取材日2022年7月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q糖尿病の治療では、まずどのようなことを行いますか?
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A
糖尿病は「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」「その他」と大きく4つに分かれます。2型糖尿病が日本人に最も多く、生活習慣による影響が強い糖尿病で、基本的には食事と運動、薬の3本立てで治療を進めます。一番重要なのは、食事の管理です。まず、患者さんが普段召し上がっているものや、身長と体重、普段どれくらい体を動かしているのか、仕事内容や運動習慣などをお聞きし、1日の必要な食事量を計算します。それによってアドバイスをさせていただきながら、食べ過ぎや運動不足など、生活習慣を見直していくことから始めていきます。
- Q貴院ではアプリを使用して生活習慣の管理をしているそうですね。
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A
例えば、測定した血糖値のデータを、許可をいただいた患者さんのスマートフォンのアプリに連動させていただきます。アプリを利用することで、インスリン投与量や血糖値のデータを見ながら患者さんと相談できますし、患者さんも自分自身の管理に役立てることが可能です。また、血圧や体重、食事などの管理もアプリに集約することが可能です。食事内容を写真データで記録したり、食品のバーコードを読み取るだけで、その情報がアプリに反映されるので便利です。もちろん、スマホの操作がなかなか難しい方には、受診時にしっかりと話を聞きながらご対応いたします。患者さんの健康管理の選択肢の幅が広がり、便利に感じていただければうれしいです。
- Qどのタイミングでの受診が望ましいのでしょうか?
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A
基本的には、初期症状はあまりみられません。ただ血糖値が高くなった時に、ひどく喉が渇く、トイレが近くなる、急に甘いものが欲しくなるといった症状が現れますので、もしもそういったことがあれば受診をしていただきたいです。また、健康診断で「血糖値が高い」と指摘を受けた方は、すぐに相談していただくのが一番かと思います。糖尿病が悪化して、ある程度、合併症が進んでいきますと、手足のしびれやむくみ、視力の低下、やけどやけがの痛みを感じないなど、いろいろな症状が出てきますので、一度内科として診察をした後、適切な対処を取らせていただければと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1健康診断の結果から受診が必要か確認
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糖尿病の治療は合併症を予防するのが第一の目的。健康診断の結果の中で、血糖値だけでなく、血圧、コレステロール、肝機能の数値、体重などの項目に気をつけ、トータルで診断する必要があるという。特に、血圧が高いと腎臓へ多くの負担がかかり、透析治療につながったり、網膜内の血管にも悪影響を及ぼし、糖尿病性網膜症の進行を加速することも。健康診断で異常な数値が出た場合は、必ず再検査を受けよう。
- 2受診の予約をし、問診票に記載する
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ホームページから受診の予約をした際に、登録したメールアドレスに問診票データが送られてくるため、前もって問診票に記載することが可能。現在の様子、既往歴、飲酒や喫煙の有無、食事、睡眠など、生活習慣についての質問に答えていく。また、「お薬手帳」を持っている人は、受診の際に必ず持参し、今どんな薬を飲んでいるかを医師が把握できるようにすることが大切だ。
- 3食事、運動、薬に関しての相談を行う
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食事のカロリー計算や、日々の運動について、医師が患者の話を聞きながら確認していく。必要であれば管理栄養士からの食事指導があることも。薬については、医師と患者で相談しながら、内服薬やインスリンなど注射薬の必要量を調整し、治療を進めていく。
- 4血糖、血圧、食事の内容などをアプリで管理
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適応のある患者は血糖値を指先で検査し、スマートフォンのアプリで管理。また、二の腕に機械を装着して行う持続血糖測定の値や、食事の管理もアプリを使って記録することが可能だ。このデータはクリニックと連携させることができるため、あくまでも患者の意志を尊重しながら、クリニックと情報共有することで、よりスムーズで質の高い診療につなげている。
- 5定期的に通院
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糖尿病は、生活習慣を継続的に見ていく必要があるため、定期的な通院が重要だ。月1回のペースで受診し、体重や血圧、血糖値、コレステロールを測定。また、薬の副作用についても確認する。症状が安定している人は、都合に合わせて通院期間を長めに調整することも可能だ。