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中澤 裕美子 院長の独自取材記事

おしゃべりキッズクリニック

(世田谷区/祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日:2022/10/25

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真新しいメディカルモール内にある「おしゃべりキッズクリニック」。陽の光がいっぱいに入る院内は、一般患者と予防接種や健診の患者で入り口が分かれており、それぞれに広々とした待合室が設けられている。雲をモチーフにした愛らしい4つのキャラクターロゴも印象的だ。国立成育医療研究センターで10年、二子玉川の小児科クリニック院長として6年、小児医療に取り組んできた中澤裕美子院長が、自身の小児医療への思いを実現すべく2022年5月に開院した。優しい笑顔と思慮深い言葉の数々から伝わってくるのは、子どもたちへの愛情だ。子どもたちだけでなく、子育てに悩む母親にも温かな対応でサポートする中澤院長に、同院のめざす医療や子どもを取り巻く社会について話を聞いた。

(取材日2022年6月2日)

親子にとって明るい明日をつくれる一助になりたい

「おしゃべりキッズクリニック」という院名にはどのような意味があるのですか?

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自分がおしゃべりが好きということもありますが、おしゃべりは好きな人も苦手な人もいらっしゃると思うので、ここに来たらおしゃべりしなくてはいけないということではありません。「おしゃべり」と命名した背景には、ここでは伝えたいことをいつでも話すことができ、否定される心配がないですよという意味があります。それが一番安心感につながるのではないかという思いを込めました。病気や発達、学校やいろいろな問題で何かにつまづいた時、ぜひ気軽に相談に来ていただきたいなと思っています。お話をするだけで楽になることもあれば、何かアドバイスが必要な時もありますし、場合によっては他の医療機関や子育てをサポートする施設などを紹介したりもします。あらゆる手段を考慮に入れて、親御さんとお子さんにとって一番良い明日を描ける一助になりたいと思っています。

地域にとってどのようなクリニックでありたいとお考えですか?

これまで国立成育医療研究センターに10年勤務し、小児科クリニックの院長を6年間務めてきた中で、いろいろな病気や障害をゼロにすることはできないけれども、たとえそうであっても、子どもたちが幸せに笑顔で生きることができ、お母さんは子育てが楽しいと思えるようにしたいと感じました。それが私たちのゴールであり、開院しようと思った大きな理由でもあります。小児科は感染症の治療や健診、予防接種などを中心にたくさんの子どもたちを診ていきますが、果たしてそれだけでいいのだろうかと考えることが増えていきました。目の前の患者さんにお話を聞いて掘り下げていくと、ご家庭の問題、保育園や幼稚園、学校の問題、地域の問題など、さまざまな問題でお母さんたちや子どもたちが苦しんでいる。医療の提供とともにそういったところにも対応できるようなクリニックをめざしました。

こちらのスタッフさんはお子さん好きの方が多いそうですね。

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当院のスタッフの経歴はさまざまで、ベテランから若手までいますが、一番大事にしていることは、この仕事が本当に好きかどうかということです。やりがいを持って本気で取り組める内容であれば、接遇などにおいて90度のお辞儀をするとか、正しい敬語を使うなど以上に相手に思いが伝わると思います。同じ内容のことを言うのでも、相手に伝わることや、そこに思いがこもっているかがすごく大事だと思います。どんなに忙しくても、誠意ある態度だけは崩したくないですね。当院のスタッフは皆子どもが大好きで、子育て支援をしたいという思いで集まっていますので、安心して来ていただけたらと思います。

いろんな子がそのままでいいと思いを込めたロゴマーク

こちらのクリニックは、入り口が二つあるのが特徴的ですね。

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感染症疑いのあるお子さんと予防接種、健診のお子さん、それぞれ専用の入り口を設けて待合室を別にし、交わらないようにしています。午後2~3時は予防接種と健検診の時間帯にしていますが、仕事で夕方しか連れて来られないという親御さんもいらっしゃると思いますので、時間予約と順番予約を併用しながら、待合室が混み合わないようにしています。また、子どもたちが手洗いしやすい設備を整えたり、入り口での消毒なども徹底していますね。

雲がモチーフのロゴマークがとてもかわいらしく印象的です。

実は、このロゴマークは中学1年生になる私の娘が描いてくれたものです。もともと絵を描くのが好きな子で、将来はイラストレーターになりたいというようなことも言っているので、「じゃあ、ちょっと描いてみてよ」と頼みました。「イラストレーターは、クライアントの思いを形にするんだよ」と説明し、私がどんな思いで、どんなクリニックをつくりたいか話をしました。そうしたところ、こちらのコンセプトをしっかりとくんで彼女なりにいろいろ考え、わが子ながら良いものを作ってくれました。このロゴマークの4つの雲は友達を表していて、いろんな子がいて、それぞれがそのままの自分でいいんだよという意味が込められています。

診療で大切にされていることは何でしょう。

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例えばお薬飲ませるのがすごく大変なお子さんもいらっしゃいますよね。いろいろなことに不安を感じやすいお子さんもいたり、ご家庭の事情はさまざまだと思います。こうしたらどうですかというアドバイスをしても、それを実際にするのはお母さんですので、私たちができることというのは、お母さんやお子さんたちがどんな生活をしているかを聞き、この子はお薬が得意だから大丈夫と判断したり、お薬が苦手な子であれば、薬にも漢方や錠剤、粉、シロップいろいろある中から処方したり、1日3回飲むことが難しいなどのニーズを聞き、現実的に可能な提案ができればいいなと思います。お母さんの話を聞いて、一番良い方法を考えるよう心がけています。

小児科のキーワード「成長」に面白味を感じこの道へ

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

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私はもともと本を読んだり、いろいろなことを考えることが好きでした。絵空事の言葉ではなく、物事の本質というのはどこにあるのかなということを考える子どもだったのですが、人の生き死にというところを学びたい、向き合いたいと思い医学部へ進みました。入学当初は、ターミナルケアに興味があったり、命の誕生に感動して産婦人科もいいなと考えたりしましたが、初期研修でいろいろな経験をさせてもらった小児科を選びました。自分自身が働きかけることで「成長」や変化がある小児科に感動や面白味を感じ、自分に一番フィットすると感じました。

子育て支援にも注力されているそうですね。

子育てにおいて、母親が感じる責任がとても重いように感じます。身内の方など支えがあればそれに越したことはありませんが、身内だけでなく、地域でいろいろな人が関わることが大事だと思っていて、お母さんやお子さんを支えていくのが当たり前という社会になっていくといいなと思っています。そこで、世田谷区の子ども・子育て総合センター「子育て広場」や「社会福祉協議会」「せたがや子育てネット」など、子育て支援団体とつながって、子育てに関する講演をさせていただいたり、支援をしている方々に向けてもお子さんたち、お母さんたちとの向き合い方をお話しさせていただく機会をいただいています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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大人は子どもに対して、正しいことを伝えなくてはいけない、教えなくてはいけないと考えがちですが、私は一番大事なのは人間関係だと思っています。私も3人の子どもがいて、いまだに子育てには奮闘中です。小さい時は特に、すぐ泣くし、すぐ怒る、学校へも行きづらい。でも、そんな子どもの思いをまず否定せずに認めること、違いを認めて、親子の信頼関係を築くことが何より大事だと思い、子どもと向き合ってきました。日本では、母親に子育ての責任があるように言われることが多いと思いますが、非難されて孤立する親子がないように、子育てに関わるさまざまな職種の方々と連携しながら、地域の力で、子育て支援や育児相談に注力していきたいと思います。

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