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池田 憲治 院長の独自取材記事

いけだ内科クリニック

(那珂川市/博多南駅)

最終更新日:2023/11/17

池田憲治院長 いけだ内科クリニック main

片縄東バス停から徒歩1分の場所にある「いけだ内科クリニック」。2022年4月に開業したばかりの同院は消化器内科で研鑽を積み、上部・下部内視鏡検査の経験も豊富な池田憲治先生が院長を務めている。人情味があり話しやすい雰囲気の院長が情熱を注ぐのはその内視鏡検査だ。「昔は『不治の病』であった胃がん・大腸がんですが、内視鏡検査の浸透によって『根治の望める病気』へと変わりました。だからこそ定期的に検査を受けてほしいと思います」と語る。その際も経鼻・経口のどちらが良いか、下剤を飲むのは自宅とクリニックどちらがいいかなど、患者の意思を尊重する。「かかりつけ医として地域の方と長くお付き合いをしていきたいと思っています」と笑顔を見せる院長に、診療スタイルや内視鏡検査の工夫など幅広い話を聞かせてもらった。

(取材日2022年7月11日/情報更新日2023年11月14日)

健康でい続けられるための一助になる「内視鏡検査」

先生は上部・下部の内視鏡検査に長く携わってこられたと聞きました。

池田憲治院長 いけだ内科クリニック1

愛知医科大学を卒業後、福岡大学病院の医局に入り、大学病院や福岡赤十字病院では消化器内科を専門として勉強・臨床を行いました。その中で注力したのが内視鏡検査、つまり胃カメラと大腸カメラです。検査で見つかった胃がん・大腸がんの治療も多数行ってきました。直接胃・大腸の内部を確認でき、がん、もしくはその手前の症状であるポリープなどを発見し、事前に患者さんの同意があればその場で切除し根治まで導くというように、一連の流れで進めていける点が、内視鏡検査の大きな魅力の一つだと思います。検査や治療における患者さんの負担がかなり少ないんです。

患者さんの負担を軽減しつつ、早期発見・治療につながる手段なのですね。

ひと昔前は不治の病ともいわれていた胃がん・大腸がんですが、今では内視鏡検査を活用することで、不治の病になる前の段階で発見できるようになりました。この変化は大きなものだと思います。胃がんではなくても、その原因になるピロリ菌などを発見できれば、がんの発生を予防することも図れます。大学病院などにいた頃は「がん治療をするための内視鏡検査」という意識でしたが、今開業医として思うスタンスは「がんにならない、もしくは早期治療につなげるための早期発見」だと感じています。その早期発見・治療で、患者さんが健康を取り戻すことが、内視鏡検査の大きな存在意義なのだと考えています。

開業して1年半ほどたちますが、患者さんの反応はいかがですか?

池田憲治院長 いけだ内科クリニック2

70〜80代の方でも「定期的に上部・下部の大腸内視鏡検査を受けています」という方は多いですね。このエリアには消化器内科のクリニックが比較的多く、初めてという方は少ないようです。逆に初めてとなると40代くらいの方でしょうか。この年代は会社の健康診断などで軽い異常が指摘されることが出てくる頃でもありますから、健診結果の相談も気兼ねなくしてほしいと思います。もちろんその中で必要だと判断すれば、内視鏡検査をお勧めすることもありますよ。それ以外にも風邪や腹痛などの一般内科、高齢の方の糖尿病などの生活習慣病などの診療にも対応しています。ご高齢になると通院がつらくなるので、「近所にできたので助かります」という声も、すでにいただいています。

患者の話を丁寧に受け止め、診断の糸口をつかむ

内視鏡検査に苦手意識がある方もいるのでは?

池田憲治院長 いけだ内科クリニック3

当院では静脈注射による鎮静剤の投与も行っているので、眠っている間に検査が終わることがほとんどです。また上部内視鏡検査(胃カメラ)では経鼻での検査にも対応しています。経鼻・経口いずれの検査でも、同じ細いファイバースコープを使っているので、経口検査が苦手な方でも比較的負担は少ないと思います。また下部内視鏡検査では、トイレつきの個室を1室用意しています。「自宅のトイレが落ち着くので家で下剤を飲んできます」という方もいれば、「看護師さんたちにすぐに相談できるので、院内で下剤を飲みます」という方、それぞれです。

先生が治療において心がけている点は何でしょうか?

まずは問診、つまり患者さんの言葉にしっかり耳を傾けることです。痛みの位置、程度などは人によって伝え方が違いますし、感じ方も人それぞれです。患者さんが発する言葉や訴えをしっかりと聞き、そこに隠れたヒントをもとに診断のポイントをつかみ取るのが、内科・消化器内科の医師の大きな役目だといえるでしょう。また触診、聴診も非常に大切です。要は患者さんに直接触れることとも言えるかもしれませんね。じかに話を聞き、じかに体の中から発する音を聞き、じかに触れて患者さんと体の反応を見る。そういった昔から変わらない地道で丁寧な診察が、病気を見落とさないためにも何より大切だと考え、日々実践しています。

内視鏡検査ではどうでしょうか?

池田憲治院長 いけだ内科クリニック4

診察と同じで、まずは患者さんの意見をしっかり聞くことです。内視鏡検査自体に苦手意識がある方は多いですし、その中でも経鼻が苦手な方、鎮静剤が作用しにくい方などもいます。もし他院で内視鏡検査を受けたことがあって、気がかりなこと、不安なことがあるならば遠慮なく相談してほしいですね。そうすれば「それなら経鼻ではなく経口がいいですね」「初めてで不安なら当院で下剤を飲むようにしましょう」など提案しながら、患者さんと一緒に不安を払拭していけますから。それに内視鏡検査というと病変やピロリ菌が見つかるなど、「何かある」ほうばかりに気を取られがちですが、何もないことももちろんあるんですよ。検査の結果「何も病変がないことがわかる」なら非常に喜ばしいことですし、それこそ検査を受けたかいがあると断言できますからね。

何でも相談できるクリニックとして、地域に貢献したい

一般内科では風邪や腹痛などの相談も多いと聞きました。

池田憲治院長 いけだ内科クリニック5

一般的な診療も非常に大切です。その中にもしかすると大きな病気が隠れている可能性もあるため、先ほど言いましたようにしっかりと診察を行っていきます。最近かなり増えてきているようですが、当院でも症状や患者さんの希望に応じて漢方薬を処方することもあります。消化器系の症状に応じた漢方薬は多いですし、他にもめまいやアレルギーなど、症状に応じて提案しています。今は感染症のこともあって皆さん無意識のうちにナーバスになっているので、ストレス性の腹痛の相談などでも漢方薬が活躍していますよ。「漢方薬がいいです」とおっしゃる患者さんもおられますね。漢方薬に興味がある方や試してみたい方は相談いただければと思います。

先生は「相談しがいのある」という言葉がぴったりですね。

父が田舎の一般内科・消化器内科の開業医で、それが私の原点なのだと思います。だから私自身も、いずれは開業して地域の「町医者」になりたいと考えていました。都心部のように人の入れ替わりが激しい場所ではなく、ご近所付き合いもまだまだ多い、人の温かみのある地域で、消化器内科の医師として長く貢献したいという想いで開業しました。長く付き合っていけばその方の、例えば症状の表現方法の癖や、食生活などの癖もわかります。それに内視鏡検査も1回受けただけで終わり、ではありません。患者さんの検査結果に応じて検査のサイクルは違いますが、定期的かつ長いスパンで検査を続けることで、がんの防止、もしくは早期発見につなげていく。そこに内視鏡検査の大きな意味があるのだと思いますよ。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

池田憲治院長 いけだ内科クリニック6

まずは開業して間もないため、地域の方と長く付き合っていく土台をしっかりとつくっていきたいですね。健診で引っかかった、内視鏡検査をしたことがないのでやってみたい、頭痛がある、めまいがあるなど、些細なことでも構いませんので、何でもご相談くださるとうれしいです。そうして長く付き合っていく中でがんの根を断ち切ることができれば、私自身が理想としている「町医者」の姿に近づけるのではないかと考えています。糖尿病などの生活習慣病や日常的なお悩みももちろんですが、内視鏡検査ではできるだけ楽に検査を受けられるように工夫を凝らしています。まずは相談からぜひスタートしてみてください。お互いしっかりお話をしながら、より良い道を探していきましょう。

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