治療レベルや生活スタイルに沿い提案
糖尿病は専門クリニックで
よしうちクリニック
(尼崎市/武庫之荘駅)
最終更新日:2025/10/28
- 保険診療
日本人の10人に1人がかかるといわれ、年々増加傾向にある糖尿病。とてもメジャーな病気だが、どのような病気か、何が怖いのか説明できない人もいるだろう。「糖尿病で怖いのは、合併症。合併症を予防するために、また残念ながら合併症が起きてしまっても、専門クリニックでの受診が大切です」と、「よしうちクリニック」の吉内和富院長は訴える。吉内院長は大学院で糖尿病について研究・診療を重ね、また高血圧症・脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病や、橋本病・バセドウ病といった甲状腺の病気、下垂体・副腎・内分泌の疾患についても長く診療に携わってきた日本糖尿病学会糖尿病専門医だ。今回は特に、糖尿病となったときに専門クリニックにかかるメリットなどについて詳しく聞いた。
(取材日2024年7月19日/再取材日2025年10月10日)
目次
全身に多様な合併症を引き起こす糖尿病、だからこそ専門クリニックで血糖値をしっかり管理することが大切
- Q糖尿病を放置していると、どのようになるのでしょうか?
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A
▲糖尿病の初期は自覚症状のないまま進行するため注意が必要
放置するとさまざまな臓器に病気が起こります。糖尿病とは、血液中に吸収されたブドウ糖の濃度が高くなる病気で、全身の血管や神経に損傷を与え、合併症を引き起こします。初期は自覚症状がほとんどありませんが、血糖値がかなり高くなると喉が渇き、飲量が増え、尿の回数が多くなります。さらに高血糖値が続くと重篤な昏睡に陥ったり感染症になったりしやすくなります。経過が長くなると足や指先がしびれて痛くなり、目の見えにくさ、むくみが出てきます。血圧やコレステロールも高いと血管が硬くなり脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気につながることも。近年では認知症やフレイル、サルコペニア、がんにも関連するといわれています。
- Q検査や治療は、どのようなことを行うのでしょうか?
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A
▲糖尿病は生活習慣の見直しを行い、改善していくことが肝要となる
まずは血液検査と尿検査を行うのが一般的です。血液検査で血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を調べて、基準値と比較して糖尿病かどうか診断します。尿検査では糖、たんぱく質、ケトン体が出ていないか確認し、治療の緊急性の有無や合併症についても評価します。治療は糖尿病の程度や合併症の有無によりますが、初めは食事や運動など生活習慣の見直しからスタートをすることが多いです。食べる順番やタイミングを工夫したり、散歩などの運動を取り入れたりと、できることから始めます。「こんな簡単なことで良いの?」と思うかもしれませんが、まずは続けることが重要です。それでも改善が難しい場合は、薬物療法を取り入れます。
- Q専門クリニックで行う治療には、どんな特徴がありますか?
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A
▲食生活などの相談を行える、個室のカウンセリングルームの設置
現在の糖尿病治療はガイドラインがあり、どのクリニックでも一定水準の治療を受けられますが、糖尿病などの代謝内科を専門とするクリニックであれば、より適切な時期に適切な治療を受けることができます。例えば、生活スタイルの変化や合併症の発症で、これまでのお薬では対応できないこともあるでしょう。その時々で必要な治療は変わりますし、合併症によっては糖尿病のお薬と飲み合わせが悪いものや、積極的な運動でかえって悪化するケースもあります。また急に血糖値が悪化した時は、2型糖尿病が1型になったのか、がんの発生がないかを検査します。そういった深い知識を持ち適切な治療を提供できるのは、糖尿病専門医だからこそといえます。
- Qこちらのクリニックならではの強みを教えてください。
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A
▲一人ひとりの状態を見て、丁寧に相談に応じる院長
当院の強みは、糖尿病専門医による知識と経験を生かしたオーダーメイド治療です。私はインスリンの作用を研究してきた経歴があり、その知見をもとに糖尿病の進行度や合併症、併存疾患の有無を見極め、適切なお薬を提案します。近年では血糖変動を簡単に「見える化」できるツールも登場し、より無駄なく、一人ひとりに合った治療が可能になりました。さらに予防の一環として肥満の外来を設け、糖尿病や生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患などのリスクに対し、専門家の指導のもと、安全性に配慮した継続可能な生活習慣改善を支援しています。自己流では難しい健康管理を、医療の力でサポートします。
- Q栄養相談も行われているそうですね。
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A
▲クリニックで作成している、調味料のレシピも豊富
食事は重要な要素ですから、管理栄養士による栄養相談を実施しています。時間は1回約20分で、糖尿病の人だけでなく、高血圧症や脂質異常症、減量希望の方や、老年症候群の一つであるサルコペニアやフレイルの方にも、専門家の目からアドバイスしていますね。ですが、指導は無理強いすることはなく、できるだけ患者さんの長年の生活習慣に沿った提案を大切にしています。また最近では腸内環境にも注目しています。腸の働きは、肥満や免疫力、肌の調子にも関わってきます。おなかの調子を見ながら、食事内容などについても相談に応じ、きめ細かに対応しています。

