隠れた病気を早期発見するための
大腸内視鏡検査
かめい内科消化器クリニック
(茨木市/茨木駅)
最終更新日:2023/02/07
- 保険診療
がんによる死亡の中で上位に位置する大腸がんをはじめ、潰瘍性大腸炎、クローン病など大腸に潜むさまざまな病気を発見するための大腸内視鏡検査。健康診断で便潜血陽性の判定を受けた人、下痢が続く、下腹部の激痛などの症状がある人への検査として、受けたことがある人も少なくないだろう。また患者の負担を減らすために鎮静・鎮痛下での検査も一般化しており、「かめい内科消化器クリニック」の亀井宏治院長は「つらいのではないか、痛いのではないかと大腸内視鏡検査を敬遠している人も多いが、鎮静下での検査は寝ている間に終わる非常に楽な検査」と話している。そんな亀井院長に大腸内視鏡検査を受けるメリットや検査の流れについて詳しく話を聞いた。
(取材日2022年9月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査ではどのようなことがわかるのでしょうか?
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A
大腸内視鏡検査では実際に大腸の中の様子が視覚的にわかるので、大腸がんはもちろん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、大腸憩室炎、虚血性腸炎などの病気が診断できます。炎症が起きている場合は痛みなどを感じますが、大腸がんやポリープといった腫瘍については初期の段階では症状を伴わないことが多く、大腸内視鏡検査を実施しなければ発見が難しい病気でもあります。さらに最近では大腸がんの患者さんも増えていることから、心配な方は機会をつくって検査してみても良いでしょう。検査によって病気を早期に発見することができれば早期治療につながりますし、何も異常がなかったとしても安心することができますからね。
- Qどのようなタイミング、年齢で受診すべきでしょうか?
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A
一つは健康診断の検便で便潜血陽性の判定を受けた時。大腸がんやポリープ、痔といった病気の可能性がありますので検査が必要です。また下痢が長期間続いている、下腹部に激痛を感じるといった症状の場合も検査を受けたほうが良いでしょう。年齢的には40歳を超えたタイミングで、一度は検査を受けてみても良いかもしれません。大腸がんはあまり若年層に見られる病気ではありませんが、40歳を過ぎた頃から増えてくるので、一度も検査を受けたことがないという人は検査の機会をつくることをお勧めします。基本的には便潜血や症状がなければ検査の必要はありませんが、ポリープなどが見つかった人などは定期的な検査が肝要です。
- Q検査時に気をつけていらっしゃることはありますか?
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A
静脈注射による鎮静やペチジン塩酸塩を使った鎮痛による、鎮静・鎮痛下での処置です。希望制ではありますが、患者さんによっては不安を感じたり、痛みを感じたりするケースもありますからね。検査中には腸を膨らませてくまなく見るために送気を行うのですが、空気ではなく炭酸ガスを使うようにしています。空気だとどうしても検査後におなかの張りを感じてしまいますから、直接腸管から吸収される炭酸ガスを使うことで検査後の不快感を減らすように工夫しています。いずれもほかのクリニックでも取り組んでいらっしゃることではありますが、患者さんの負担をなるべく減らすためにも欠かせないポイントではないかと考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1まず問診と診察で、検査が必要かチェック
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初診では問診を受けて、健康状態や既往歴などを伝える。診察によって大腸内視鏡検査が必要ということになれば、検査の内容と注意点の説明を受け検査日を決める。検査の前日は午後7時頃までに、粥やうどんといった消化の良い検査食を食べて休む。
- 2検査当日は下剤を服用して準備
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検査当日はクリニックを受診し下剤を服用。腸内をきれいにした後、検査着に着替え希望に応じて鎮静・鎮痛の処置を受ける。また下剤に関しては自宅で服用し、便を出し終わってから受診することも可能。
- 3大腸内視鏡検査を受ける
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検査前の準備が終わったら、実際に内視鏡を肛門から挿入してチェックしてもらう。鎮静下であれば基本眠っている間に終わり、検査の所要時間は15〜30分程度。ポリープが見つかった際にはその場で切除してもらうため、1時間から1時間半ほどかかるケースも。
- 4リカバリールームで休む
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検査が終わったら、ストレッチャーのままリカバリールームに移動して30分ほど休む。足元のふらつきなどが続くようであれば、拮抗剤によって回復を図る。
- 5検査結果の説明を受けて終了
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体の状態が戻ったら、医師による検査結果の説明を受ける。ポリープが多かった場合には検査日だけでは処置ができず、再度切除を行う必要があるため受診日を決めるほか、大腸がんが疑われる際には基幹病院を紹介してもらう。