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野本 文子 院長の独自取材記事

二俣川はまかぜ内科

(横浜市旭区/二俣川駅)

最終更新日:2022/06/10

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科 main

二俣川駅から歩いて2分の場所にある「二俣川はまかぜ内科」。野本文子院長は、大規模病院の循環器内科で心臓移植にも携わり、在宅療養支援診療所院長の経歴ももつドクターだ。今年4月の開業後は、外来と訪問診療の2本柱で「いたわりの医療」に取り組んでいる。外来部門では循環器内科、女性内科、漢方内科に対応。生活習慣病全般の診療を行う循環器内科では、迅速な炎症反応測定や臨床検査技師による全身のエコー検査で、病気の早期発見に努めている。女性内科、漢方内科では女性の心身の不調に向き合い、漢方薬を用いながら体質改善をめざす。「横浜の地域医療に貢献していきたい」と語る野本院長に、クリニックの特徴や医療に対する思いについて話を聞いた。

(取材日2022年5月25日)

外来と訪問診療の2本柱でめざす「いたわりの医療」

診療内容や方針について教えてください。

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科1

2つの柱を中心に、至誠と慈愛をもった「いたわりの医療」をめざしています。1つめの柱は、健康寿命を長く保っていくお手伝いです。日本は超高齢化社会に突入し、平均寿命は延び続けています。しかし例えば骨折で寝たきりになってしまったら、それは健康的な生活とはいえません。生活習慣病全般の診療を行う循環器内科、女性の不調に向き合う女性内科、未病状態の諸症状に対してアプローチする漢方内科。これらの診療を行うのが外来部門です。もう1つの柱は、健康期を通り過ぎた患者さんに対しての、穏やかな生活のお手伝いです。自力での通院が困難になったり、老病や死に向き合う時が来た患者さんとそのご家族に寄り添い、自宅療養をサポートする訪問診療部門です。2つの柱が向き合う患者さんの層は異なりますが、どちらの患者さんにも「今」の生活があります。患者さんの想いを聴き、一緒に考え応えていけるような医療を提供していきたいと思っています。

院内ではどのような検査が受けられるのでしょうか?

血中の炎症反応や血糖値は院内で測定可能です。即日で結果が出ますので、そちらを踏まえて診療を行います。エックス線の他、動脈硬化や骨密度の検査機器も備えています。また週に2日、臨床検査技師が全身のエコー検査に対応。心臓・腹部・甲状腺・血管などの状態を確認し病気の早期発見につなげています。コレステロール値が高い方は脂肪肝のリスクが上がり、糖尿病を患うとすい臓がんになりやすいといわれています。勤務していた循環器内科では、生活習慣病から心筋梗塞を発症する患者さんも少なくありませんでした。重篤な症状を引き起こす前に、身近な地域医療で定期的に健康管理をしていきましょう。「病気の見当がつかないけれど、何となく不調」という方もお気軽にご相談ください。迅速な炎症反応測定とエコー検査で原因を探り、もし重い病気の場合でも、症状に合った医療機関をご紹介します。

優しい雰囲気のレイアウトで落ち着きます。

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科2

そのように感じてもらえるとうれしいです。広さがそこまでない分、仕切りなどを工夫して開放感を感じられる造りにしました。ロゴマークは豊かな実と風にそよぐ芝生にも、太陽と波にも見えますね。横浜の自然を意識してデザインしていますので、患者さんの思うままにイメージしてください。ロゴマークに合わせ、院内全体はグリーンとオレンジでやわらかい色合いにまとめています。私は都内の出身ですが、横浜をメインに医師としてのキャリアを積んできました。東京の隣県にありながらゆったりした時間が流れる横浜という場所を、とても気に入っています。

女性の「ゆらぎ」に漢方薬でアプローチ

どのような時に女性内科を受診したら良いのでしょうか?

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科3

心身に不安を感じたらいつでもいらしてください。女性の健康にはホルモンバランスも関係しますから、男性にはみられないさまざまな不調が表れます。不眠やストレス、産後のうつ状態、更年期の不調、骨粗しょう症のご相談も多いですね。原因が思いあたらない不定愁訴でお悩みの方もいらっしゃいます。症状に合わせて検査を行い、他科の疾患が疑われる場合には連携医療機関の紹介を、そうでない場合は薬や漢方薬の処方も視野に入れて診療を進めます。ただし一部の薬については、婦人科のがん検診を受診した上で異常がないことを条件としています。漢方薬を取り入れているのは、女性特有の「ゆらぎ」に対してアプローチできるからであり、女性は生涯にわたってホルモンバランスと付き合っていかなければなりません。ゆっくりと体質改善を図る漢方薬の力が、女性にとって強い味方になることを期待しています。

先生が訪問診療で大切にしていることは何でしょうか?

患者さんに対してもご家族に対しても「後悔ができるだけ少なくなるように」と思っています。例えば食道がんの終末期で思うように食べられない患者さんが、好きなものを食べたいとおっしゃった時。むせてしまうかもしれないけれど、それが患者さんの強い願いならば、私はかなえたいと思うのです。人には寿命というものがあります。もし患者さんが好きな食べ物を我慢して、その先に楽しい明日、明るい来年が来るのでしょうか。お酒やタバコは病気に悪影響かもしれません。ですが残された時間を生きる患者さんにとって、今大切にすべきことは何なのでしょうか。死というのは、皆さんが思うよりも穏やかだけれど、他に例えようがないほど大変なことなのです。私は開業医として、患者さんの気持ちに寄り添っていきたいと思っています。

診療時に心がけていることを教えてください。

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科4

患者さんが自発的に話をしてくれるような空気を大切にしています。そして患者さんの言葉を否定しないことです。基本的には相手が話し出すまで待ち、まだ何か言いたそうだと感じたら黙って聞いているようにしています。ワンクッション置き、あと半歩、あと30秒待つ。言いたいことを一度にではなく、少しずつ話される患者さんが多いですし、問診票に書かれた症状と実際に聞く症状が異なることもよくあります。話の中に解決の糸口が存在することもありますから、こちらからせっかちに話しかけることはせず、患者さんの話に耳を傾けるようにしています。

人間の生と死を見つめながら、医師として力を尽くす

ところで、先生はなぜ医師を志したのですか?

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科5

子どもの頃の入院がきっかけで、医師という職業を意識し始めました。そこまで強い思い入れがあったわけではないのですが、小学校の卒業文集には「医師になる」と書いていましたね。その後、高校3年生の時に祖父が亡くなり、ショックでいろいろと思うところもありました。ちょうど進路選択の時期でもあり、両親からは「人のためになる職業」を勧められ、こういった要因が重なって医師の道を選びました。

こちらで働くスタッフについてご紹介ください。

皆優しく丁寧な性格で、患者さんに自然に寄り添えるスタッフばかりです。訪問医療や終末期ケアに携わってきたスタッフもいます。当院のモットーである「いたわりの医療」に共感し、各自が自分にできることに真摯に取り組んでいます。すべての人間にとって、とても大切な想像力。気持ちに寄り添った「つもり」ではなく、無言の中にある思いをくみ取るためには、相手の気持ちを想像できなくてはなりません。当院のスタッフはそれに長けているように思います。クリニックは医師一人では成り立ちません。雰囲気づくりも衛生管理もスタッフの協力があってこそだと感謝しています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

野本文子院長 二俣川はまかぜ内科6

縁あって横浜の地に開業できたことをうれしく思います。私は大学病院や大規模病院で循環器内科に所属し、心臓移植にも携わってきました。その後は在宅療養支援診療所院長を経て、今は終末期を含めた医療に取り組んでいます。人間の生と死を見つめながら、医師としてできることに力を尽くす毎日です。これからも目の前の患者さんに向き合いながら、地域との信頼関係を築きつつ、優しさと温かみのある医療を提供してまいります。気になることがあればお気軽にいらしてください。

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