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村岡 由佳 院長の独自取材記事

そらのま内科クリニック

(津島市/津島駅)

最終更新日:2022/06/08

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2022年5月14日開業の「そらのま内科クリニック」。村岡由佳院長は津島市民病院で長年研鑽を積み、開業後も非常勤医師として津島市民病院の外来診療を担当し、地域医療に貢献している。開業にあたり「その人らしい豊かな生活」を支える存在となることを目標に掲げた村岡院長。例えば糖尿病や内分泌疾患は、病状の悪化や合併症を予防するためにも治療を継続することが重要といわれ、診療においても根気強さが求められるといえる。診療時、「その人らしい暮らしを実現できるような治療を提供したい」との思いで患者と向き合っているという村岡院長。口調は優しくやわらかだか、時折感じられる芯の強さに、医療に対する熱量の高さが垣間見えた。

(取材日2022年4月26日)

専門的な治療にも対応する、地域密着の内科クリニック

長年、津島市民病院に勤務されていたそうですね。

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一時、医局人事の関係で名古屋大学医学部附属病院に籍を置いていた時期もありますが、初期研修の頃からずっと津島市民病院に勤務してきました。津島市民病院のことを知ったのは、大学卒業後の研修先を検討していた時。弥富市出身で、大学に進学するまでは岐阜県海津市で暮らしていたのもあって、津島市は身近に感じるエリアでした。医師としてのキャリアをスタートするのと同じくして津島とのご縁ができ、現在に至ります。開業後も非常勤医師として津島市民病院の初診外来診療を担当するので、病診連携も取りやすい状況にあります。

どのようなきっかけで開業を決めたのですか?

40歳を迎えるにあたって、人生プランを考え直したのが最初のきっかけです。勤務医を続けていろんな経験を積めた一方で、一人の医師として「何が残せたのか」という問いに対して、パッと答えが浮かばいことに気づいてしまったんです。今後についてあれこれ考えていた時、夫に「開業って道もあるのでは?」と提案されました。両親ともども会社や病院勤めという家庭に育った私にとって、開業という選択肢はまったくの想定外。夫の提案に、まるで視界が開けるような感覚を覚えました。「開業するならこんなことができるんじゃないか」「あんなことをしてみたい」といったアイデアもどんどん浮かんで。それが医師として新たな一歩を踏み出す勇気となりました。一般内科に加え、糖尿病内科・内分泌内科の専門的な診療に対応するクリニックの開業を決めました。

診療のモットー、クリニックづくりのこだわりを教えてください。

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患者さん一人ひとりの「その人らしい豊かな生活」を支える診療が、当院のモットーです。看護師や管理栄養士、事務スタッフも交えて診療について意見を交わしたり、情報を共有したりといったように、クリニック全体がチームとなることで一貫した診療の提供に努めています。糖尿病や内分泌疾患は定期的に経過を観察しながら治療を進めるので、一貫性のある診療を提供することがとても重要なんです。院内設計に関しては、糖尿病患者さんと一般的な内科疾患の患者さんで待合室を分けています。糖尿病患者さんは免疫力が弱い傾向にあり、受診時に風邪などをもらってしまわないか不安を覚える人もいらっしゃるので、症状のある患者さんとは待合室を分けたほうが安心だろうと考えたのです。感染症が疑われる患者さんを安全に受け入れられるよう、別で待合室も設けています。他にも糖尿病や内分泌疾患に関する項目の結果を即日で出せる血液検査機器を導入しました。

患者の伴走者として諦めず粘り強く治療に向き合う

そもそも、院長が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

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もともとのきっかけは、子どもの頃に夢中になっていた児童文学作品です。動物の言葉が理解できる獣医師と動物たちとのふれあいをテーマにしたその作品がとても大好きで「獣医師になるのも良いな」と考えていていました。また、会社勤めをしていた母が一念発起して以前からの夢だった医療の道に進むことを決意し、看護師になったということも私の心に大きな影響を及ぼしました。努力して自分の夢を実現した母の姿を見て、私も「生命に携わる仕事に就きたい」と医師を志すことを決めたのです。

ご専門はどのように決められたのですか?

糖尿病・内分泌内科を専門としたのは、初期研修でお世話になった医師の専門だったからというのもありますが、祖母との思い出も大きく影響しています。糖尿病だった祖母は、当時としても「若くして」と言われるような年齢で亡くなりました。祖母はインスリン注射や透析治療を受けていて、おそらく低血糖の影響で夜中に冷蔵庫にある食べ物を食べてしまうこともあって。当時、糖尿病は自己管理不足が原因という固定観念を持つ人も少なくない時代で、本人も介助する家族もとても苦しい気持ちを抱えていたと思います。しかし私が医学の道に進んだことで、糖尿病の発症には遺伝的な要素が強く関連していることを学び、当時はわからなかった祖母の苦しみやつらさが想像できるようになりました。そこで「祖母と同じような状況の患者さんを救いたい」という思いが芽生えたのです。

患者さんと接する上で心がけていることは何ですか?

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「諦めない」姿勢を貫くこと、ですね。糖尿病や内分泌疾患のように、長期にわたる治療が必要な場合、患者さん自身が「治療を続けることはできない」と諦めてしまうことがあります。家族など周囲の理解を得らずにつらい思いをして、病気になってしまった自分自身にレッテルを貼ってしまう人も少なくないです。前向きに治療しよう、といっても気持ちが追いつかないかもしれません。けれど、諦めなければ患者さん一人ひとりに合った「病気との付き合い方」がきっと見つかるはずです。もちろん、何もなかった頃のような元どおりにはなりません。けれど、病気と付き合いながら生活を豊かにしていくことはできます。目の前の患者さんが思い描く「豊かな生活」を実現するには何をしたら良いのか、何なら前向きに取り組めるかを一緒に考え、粘り強く向き合っていくことが、患者さんを支えるパートナーとしてとても重要なスタンスだと思っています。

医療の質を追求し地域の暮らしをより良いものにしたい

貴院の診療を支えるスタッフの皆さんについても教えてください。

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糖尿病患者さんに対する療養指導やフットケアの知識と技術を持つ看護師、食事指導に応じる管理栄養士などと一緒に診療を行っていきます。「ケア中の看護師との会話がリフレッシュにつながる」「食事の楽しみが増えた」とおっしゃる方も、実は少なくないんです。患者さんにとっての「豊かな生活」を支えるためには、看護師や管理栄養士、事務スタッフのこまやかなサポートは不可欠ですね。

改めて、クリニックでの診療に対する意気込みをお聞かせください。

これまで培ってきた経験を生かし、地域に根差した医療を実践することは意義のあることだと感じています。というのも、例えば内分泌疾患は特徴的といえる症状などは少なく、「何となく感じる不調」から病気が見つかるケースも珍しくありません。また、当地域では内分泌疾患の診療に対応できるクリニックも限られるため、たとえ病気が見つかってもクリニック探しで苦労するといった人も少なからずいらっしゃいます。当院が地域の健康のゲートキーパー的な役割を果たしながら、専門的な診療にも対応することで、地域に暮らす人たちに「たとえ病気になっても安心」と思ってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。

今後の目標は何でしょうか?

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地域に根差したクリニックの役割は、突き詰めると「予防」の手助けをすることと言えるでしょう。一口に「予防」と言っても、内容はさまざまです。例えば、健康な人が病気にならないようにすることも予防ですし、病気の早期発見・早期治療、さらなる病気の悪化や合併症の発症を防ぐことも予防といえます。あらゆる段階の予防にきちんと向き合っていけるよう、クリニック一丸となって患者さんを支援する体制を整えていく思いです。将来的には院内だけでなく、地域の循環器や消化器、呼吸器といった他の診療科を得意とするクリニックとも垣根を超えて連携し、「予防医療」を追求していけたらと考えています。他にも、医師会などを通じて医療者向けに糖尿病や内分泌疾患に関する勉強会を開催したり、患者さんやその家族向けの料理教室、講演会などを企画したりして、情報発信にも取り組んでいきたいですね。

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