要精密検査の人、肺がん、肝胆膵の病気、脳卒中が心配な人も。外来受診当日にCT検査と診断が受けられる

Qどのような場合にCT検査を行うのですか。

A

▲新鋭のCTの導入など、設備も充実

CT検査は、体の内部を非常に細かく見ることができる検査で、撮影する部位によって頭部CT、胸部CT、腹部CT、手や足、腰などのCT検査に分かれます。一般的なエックス線検査で異常が認められた場合の精密検査として行われる場合もありますが、日常の診療の中で、必要に応じてCT検査を行うこともありますし、人間ドックなどで定期的にCT検査を受ける方もいらっしゃいます。例えば、胸部CTでは、咳や痰など呼吸器の症状で受診された方にCT検査を行うこともありますし、喫煙歴や肺がんの家族歴などリスクのある方には、エックス線で異常がなくても定期的にCT検査を受けることをお勧めします。

QCT検査によって、どのような病気がわかるのですか。

A

▲長い目で見て健康を保っていくには予防医療が重要

例えば、胸部CTでは肺がん、肺結核、肺炎、肺気腫、気胸などがわかり、気管支拡張症や慢性気管支炎も確認することができます。また肺と心臓は同じ高さにあることから、胸部動脈瘤や心臓の血管の異常などもわかります。頭部CTでは腫瘍や脳出血、くも膜下出血、硬膜外血腫、脳の萎縮などを確認することができます。腹部CTでは、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、子宮、卵巣を検査することができます。ガスや脂肪のために超音波検査では見えにくい深部臓器を見ることが可能で、肝臓がん、胆道がん、膵臓がんなどの悪性腫瘍、胆石、胆のう炎、虫垂炎などの炎症や尿管結石、脂肪肝なども確認できます。

Qさまざまな病気の、精密な診断ができるのですね。

A

▲検査写真を見せながら丁寧に説明

そうですね。例えば、胸部エックス線検査では隠れて見えづらい部分も、マルチスライスCTで検査するとミリ単位の病変を抽出できるので、肺がんの早期発見にも役立ちます。肺がんは日本では男女ともに罹患数・死亡数も多く、高齢者だけでなく若年層が罹患する可能性があり、また喫煙とは関係がないとされる肺腺がんも増えています。一方で早期発見により、開胸せずに治療することも可能になってきました。リスクのある方や咳や痰が気になる方、胸痛・動悸・息切れが気になる方には、ぜひ定期的に肺のCT検査を受けていただきたいです。同グループクリニックとも連携して当院のCT検査を皆さんがご利用できるようにしていきたいと考えています。

QCT検査のメリットや注意点を教えてください。

A

▲CT検査の長所短所を語る伊藤院長

エックス線検査や超音波検査では隠れて見えないような病変を抽出できることと、MRI検査のような大きな音が出ることもなく、暗室や狭い検査機器の中に閉じ込められることもない点、検査が短時間で済むこともメリットだと思います。被ばく量はエックス線よりは多いですが、年に1回定期的に撮っても健康被害は心配ないとされています。頭部CT、胸部CT、腹部CTと四肢のCTでほぼ全身を検査することができます。注意点としては、腹部CTを撮る時は、半日程度、食事を取らないほうが精度の高い検査ができます。ただし、緊急の場合はそのままで構いません。ただ、妊娠中あるいは妊娠の可能性のある方は検査を受けることができません。

Q検査にかかる具体的な時間や費用を教えてください。

A

▲結果までスピーディーな検査が可能

実際に撮影する時間は数十秒で、撮影の位置決めなどを含めてもCT検査にかかる時間は、5分程度です。当院では、外来診療でCT検査が必要となった場合は、すぐに専用の検診着に着替えて検査を受けていただき、当日中に診察した医師が検査結果をお伝えします。後日、画像の読影を専門とする放射線科医師の詳細な診断結果を聞いていただくこともできます。ちなみに、現在はCT検査は午前・午後の診療時間内に行っていますが、オフィス街という場所柄、夜間の診療時間に受診される患者さんが増えているので、CT検査の対応時間の延長も検討しています。