更年期の症状緩和のため
自身と向き合うきっかけをサポート
レディーバードクリニック
(大阪市北区/なにわ橋駅)
最終更新日:2024/11/07
- 保険診療
女性が閉経前後の更年期に経験するさまざまな症状は、女性ホルモンの減少が要因とされる。しかし、不調の背景には患者が抱える問題も大きく関わっていると考え、症状の緩和を図るだけでなく「自身と向き合うきっかけをサポートしたい」と尽力するのが「レディーバードクリニック」の丸尾伸之院長だ。更年期だけでなく、生理前などホルモンバランスの変動に影響されるのは女性にとって自然なことであり、そんなときこそ「自分を最優先に。わがままになっていい」と患者に寄り添う。幅広い治療法を取り入れているものの、それらはあくまで手段の一つにすぎないと、患者が変化するためのサポートを大切にする。丁寧な問診に加え、呼吸を意識しながらリラックスする時間をつくるといったアプローチも重視する丸尾院長に、女性の更年期について詳しく聞いた。
(取材日2024年10月9日)
目次
大切にしてほしいのは自分自身。根底にある問題に気づくための丁寧な問診とリラックスできる時間を重視
- Q更年期にはどんな症状が出るのでしょうか?
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A
まず、更年期とは女性の閉経前後の期間を指します。この時期に、ホットフラッシュと呼ばれる上半身のほてりをはじめ、動悸やめまい、やる気が出ない、イライラする、寝つきが悪いなどさまざまな症状が出ることがあります。これらを「更年期障害」といいますが、それでなくても気分が落ち込んでいるところに病名がつくと、より具合が悪いような印象を与えると感じ、当院ではあえて「更年期の症状」と呼ぶようにしています。期間についても10年間ほどといわれることがありますが、ピークの期間はだいたい3年間くらいのことが多いと考えていただくと、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。
- Q更年期の症状が出る原因を教えてください。
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A
閉経前後の期間には、女性ホルモンが低下するので自律神経が乱れやすくなります。自律神経には体温や脈拍を調整する役割があります。それがうまく働かなくなることによって気分の不安定さにつながるといわれています。ただ、自律神経に関わる症状は更年期だけに出るものではなく、強いストレスを感じた時や月経前にも起こり得るものです。リズムによってやる気に満ちあふれている時とエネルギーが下がる時があるのは、女性にとってごく自然なことだと捉えていただきたいですね。
- Q更年期とうまく付き合うために大切なことは何でしょうか?
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A
生理前なども同じようにホルモンバランスが影響するとお話ししましたが、「更年期だから」「生理だから」ではなく、基本的な問題は患者さん自身の中にあると私は思っています。仕事や家事、育児などに追われて忙しく過ごしていると、余裕がなくなってホルモンが変化するタイミングで不調を感じやすくなることがあるんです。特に他人からの評価を気にしたり、家族や周囲のために一生懸命働いたりする方ほど、「これまでできていたことが更年期になってできなくなった」と落ち込んでしまう傾向にあります。だからこそ、優先順位を見直して開き直ることが大切だとお伝えしています。
- Q優先順位を見直すとは、具体的にどういうことでしょうか?
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A
まずは自分のことを優先し、余裕があれば周りに目を向ける。開き直って「やらない」と決めることが重要です。一番諦めてはいけないのは「自分自身」ですから。忙しすぎるとまひして自分がやりたいことがわからなくなってしまう方も多いのですが、自分を最優先に考えるべきだということに気づければ、はつらつとした50代・60代を迎えることもめざせると思います。当院でしっかりお話を聞く時間を大切にしているのも、患者さんが自分自身と向き合うきっかけにしたいという思いからです。今つらいと感じていることを吐き出してすっきりした後は、自分の生き方を振り返ってみる。変わろうとする気持ちをサポートするのが私の役割です。
- Qどのような治療法があるのでしょうか。
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A
つらい症状があるなら、漢方薬やプラセンタ注射、女性ホルモンの投与などをご提案します。治療に加えて、ケアの一環としてよもぎ蒸しをお勧めすることもあります。更年期の症状に悩む方にとって、仕事や家庭の中ではなかなか確保が難しい「何もしない時間」をつくることが重要だと考えています。40分間ゆっくりと過ごしていただくよもぎ蒸しを、その時間にあてていただければと思います。じんわりと温めながら香りでリラックスを促し、緊張やストレスで乱れた呼吸を整えてほしい。呼吸が浅くなると肩凝りなどにもつながりやすくなるので、自分と向き合いながら力を抜くことも意識してもらえれば良いなと思います。