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金谷 勲 院長の独自取材記事

かなたに腎泌尿器科クリニック

(高槻市/摂津富田駅)

最終更新日:2024/04/02

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック main

2022年に開業した「かなたに腎泌尿器科クリニック」。土室バス停留所からほど近い場所にある同院では、高齢になると増えてくえる頻尿や尿失禁、排尿障害などの悩みや、前立腺がん、膀胱がん、腎がんなどの各泌尿器腫瘍の診断から治療まで、幅広い診療に対応している。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医の資格を持つ金谷勲(かなたに・いさお)院長は、開業前、長年地域の基幹病院で研鑽を積み、国内外で先進の研究にも従事してきた。ピアニストとしての顔も持つ金谷院長のこだわりは、音楽ホールとしての機能を兼ね備えたクリニックをつくったこと。定期的に休診日に音楽家を招いてコンサートを開き、近隣住民に安らぎや楽しみを提供している。そんな金谷院長に、開業の経緯やクリニックに込めた想いを聞いた。

(取材日2024年2月21日)

患者の人生に寄り添いながら満足度を上げる治療を

まず初めに、開業した経緯を教えてください。

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック1

開業前は、高槻赤十字病院で泌尿器科の医師として先進の治療に従事し、それなりに満足した日々を送っていましたが、2017年のある時、私の異動話が持ち上がったのです。医師であれば誰もがうらやむような大きな病院でしたが、40代後半に差しかかっていた私は、さらに難しい手技に挑みながら長時間働き続けるという道に、正直かなりの抵抗を感じてしまいました。そんな時に、ピアノ仲間に開業を勧められたんです。それまでまったく興味がなかったものの、それを機に想像がふくらんでいき、これまでの医師としての経験と自身の趣味を生かして、音楽ホールを兼ね備えたクリニックを開けないだろうか、と思いついたのです。そこから自分で音響設計などを含め構想を練り、当院の開業に至りました。

医療と音楽を通して、患者さんに提供したいものは何でしょうか?

まず、患者さんの人生に寄り添いながら、満足度を上げる治療を追求したいと思っています。長年難しい外科手術を中心にまい進してきた一方で、先進の治療だけでは患者さんを救えないのでは、という想いも募っていました。例えば、「年だから仕方がない」「夜中に何度もトイレに行き家族に文句を言われた」など、寂しさを抱えている高齢の方は多くいらしゃいます。そのお悩みの多くは家族の中の立場や社会的な立ち位置なども大きく関わっていることでしょう。ですので、当院では一人ひとりの患者さんの事情を考慮した上で、適切な治療を見出していくことに何よりも注力したいと考えています。さらに近年では、患者さんが趣味や楽しみを持っているか否かで“元気さ”が違うことも気になってきました。そこで、院内での音楽コンサートを一例として、患者さんが生きがいを見出すきっかけづくりもしていけたらと考えています。

その取り組みの一環として、院内でコンサートを行っているのですね。

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック2

ええ。休診日に定期的に音楽家をお招きし、コンサートを行っています。診療時は閉じている壁を開放すると、待合スペースが50席ほどの客席に変わり、コンサート会場になるのです。2022年1月の開業と同時に会を重ね、今では恒例になってきました。音楽家の演奏に加え、私も連弾で参加する場合もあります。お恥ずかしながら、私のミニコンサートも開催させていただきました。お客さんは、当院に通われている患者さんから近隣の音楽好きの方まで幅広くいらっしゃいます。毎回とても喜んでいただき、「次はいつですか」と聞かれることも多いですね。

音楽があったからこそ、勉強や診療に励めた日々

泌尿器科を専門とした理由と、これまでのご経歴をお聞かせください。

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック3

幼少期に家族が膀胱の病気を患い、一連の流れを近くで見てきました。そのこともあって10歳くらいから医師に憧れるようになり、身近に感じていた泌尿器科に進んだというわけです。泌尿器科は、マイナーな科であるものの、外科と内科の要素があります。例えば、外来で疾患を見つけたら自分で手術ができ、何かあれば薬物治療でも患者さんを末永く支えられるというような点が魅力でした。京都大学医学部を卒業後は、同大学付属病院で研鑽を積み、市立大津市民病院に勤務し、難しい手術や処置をこなすたびに喜びを感じていた8年間でした。その後、母校に戻り医学博士号を取得し、京都大学再生医科学研究所やカリフォルニア大学サンディエゴ校で先進の研究にも携わりました。さらに、奈良社会保険病院(現・大和郡山病院)に2年、高槻赤十字病院に10年ほど勤め、泌尿器科疾患全般の治療にまい進しました。

ピアノはもともとのご趣味だったのですか?

はい。4歳から始めました。最初は遊びの延長でしたが、難しい曲に挑戦するのが楽しくなり、徐々に先生を驚かせるほどになっていきましたね。高校時代は夜の8時以降はピアノの時間と決め、練習時間を捻出しながら勉強にも集中することができました。しかし、医学部に入り下宿を始めたため中断せざるを得なくなったのです。長い時を経て泌尿器科の医師として40歳を過ぎた頃、ふとしたことから友人に弾き合い会に誘ってもらい、練習を再開しました。その後、世界初iPS細胞手術執刀医で、有名なアマチュアピアニストでもある栗本康夫先生の勧めで、音楽大学の先生に師事しながらピアノコンクールをめざすようになったのです。幸い勤務先の音楽ホールにグランドピアノがあり、仕事前の朝の時間に練習を重ねました。そのせいか、運良く全国規模の大会で優勝や入賞を果たすこともできました。

診療において工夫していることはありますか?

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック4

待ち時間をできるだけ減らすよう努めています。電子カルテの下書き機能を利用して、前日に患者さんのカルテを見直しサマリーを書き終えて、当日は一人終わったらすぐ次へ、と極力時間が空かないようにしています。また、勤務医時代は30分の予約枠に再診の方を4人ずつ入れていたのですが、現在は初診・再診含め3人ずつに限定しました。それにより、予約外の患者さん含めて時間内に診ることができる体制になっています。一方、診察中はお話にしっかり時間を割きます。患者さんのお悩みを正確に把握するよう努め、趣味や楽しみに関するお話もできる限り伺っていきます。何げない会話の中から、元気につながる糸口が見つかるといいな、と願っています。

治療をためらわず勇気を持って一歩を踏み出してほしい

男性専門の外来について教えてください。

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック5

開業前に男性疾患専門のクリニックで非常勤医師として診療していた時に、EDでお悩みの方が想像以上に多く、切実な問題であると感じたのです。これは真剣に取り組まねばならないと、EDに関わる専門の外来を設けました。性機能は人間の一部ですし、ご本人の自信や魅力にも関わる大切な治療だと考えています。簡単に諦めてしまわずに、まずはご相談ください。

がんの早期発見にも力を注がれているのですね。

ええ。排尿時の痛みや血尿があるといった、膀胱炎の可能性で来院された方にもがんを疑い、十分な検査を行うようにしています。その際大切にしているのは、問診票からがんの疑いがあるかをチェックした上で、検尿前に患者さんのお話を一通り伺うということ。先に検尿をすると、見つかるべきものが見つからないケースもあると感じているためです。この考えに至った背景には、医師としての経験がまだ浅かった勤務医時代に、前立腺がんの患者さんの診断と治療に満足してしまい、尿管がんの発見が遅れてしまったという苦い経験があります。そのため検査データだけでなく、医師としての経験に裏打ちされた直感や感覚も大切にしながら、がんの可能性を探るようにしています。ほんのわずかな手掛かりからがんを早期発見し、手術で治すことをめざすというのは、大きなやりがいでもありますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

金谷勲院長 かなたに腎泌尿器科クリニック6

泌尿器疾患は、命に関わらない病気も多いですが、恥ずかしいという理由で受診をためらわれる方もいらっしゃると思います。同時に誰にも相談できずに、「おしっこが心配で人にも会えない」「外出がしづらい」などと、孤立してしまう方もいらっしゃるのではないかと危惧しています。そんな時に、どうせ年だからと諦めてしまわず、ほんのちょっと勇気を出して一歩を踏み出していただきたいな、と。症状が改善されて以前より積極的になったり、自信を取り戻したりするお姿が見られたら、とてもうれしいです。皆さんがいくつになっても生き生きと楽しい人生を過ごせるよう、どんな些細な悩みにも寄り添っていきたいと思います。医師として、患者さんの人生を見守るくらい長いお付き合いができるよう、精一杯努めてまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ED治療診察代/3000円~

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