大腸がんに気づくきっかけは?
早期発見のためにも内視鏡検査を
ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック
(横浜市都筑区/都筑ふれあいの丘駅)
最終更新日:2023/02/01
- 保険診療
現在、がんは日本人の死因の第1位。その中でも死亡者の多さで毎年上位を占めるのが大腸がんで、2021年には男性が第2位、女性は第1位となっている。にもかかわらず、大腸がんの怖さについて深く知られていないのが現状だ。胃や大腸の内視鏡検査に注力し、健康診断から訪問診療までのワンストップ診療を行う「ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック」。院長の粟田裕治(あわた・ゆうじ)先生は、健診で引っかかっても放置する人が多い現状を危惧し「がんはある程度進行してから症状が出てくる病気。少しでも早期でがんを発見し、治療できるよう、若いうちから胃や大腸の内視鏡検査を受けてほしい」と訴える。大腸がんとはどんな疾患で、予防するにはどうしたらいいのだろうか。そんな疑問を投げかけながら、大腸内視鏡検査について詳しく聞いた。
(取材日2022年12月28日)
目次
鎮静剤を使用し眠っている間に内視鏡検査を実施し、その場でのポリープ切除が可能。負担の少ない治療を提供
- Q大腸がんについて教えてください。
-
A
結腸や直腸に発生する大腸がんには、良性のポリープが徐々に大きくなってがんになっていくタイプと、正常な粘膜にいきなりがんができるタイプの2通りがあります。また、発症者・死亡者数いずれも多く、2021年の部位別のがん死亡者数では、大腸がんは男性で第2位、女性で第1位となっており、高齢化と食生活の欧米化が大腸がんの増加につながっています。では、どういう人が大腸がんになってしまうのかというと、喫煙、飲酒の習慣がある人、肥満の人が多い傾向にあります。あと、加工肉や赤肉の摂取でも大腸がんが発生するといわれています。また、血のつながったご家族で大腸がん罹患者がいる場合もリスクが高いと考えられています。
- Q大腸がんは、早期に発見し治療を始めることが重要だそうですね。
-
A
はい。ただし初期の段階では症状がほとんどなく、進行してようやく症状が出てくるところが大腸がんの怖いところです。進行すると肝臓や肺に転移する恐れがありますし、末期がんの状態になってしまうと、根本治療が困難になってしまうことも。なので、できるだけ早期に発見して手術や治療を行うことが重要で、もっと早い段階で見つけることができれば、内視鏡治療というかたちで切除ができます。さらに、がんになる前の良性のポリープの段階の発見では、内視鏡で切除することができます。
- Qどのようなことがきっかけで大腸がんに気づくのでしょうか?
-
A
症状がない状態でも、がん検診などで実施される便潜血検査で陽性になるということがきっかけとなり、大腸内視鏡の検査を行った結果、がんが発見されるというケースは多いようです。また、便の表面に血液が付着してくる、便に血が混じるという場合もあります。さらに進んでくると慢性的に出血し貧血になる、便秘や下痢、残便感やおなかの張り、便が細くなったりします。本当に進行した場合は、だんだん大腸がんが大きくなって腸閉塞になり激しい腹痛や嘔吐といった症状が出ます。また、体重が極度に減ることも気づくきっかけになると思います。
- Q健診などで再検査になった場合はどうしたらよいのでしょうか?
-
A
まずは大腸内視鏡検査を受けていただきます。当クリニックでは、内科に来ていただいてお話をお聞きし、血液検査を行い、検査日程を決めます。当日は、ご自宅で下剤を飲んで来院後、検査を実施。その日のうちに結果をお伝えします。便潜血や血便があっても、痔だと勘違いして放置する方は多いですが、実際に検査をして、何もないならそれはハッピーなことです。また、ポリープがあって切除できれば予防につながりますし、もしも大腸がんがあったとしても手術で治療できれば良かったという話にもなります。末期がんで発見となると必ず後悔すると思うので、検査を受けていただきたいです。
- Q患者さんが受診しやすいように工夫していると伺いました。
-
A
医師や看護師、受付のスタッフが丁寧にわかりやすく説明をさせていただき「わからないこと、不安なことはないですか?」と、必ずお聞きするようにしています。実際の検査では、患者さんの負担を軽減するために鎮静剤や鎮痛薬を使用します。眠っている間に検査を行い、目が覚めた時には終わっているので、きっと皆さん「もう終わったんですか?」と驚かれるでしょう。もちろん、鎮静剤の効き目には個人差があるので、時間を延ばさないようにスピーディーな検査を心がけています。また、胃と大腸の内視鏡検査を同日に実施することも可能ですし、ポリープもその場で切除して、忙しい患者さんにできる限り配慮して検査を行っています。