骨粗しょう症は早めの対策が重要
検査で自分の骨密度をチェック
相模が丘整形外科リハビリテーションクリニック
(座間市/小田急相模原駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
高齢化が進み、骨粗しょう症患者が増える一方、骨密度検査の受診率は低い。骨粗しょう症は自覚症状がほとんどないため、閉経前後の女性や高齢者などリスクが高いと知っていても、検査を受けたことがない人も多いだろう。「相模が丘整形外科リハビリテーションクリニック」の山森寛之院長は、骨粗しょう症の予防や治療に力を入れるため、先進の骨密度検査装置を導入し、早めの検査を促している。「骨粗しょう症の治療は、薬だけでは不十分です。ジョギングやウォーキングなどの運動や、カルシウムやビタミンなど栄養素をバランス良く摂取することが重要になります」と語る山森先生に、骨粗しょう症のリスク因子、予防や治療法などについて詳しく聞いた。
(取材日2025年4月2日)
目次
骨粗しょう症のリスク要因を知って、しっかり対策を。疾患や服薬が原因の二次性骨粗しょう症にも注意
- Q骨粗しょう症とはどのような病気なのでしょうか?
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A
▲神奈川県道50号沿いに位置するクリニック
骨量が減ることで骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気を骨粗しょう症といいます。骨は、古い骨を壊す作業と新しい骨を作る作業を常に繰り返しますが、加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などの理由で、失われた骨量を十分に回復することができなくなると骨量減少が始まります。特に女性は閉経前後に女性ホルモンが不足するため、骨密度が急激に落ちる方が多く、注意が必要です。骨粗しょう症は自覚症状がないので検査が肝心ですが、1000万人以上とされるの国内の骨粗しょう症患者のうち、検査を受けた人は6%もいません。しかも、神奈川県は全国ワースト3位の検査率で、わずか1%です。早期発見のために、早めに受診しましょう。
- Q骨粗しょう症の検査について詳しく教えてください。
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A
▲エックス線検査や骨密度測定を実施し、骨量を測っていく
当院では、精密な測定のために、骨密度測定の標準とされている骨密度検査装置(DEXA)を使用した検査を行っています。この装置は、通常の胸部エックス線検査の約6分の1程度の被ばく量で、骨折しやすい部位である腰椎と大腿骨頸部の2ヵ所を測定します。さらに血液検査で骨代謝マーカーを調べ、骨折リスクの評価を行います。検査は、骨密度と骨代謝マーカーに問題がなければ年に1度、治療開始後は4ヵ月に1度が目安です。なお、当院には理学療法士が在籍し、骨粗しょう症に対する専門的な医療を提供することが可能です。
- Q骨粗しょう症は遺伝しますか?
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A
▲超音波検査装置を用いて検査することもある
骨粗しょう症は遺伝するとはいえませんが、家族に骨粗しょう症の人がいるとリスクが高まります。また、婦人科系の疾患で卵巣や子宮を摘出している方も骨粗しょう症になりやすいといわれています。そうした場合は、早めに検査を受けたほうが良いでしょう。また、糖尿病、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患なども二次性骨粗しょう症を引き起こす原因となります。その他、ステロイド薬や抗けいれん薬には骨量を下げる副作用があるため、長期間服用されている方は注意が必要です。二次性骨粗しょう症の場合、骨粗しょう症に加えて、原疾患の治療が重要です。また、こうしたリスク要因を知ることで骨折のリスクに備えることができます。
- Q骨粗しょう症になった場合、どのような治療を行うのですか?
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A
▲その人に合わせた治療計画を立案していく
治療法は大きく分けて3種類です。1つは運動療法。骨に負荷をかけることで骨密度を高めることにつながり、転倒や骨折のリスクを減らすことが望めます。例えば、ウォーキングや軽いジョギング、スクワットなどがいいですね。2つ目は食事療法です。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素をバランス良く摂取しましょう。乳製品、小魚、緑黄色野菜などがお勧めです。3つ目は薬物療法です。ビスホスホネート製剤、デノスマブ製剤、活性型ビタミンD3製剤などには、骨密度を高めるよう図り、骨の形成を促進につなげ、骨吸収の抑制を促す働きがあります。治療は長期間続けることが重要です。医師の指導のもと、適切な治療を受けましょう。