肩や首の凝りや痛みは軽視せず
原因を突き止め、適切な治療を
相模が丘整形外科リハビリテーションクリニック
(座間市/小田急相模原駅)
最終更新日:2025/04/15


- 自由診療
肩や首に凝りや痛みがある人の多くは、慢性的な肩凝りや加齢が原因と考え、放置してしまう。しかし、いわゆる四十肩・五十肩は、正式には肩関節周囲炎という病名で、肩関節の周囲に炎症が起こることで痛みが生じる。「相模が丘整形外科リハビリテーションクリニック」の山森寛之院長は、日本整形外科学会整形外科専門医として、骨、関節、靱帯、筋肉などの痛みを取るための治療を数多く行ってきた。「肩の痛みは日常生活に支障を来すだけでなく、精神的なストレスにつながることもあります。早めに原因を特定し、適切な対処法を見つけることが大切です」と語る山森院長に、肩の痛みの原因や受診のタイミング、そして治療の流れを詳しく説明してもらった。
(取材日2025年4月2日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q肩に痛みがある場合、どのような原因が考えられますか?
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A
スポーツのしすぎ、悪い姿勢などさまざまな原因が考えられますが、ほとんどは首や肩の筋肉の血行が悪くなることによって起こる肩凝り、四十肩・五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎です。肩を動かすと痛い場合は、肩関節周囲炎の可能性が高いと思います。肩関節周囲炎は中年以降、特に50歳代に多く見られます。関節を構成する骨や軟骨、靱帯などが老化し、肩関節の周囲の組織に炎症を起こすことが原因といわれています。痛いからといって動かさないでいると、肩の動きが悪くなってしまいます。その他、心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気、ストレスなどが原因で肩が痛むこともありますので、軽視しないようにしてください。
- Q受診するタイミングを教えてください。
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A
痛みが気になる場合は、タイミングを気にせず医療機関を受診してください。肩関節周囲炎の患者さんを調べると、もともと肩や首に凝りがあったり、背中を丸める癖があるケースがほとんどです。また、首の左右にある斜角筋が硬い方は、胸郭出口症候群や頭痛を発症するケースもあります。その場合、筋肉をほぐし血管や神経の圧迫の緩和を図ることで、痛みの改善をめざします。一方、頸椎症性神経根症や頸椎椎間板ヘルニアによって神経が骨に触れ、痛みが出るケースもあります。いずれにせよ、自己判断で様子を見るのは避けたほうが良いでしょう。痛みの原因を突き止めるためにも、早めの受診をお勧めします。
- Q肩の痛みは、どのように治療するのでしょうか?
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A
湿布薬、筋弛緩薬、局所注射などを用いた治療があります。筋肉の血流の改善を図り筋緊張を和らげるためのリハビリテーション、蒸しタオル、入浴などで筋緊張を和らげるために温熱療法、筋力強化のための運動療法なども有用です。痛みが強い急性期は、三角巾などで安静を図り、消炎鎮痛剤の内服、ブロック注射をすることもあります。姿勢・体幹の筋力・柔軟性が原因で肩の痛みが起こっている場合は、リハビリによって改善を図ることが必要です。関節包が癒着している時は、エコー下で麻酔を投与し、癒着した関節包を剥がすためのサイレントマニピュレーションを行います。治療後は、癒着が戻らないよう、翌日からリハビリテーションを開始します。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診
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問診では、どの辺りが痛いのか、いつから痛いのかなどを詳しく伝える。日常生活の中に、肩の痛みの原因となる習慣がないかなども聞かれる。医師が相手ではなく、より患者に近い存在であるスタッフが問診してくれるため、緊張せずに話すことができる。
- 2検査による身体評価
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エックス線検査のほか、必要に応じて超音波検査、MRI検査を受ける。エックス線検査では骨を、超音波検査では骨以外の腱・筋肉・軟骨・神経を調べる。MRI検査では腱板断裂などの有無まで詳しく確認することができる。サイレントマニピュレーションを行う場合、関節包を剥がすよう図った時に骨折するリスクがあるため、骨密度検査を受ける必要がある。
- 3治療計画の提案
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検査結果や触診をもとに医師が診断を下す。患者一人ひとりの症状やライフスタイルを考慮した治療プランが複数提案されるので、医師とよく相談した上で選択する。
- 4治療の進捗を観察
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痛み止めの処方、ヒアルロン酸注射などが主流だが、近年はサイレントマニピュレーションや、超音波画像をリアルタイムで確認しながら、薬液を注射し筋膜の癒着を剥がすことを目的としたハイドロリリースによる治療を受けることもできる。それぞれに合った疼痛治療を実施し、痛みの早期回復をめざす。
- 5継続的な通院による再発予防
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肩の痛みの原因となる姿勢・体幹の筋肉・柔軟性の強化を図るため、理学療法士によるリハビリテーションをマンツーマンで受ける。