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大坪 優介 院長の独自取材記事

八軒内科ファミリークリニック

(札幌市西区/八軒駅)

最終更新日:2022/01/05

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック main

八軒駅から徒歩7分に位置する「八軒内科ファミリークリニック」は、内科・リハビリテーション科を標榜するクリニックとして2021年10月に開業した。院長の大坪優介先生は旭川医科大学医学部を卒業後、北海道内の大学病院、総合病院などで勤務。リハビリテーション科で研鑽を積み、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医の資格を取得した後、救急医療にも従事。急性期から慢性期まで幅広く診療することに努める。同院は内科として多様な疾患を診療できるよう、検査機器を充実させることにもこだわる。また、外来のみならず訪問診療も実施し、通院の難しい患者にも寄り添う。今回は大坪院長に、開業から1ヵ月ほど経過した現在の所感や今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年11月12日)

困ったことがあれば何でも相談できる医師をめざして

まず先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック1

医師をめざすきっかけとなったのは、中学生の時に目撃した交通事故です。目の前で人が倒れた時、自分が恐怖で何もできなかったことを悔しく思い、「医師になって人の命を助けられるようになりたい」と考えるようになりました。このような理由で医師になったので、もともと救急科には興味があったのですが、診療科を選ぶにあたって「命に関わる急性期から病気と一生付き合っていく慢性期まで幅広く診られる医師になりたい」と思い、大学卒業後はまずリハビリテーション科へ進みました。その後救急科に進み、特に重篤な患者さんを診る大学病院の三次救急や、幅広い患者さんを診る総合病院の救急救命センターの勤務医として経験を積んできました。

リハビリテーション科と救急科で学んだことについて教えてください。

リハビリテーション科では医療はもちろんですが、医療制度についても深く学びましたね。さまざまな制度を活用して、いかに患者さんをサポートできるかということを学び、それは現在の診療にも生かされていると思います。また体が思うように動かない患者さんに対して痛みを和らげるための訓練などを指導できるのも、リハビリテーション科で学んできたおかげだと思います。一方、救急科では外来でお越しになる患者さんから救急車で運ばれてくる患者さんまで、本当にさまざまな疾患を抱える患者さんを診てきました。救急科で大切なことは、救急科の医師がそのまま診るのか、それとも他のより専門的な診療科へ送るのかを適切に判断することです。外来の患者さんの場合、ほとんどは自分で診療できますが、ごく一部より専門的な診療科へ紹介する必要がある場合もあります。この見極めができるようになったことは、今の診療にとても生きていると感じますね。

2021年10月の開業ということですが、その経緯を教えてください。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック2

もともと、地域の方に「困ったことがあれば相談できる」と思っていただけるようないわゆる「町医者」になりたいと思っていたので、いずれは開業したいと思っていました。今回きっかけになったのは、救急科で一緒に働いていた薬剤師から誘いを受けたからですね。実はこのビルに入っている薬局や歯科医院、デイサービス施設などはみんな知り合いなんです。診療にあたってお互いに情報共有をしながら、地域の医療に貢献することをめざしています。例えば、デイサービスにいらしている方で体調の悪そうな方がいれば、当院で診療することもできますし、逆に当院の患者さんでデイサービスが必要そうな方がいれば、当院からご紹介することもできます。

根拠に基づいた診療を大切にしたい

主な診療内容や患者さんの主訴について教えてください。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック3

風邪や生活習慣病の診療はもちろん、けがの縫合や骨折の評価も行っています。根拠に基づいた診療を大切にしているので、エックス線やエコーなど一般的な検査機器だけでなく、血液ガスの分析装置など少し専門的な検査機器も導入し、診断や治療に役立てています。一方で内視鏡やCT検査の機器はないので、これらの検査が必要と判断したら近隣のクリニックへ紹介しています。このように周辺の医療機関と連携を取ることで、医療資源を有効活用できるように工夫しています。患者さんの主訴は今のところ発熱が多いですね。こういった場合、ほとんどは風邪なのですが、まれに検査から重篤な病気が見つかることもありますので、診断には検査機器が役立ちます。また当院は訪問診療も行っており、基本的には月2回ご自宅へ伺います。訪問診療でも、エコーなど持っていける検査機器は持参して診療を行います。

幅広い診療内容の中で、特に特徴的な診療はありますか?

特徴的なのは、ボツリヌス毒素製剤を用いた治療が行えることでしょうか。これはボツリヌス毒素製剤を注射で投与する治療方法です。さまざまな疾患の治療に使用されますが、例えば脳卒中の後遺症で筋肉が緊張し、体がこわばって不自由な状態になってしまった方に投与すると、体を動かしやすくなることが期待できるケースがあります。クリニックでボツリヌス毒素製剤治療を行っているところは少ないかもしれません。そのほか、身体障害者福祉手帳の申請ができる身体障害者福祉法第15条の指定医でもありますので、どんなことでもまずはご相談いただきたいですね。あとは、週に1回非常勤で循環器内科の医師が診療を行っていますので、その日は循環器疾患に特化した診療を行っています。

診療で心がけていることについて教えてください。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック4

今特に心がけていることは、患者さんのニーズに合わせた治療を行うことですね。クリニックを開業してみて特に強く感じるのは、患者さん一人ひとりの考えに個性があるということです。何らかの症状があるときに詳しく検査をしてほしい患者さんもいれば、あまりしてほしくないとおっしゃる患者さんもいますし、薬を飲むことに抵抗がない患者さんもいれば、なるべく薬を飲みたくないとおっしゃる患者さんもいます。私は医師なので、できる限り医学的に推奨できる方法を提案しますが、ときには患者さんがその診療を望んでいないこともあります。そのため、医学的な事実を述べた上で、患者さんの考えをよく聞き、希望に合わせた方法を提案するようにしています。

これからも研鑽を積み診療の幅を広げたい

先生は自転車競技にも医師として関わられた経験がおありだと伺いました。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック5

はい。実は私自身が学生時代から自転車競技をしており、そのご縁もあって自転車競技「BMX(バイシクルモトクロス)」の大きな大会に医療統括として携わりました。BMXは競技の中でも、比較的事故率の高い競技として知られています。そこで救急科を専門とする私のほかに、脳外科・整形外科・内科・婦人科など幅広い専門を持つ医師が集まり、チームで医療を提供する貴重な経験をしました。時期的に当院の立ち上げと重なったため、当時は特に大変でしたね。忙しいと心の余裕がなくなりやすいので、今はなるべく余裕を持ってスタッフと協力し、楽しくやることを大切にしています。余裕は新しい知識を学ぶなど自己研鑽をする上でも大切ですし、なにより患者さんやスタッフなど周囲の人に優しく接するためにも大切だと思っています。

先生は運動・健康マニアと聞きましたが、健康維持において大切だと思うことはなんですか。

やはり、30〜40代の体が動くうちから運動習慣を身につけ、筋肉や骨量を増やすことですね。例えば歩いたり走ったりすることは、筋肉だけでなく骨にも適度な刺激を与えるため、骨を丈夫にすることに役立ちます。私自身も運動習慣は大切にしています。先ほど申し上げたように学生時代からずっと自転車競技をやってきたので、今でも出勤前には本格的なエアロバイクを20分ほどこいで、汗を流してから出勤しています。

最後に今後の展望について教えてください。

大坪優介院長 八軒内科ファミリークリニック6

患者さんに「何かあったら、とりあえずここに相談すれば大丈夫」と思っていただけるようなクリニックでありたいと思っています。理想的なのは欧州の総合診療医のように、まずは当院を受診いただき、当院で適切な診療や診療科の紹介を行えるようになることです。このような医療をめざすために、私自身、今後も知識のアップデートは欠かせません。クリニックの診療の傍ら、総合病院でも診療も行い、今後も研鑽を積んでいく予定です。患者さんには気になる症状があれば、どんなことでもご相談いただきたいですね。

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