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二森 浩行 院長の独自取材記事

にもり内科クリニック

(川崎市麻生区/柿生駅)

最終更新日:2022/04/13

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「医療で柿生に貢献したい」。その一心で、薬剤師から医師を志し、見事に転身を果たした人がいる。「にもり内科クリニック」の二森浩行院長だ。末期の膵臓がんを患った父の闘病生活をともに過ごしたことをきっかけに開けた道だが、「柿生で生きる人の役に立ちたい」との思いは薬剤師時代から抱き続けていたという。二森院長にとって柿生は、人生の多くの時間をともにしてきた大切なふるさと。技術も知見も、すべてはこの柿生に暮らす患者とその家族のために蓄積してきた。昼は訪問診療とともに外来にも対応し、夜は緩和ケアの患者宅への臨時往診。文字どおり昼夜を問わず地域を駆け回りながら、常にユーモアを忘れず、一人ひとり異なる「幸せのかたち」の実現に向けて力を尽くす。多くの患者やスタッフに愛されるその人柄と、地域医療への思いに迫った。

(取材日2022年3月31日)

父の他界を見届け、医療の道へ

柿生は、先生の生まれ故郷だそうですね。

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ロンドンの日本人学校へ通っていた小学校4年生から6年生の3年間を除いては、柿生の街とともに生きてきました。生まれ故郷にはもともと愛着がありましたが、日本から離れた3年間が地元愛を強めてくれたような気がしています。ロンドンでは、日本人は当然ながらマイノリティー。出身がどこであれ、日本人と知り合えることが喜びでした。柿生から遠く離れた沖縄でも北海道でも、日本というくくりで仲間意識を感じていたんです。その後帰国して柿生に戻った時、その仲間意識がぎゅっと凝縮されて、柿生での人とのつながりを改めて大切に思うようになりました。思えば、当時から「柿生の街の役に立ちたい」という漠然とした思いがあったのかもしれません。

柿生地域でどのような診療をしていきたいですか。

開業するにあたって、ずっと地元の柿生に開業したいと思っていました。この地域は高齢化が進んでいますが、とても元気な方が多い印象です。特に訪問診療の際に心がけていますが、自分の家族だったらどうするかを考えながら、患者さんを自分の家族と思って診療するように努めています。だからこそ、一人の元気な人間として病気の診療だけでなく、これから先の人生を活発に生きていくための工夫を一緒に考えていきたいと思っています。地域の皆さんに何かあったら「にもり内科クリニック」と思ってもらえるように、幅広く診療をしていきたいですね。そのためには、医師もスタッフも高いクオリティーが保てるような教育システムが必要と考えており、全国どこにあっても通用するクリニックづくりに努めています。

医師をめざされたキッカケを教えてください

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私は8年間、薬剤師をしていました。29歳の時、父が末期の膵臓がんで自宅療養の末に亡くなりました。父の最期を見届けてから、医師への情熱が生まれ、仕事の傍ら勉強をして医学部の社会人編入試験を受験。思いの強さが勝ったのでしょうか、高倍率の中、なんとか合格することができました。医師になった私に、母は「お父さんに見せたかった」と言いましたが、もし父が元気でいたら私が医師を志すことはなかったでしょう。薬剤師も好きな仕事でしたので、あのまま薬局に勤め、柿生に薬局を建てる夢を追っていたはずです。そう思うと、今の人生は父からバトンを託された命のリレーのようなものかもしれません。今、ターミナルケアに関わる中でも、すべてのご家族に同じような命と命のつなぎ目があるのを感じます。次世代に命が伝わっていく瞬間が少しでも良いものになるように、力を尽くしたいですね。

総合病院の経験を生かし、訪問診療や発熱者診療に注力

医師になられた後は、新百合ヶ丘総合病院で研鑽を積まれたと聞きました。

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柿生にクリニックを開く目標がありましたので、プライマリケアも見据えつつ専門的な治療にまい進しました。専門は消化器内科で、消化管及び肝胆膵疾患の診断と治療は数多く経験してきました。また、一般内科では、生活習慣病や原因がわからない不調など、一般のクリニックに近い症状を多く診療しました。さらに、緩和ケア内科では、終末期を迎えた患者さんが抱える心身の苦痛の軽減に努め、緩和ケア病棟への入院サポートや入院後の治療、最期のお看取りまで一貫して担当。この時の経験は、クリニックで訪問診療やターミナルケアに注力するきっかけになりました。

現在は、外来の合間に訪問診療をしていらっしゃるのですね。

午前中の診療が終わったら、12時から15時まで訪問診療に行き、15時から午後の診療を開始します。「通院できず困っていたので助かる」「先生に出会えて良かった」と言っていただくと、始めて良かったと心から思います。特にご自宅でのターミナルケアは、患者さんがこれまでの人生を穏やかに振り返り、ご家族がお別れを受け止めて前に進んでいくための大切な時間。急に具合が悪くなった場合などは、たとえ夜中でも必ず足を運ぶようにしています。後悔のない最期の迎え方、送り方といったことを、それぞれの幸せのかたちに沿って一緒に考えていきたいですね。当院ではがんの強い痛みを抑えるための専門的な薬も処方できますので、ご希望や状況に応じて適切に使用し、疼痛をコントロールしていくことも可能です。

新百合ヶ丘総合病院では、「感染対策チーム」にもいらしたとか。

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感染対策チーム(ICT)として、発熱者や接触者専用の外来、病棟管理といった新型コロナウイルス感染症対応にも従事していました。この経験を生かして、クリニックでも発熱者の診療を積極的に行っています。設計段階から感染症が疑われる患者さんとそうでない患者さんの動線を分け、待機室を設けているほか、防護服の着用などの感染症対策を徹底しております。2022年の初頭には私が新型コロナウイルス感染症に感染し、隔離療養しながらオンラインで発熱者診療を行うという未知の診療形態も経験。スタッフが一丸となってクリニックを守り、スムーズに案内をしてくれたおかげで、当院を信頼してきてくださる患者さんにご迷惑をおかけせず対応することができました。スタッフには感謝しかありません。自分が患者になって初めてわかったことも少なくないので、この経験を糧により多くの患者さんに適切な診療を提供していくつもりです。

柿生に住む人が生き生きと暮らせる未来をつくる

ほかに、診療で注力していらっしゃることはありますか。

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やはり専門の内視鏡検査でしょうか。検診や人間ドックで異常を指摘された方の二次検診はもちろん、予防医療の観点からも実施しています。胃の検査では経鼻内視鏡を使用し、苦痛の少ない検査に努めていますので、「内視鏡は苦しいから苦手」という方にこそ試していただきたいですね。過去につらい思いをしてどうしても不安な方には、鎮静剤を使うことも可能ですので、お気軽にご相談ください。半ば眠っているような状態のうちに終わるので、安心して検査を受けていただけますよ。

スタッフの皆さんの教育にも力を入れておられるそうですね。

日々現場で働いていると、目の前の患者さん、目の前の事態に対応するのが精いっぱいで、なかなかインプットの時間がありません。しかし、医療の世界は日進月歩で、油断すればすぐに最新の動向から置いていかれてしまいます。患者さんに有益な情報を提供し、最新のエビデンスに基づいた治療を行うには、意識的に学ぶ機会をつくる必要があります。そこで、私を含め、スタッフみんなの学びにつながるように、開院以来毎朝「今日の小ネタ」として私がまとめたレポートを配り、学びの意識づけをしてきました。医療の知識はもちろん、スタッフと柿生の皆さんとの距離が少しでも縮まるように、柿生についての「小ネタ」も伝えているんですよ。

最後に、地域の皆さんにメッセージをいただけますか。

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柿生の街には、当院を含めて複数の内科があり、それぞれに専門分野が異なります。街全体が総合病院の機能を果たせるように、医師会活動を通じて横のつながりの強化を図ってきました。消化器の不調はもちろん、何科にかかればいいかわからない不調でも、まずはご相談ください。当院で診療できるものは診療し、より専門的な治療が必要と判断すれば出身の新百合ヶ丘総合病院や隣接する麻生総合病院など適切な医療機関へご紹介します。柿生は、元気な高齢者が多い街。誰もが活発に、生き生きと暮らし続けられる未来に向けて、地域に根差した診療を続けてまいります。

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