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柳澤 治彦 院長の独自取材記事

亀有内科・呼吸器クリニック

(葛飾区/亀有駅)

最終更新日:2026/07/09

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック main

亀有駅から徒歩7分、環七通り沿いに立つ大型ショッピングモールの向かいに位置する「亀有内科・呼吸器クリニック」。診療にあたるのは、日本内科学会総合内科専門医および日本呼吸器学会呼吸器専門医の資格を有する柳澤治彦院長。2021年に同院を開業する前は「東京慈恵会医科大学葛飾医療センター」に勤務し、外来診療や呼吸器がんの治療に携わってきた。豊富な経験を生かし、同院では呼吸器症状から生活習慣病まで、内科全般を幅広く対応している。「外来での日々の健康チェックから通院が困難な方への訪問診療まで、トータルで患者さんに関わっていきたいです」と、穏やかにほほ笑む柳澤院長。診療で心がけていることや、2024年に開始した訪問診療について、じっくりと話を聞いた。

(取材日2026年3月3日/情報更新日2026年6月26日)

地域の呼吸器医療を支える存在として

開業場所としてこのエリアを選ばれた理由を教えてください。

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック1

私は2017年より、当院に程近い「東京慈恵会医科大学葛飾医療センター」に勤務しておりました。在職当時、このエリアには呼吸器を専門的に診療する病院やクリニックが少なく、同センターには軽症から重症まで多くの患者さんが来院していました。本来であれば、症状が安定・改善した患者さんは地域へお戻しするのが望ましいのですが、専門的なアフターフォローを担える医療機関が十分とは言えない状況が続いていました。以前から開業を視野に入れていたこともあり、この地域でそうした患者さんの受け皿が必要だと感じ、当地での開業を決意いたしました。また、開業当初から必要性を強く感じていた訪問診療も、体制が整った2024年9月より開始しました。

どのような患者さんが多く来院されていますか?

近隣にお住まいの方や亀有周辺にお勤めの方を中心に、長引く咳やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息、睡眠時無呼吸症候群などで受診される方が多くいらっしゃいます。内科全般にも対応しており、高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病のフォローで通院される方も少なくありません。新型コロナウイルス感染症の流行以降は咳への関心が高まり、風邪と思われていた症状の中に喘息などの慢性疾患が隠れているケースを、より早期に診断できるようになりました。2025年夏からは、CPAP(シーパップ)治療で状態が安定している方を対象にオンライン診療も開始し、対面を基本にしながら通院が難しい方の補完的な選択肢としています。

診療の際、特に意識していることはありますか?

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック2

医学的に「風邪ですね」「喘息です」「軽い肺炎を起こしています」と診断がついたとしても、患者さんが何に困り、何を解決したいと思って受診されたのかは、一人ひとり異なります。そのため、患者さんが今抱えている困り事や来院の目的が何であるのかを、対話の中で丁寧にくみ取るよう心がけています。病態を評価し、必要な検査・診断を行い、治療方針を決定するという一連の医療行為に加えて、その内容を踏まえた上で、改めて不安や疑問がないかを確認することも大切にしています。患者さんが来院された目的に対して過不足のない、いわば「漏れのない診療」を提供したいと考えています。

外来・在宅を通じたトータルケアを実践

外来と訪問診療を両立しようと思った理由を教えてください。

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック3

葛飾区・足立区エリアにはご高齢の方が多く、在宅で医療を受ける可能性のある方が比較的多い地域だといえます。当院の外来に通われていた患者さんも、定期的な健康チェックを行い、必要に応じて大学病院などの医療機関をご紹介してきました。しかし、その後に通院が難しくなるケースも少なくありませんでした。そうした状況を目の当たりにする中で、患者さんをトータルに支えていきたいという思いが強くなりました。また、地域の方々のために自分にできることをかたちにしたいという気持ちもあり、以前から検討していた訪問診療を開始することを決意しました。住み慣れたご自宅や地域で暮らしながら、安心して医療を受けられることは、患者さんにとって非常に大切なことだと考えています。

訪問診療の対象となるのは、どのような方ですか?

基本的には、医療機関への通院が困難な方が対象となります。例えば体に障害のある方や認知症の方、退院後の継続的なケアが必要な方、がんの終末期にある方など、お一人での通院が難しく、在宅での治療や療養を希望される方です。呼吸器関連の患者さんをご紹介いただくことが多いものの、当院では疾患の種類を問わず、幅広い症状や状態に対して訪問診療を行っています。定期的な診察や薬の処方に加え、採血・尿検査、注射や点滴、カテーテル管理などの処置にも対応しています。また、緩和ケアや看取りも対応可能です。私は「東京慈恵会医科大学葛飾医療センター」に勤務していた当時、呼吸器専門医として多くのがん患者さんを診療してきました。人生の最終段階において、ご自宅で過ごすことを望まれる患者さんやご家族を支えることも、訪問診療の重要な役割の一つだと考えています。

訪問診療を考える前の段階でも相談は可能ですか?

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック4

患者さんやご家族の立場からすると、医師にあれこれ質問して良いのか迷ったり、相談しづらいと感じたりすることもあると伺います。おかげさまで、当院にはさまざまなご相談をお寄せいただいておりますが、どのようなことでも遠慮なくお話しいただきたいと思っています。医療制度や介護保険制度は複雑で、初めて関わる方にとっては何がどうなっているのかわからなくて当然です。まずは漠然とした不安でも構いませんので、お気持ちをお聞かせください。状況に応じて情報提供やアドバイスを行い、必要であれば適切な医療や支援につなげていきます。訪問診療を検討する前段階での将来への不安や呼吸器とは直接関係のない内容でも問題ありません。「少し医師に相談してみたい」と感じたときには、どうぞ気軽な気持ちで当院の外来へお越しください。

呼吸器と循環器を軸に、地域医療は次のステージへ

現在の診療体制について教えてください。

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック5

これまで訪問診療は、常勤の呼吸器の医師を中心に行ってきました。外来はほぼ一診で回しているのですが、ありがたいことに外来がかなり忙しくなってきまして、体制の見直しが必要だと感じておりました。現在も複数の非常勤の先生にお手伝いいただいており、そのうちのお一人は週1で入ってくださっていますが、2026年10月からは常勤になっていただく予定です。さらに2026年4月からは、大学病院で経験を積んだ先生4人をお迎えしましたので、訪問診療も拡充していくよう進めているところです。今は呼吸器の患者さんが多いため、呼吸器を専門的に診られる医師がいないと私が在宅に入れない状況ですが、今後は呼吸器に加えて循環器も専門的に診られる体制を整え、大学病院レベルの専門的な診察を地域で提供していきたいと考えています。

なぜ今回、循環器の先生を迎えようと考えたのですか?

在宅やご高齢の患者さんで再入院となるケースの多くは、肺炎やCOPDの増悪といった呼吸器の問題、あるいは心不全の悪化です。心臓と肺はどうしても切り離せない臓器で、どちらかが悪くなるともう一方にも影響が及びます。だからこそ呼吸器専門医だけでなく、循環器専門の先生にも加わっていただくことに大きな意味があります。私自身も現在、木曜日は「東京慈恵会医科大学附属病院」で診療を続けていますが、大学で親しくしている信頼できる先生方が地域医療に力を貸してくださることになりました。2026年春以降は、呼吸器だけでなく循環器疾患にも対応できることが大きなポイントです。大学レベルの診療を地域でも実践し、必要に応じて大学病院と連携できる体制を整えることが目標です。

最後に、めざすクリニック像と今後の展望をお聞かせください。

柳澤治彦院長 亀有内科・呼吸器クリニック6

私がめざしているのは、患者さんが「ここに来て良かった」と思ってくださるクリニックです。医療そのものはもちろんですが、それだけでなく、安心して何でも話せる雰囲気や、安全だと感じてもらえるような空気を大切にしたいですね。私は医師の家系に育ち、大学病院で研究や留学も経験し、やれることは一通りやらせてもらいました。その上で開業医の世界に挑戦したいと考えました。今後は外来の二診体制や循環器を診る日を設けることも検討し、在宅でも呼吸と循環を軸に大学レベルの精度で診療できる体制を整えていきます。働く環境や待遇も整え、その良い循環が患者さんの満足度向上につながる、そんなクリニックをつくっていきたいと思っています。