溝部 智亮 院長の独自取材記事
みぞべ内科クリニック
(久留米市/南久留米駅)
最終更新日:2024/02/09
南久留米駅から徒歩10分の場所にある「みぞべ内科クリニック」。久留米大学病院や関連病院でがんや消化器疾患の治療を中心に幅広く経験を積んで来た溝部智亮院長が、地域医療に貢献したいという思いから2021年に開業した。風邪や腹痛といった一般内科から胃腸内科、循環器内科、外科、肛門外科まで幅広い診療科目が特徴で、地域住民からは体に関するさまざまな相談が寄せられている。訪れた人が安心して話をできる環境を大切にしており、溝部院長の穏やかな人柄が患者の不安や緊張をほぐしてくれる。「患者さんの意志を尊重し、最適な検査や治療を提案していきたい」と語る溝部院長に、クリニックの診療方針や診療時に心がけていることなど話を聞いた。
(取材日2024年1月10日)
幅広い診療内容で患者の不安に寄り添う
まずはこちらのクリニックの特徴を教えてください。
一般内科、胃腸内科、循環器内科、外科、肛門外科と幅広く診療しています。特に消化器疾患については私が専門とする分野ですので、これまでの経験や培ってきた技術を生かした治療を行っています。急な発熱や腹痛などの日々の体の不調から、胃の内視鏡検査や健康診断、特定健診、インフルエンザをはじめとした各種予防接種にも対応しており、かかりつけ医として地域の皆さんの健康を丸ごと診ることのできるクリニックをめざしています。久留米大学病院や聖マリア病院など地域の総合病院とも連携していますので、手術やクリニックでは難しい治療が必要となった場合にも、すぐに紹介できる体制が整っています。
院長のご経歴や開業のきっかけについて聞かせてください。
久留米大学を卒業後、久留米大学病院に入局し、外科医としてがんの診断や治療、消化器疾患の手術などを中心に研鑽を積みました。関連病院にも勤務しながら気づけば20年以上、久留米で地域医療に携わってきました。私は大分出身ですが、過ごした期間が長い久留米は第2の故郷だと思っています。開業のきっかけは、当時の働き方に寂しさを感じたからです。大学病院にいた時は手術ばかりしていましたので、紹介された患者さんを手術して、その後は元のクリニックに戻って治療を続けてもらうパターンがほとんどでした。そのことについて、せっかく出会えた患者さんなのだから継続して見守っていきたいという思いが強くなり、開業に至りました。現在は患者さんの人柄や生活環境について深く知りながら治療を進められるので、やりがいを感じています。
どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?
30代や40代の働き世代から高齢の方まで、市内に住むさまざまな年代の方がいらしています。この周辺に住んでいて、親子や家族ぐるみで頼りにしてくださっている方も多いですね。診療内容が広いので主訴もそれぞれ異なりますが、消化器に関する相談と生活習慣病の患者さんが全体の半分以上を占めていて、残りは風邪やインフルエンザによる受診です。消化器については胃炎や便秘といった症状が多く、必要と判断した場合には胃の内視鏡検査やピロリ菌の検査を行います。生活習慣病については、健康診断で再検査となった項目がある方から、高血圧や高コレステロール血症、糖尿病などの治療のため定期的に通院されている方まで診ています。
患者の苦痛や不安が少ない内視鏡検査を実施
力を入れている診療について教えてください。
胃の内視鏡検査と生活習慣病の治療です。内視鏡に関しては久留米大学病院などで長年経験を積んできました。胃や腸に関する症状は、時に胃がんなど命に関わる重大な病気が潜んでいることがあります。そうした病気を早期発見するためにも、内視鏡検査の実施は非常に重要です。検査を行う際には、磨いた技術と知識を発揮して、小さな異変を見逃さないよう努めています。また、生活習慣病についても長く携わってきた分野です。生活習慣病を放置すると将来的に脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。頭痛やめまい、肩こり、ふらつきといった症状を、単なる不調や年のせいにしていませんか? これらは高血圧による症状の可能性もあります。特に中高年の方で、こうした症状が一定期間続き解決しないという場合には、一度相談にいらしてください。
胃の内視鏡ではどのような検査が受けられるのでしょうか?
内視鏡検査に対して「つらい」や「怖い」というイメージを持たれている方も多いと思います。当クリニックでは、口から内視鏡スコープを挿入する経口内視鏡検査だけでなく鼻から内視鏡スコープを挿入する経鼻内視鏡検査を取り入れています。鼻から挿入することで嘔吐反射を引き起こしにくく、口から挿入するスコープと比べてカメラも小さいため、その分楽に検査を受けていただけると思います。昔は経鼻内視鏡は画像の質が劣るといわれていましたが、今は解像度も高くハッキリと見える機器が開発されていますので、胃の中を詳しく調べることができます。恐怖心が強い方や嘔吐反射の強い方には、鎮静剤を使うことにより眠った状態で検査を受けていただくことも可能です。不安と負担の少ない内視鏡検査で検査に対する抵抗感を少しでも減らし、定期的な検査の受診につなげていきたいと考えています。
通院患者が多いという生活習慣病。治療にあたっての工夫はありますか?
高血圧や高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病の治療には、生活習慣を改善し、規則正しい生活を送ることが最も重要です。しかし、食事のコントロールや適度な運動をすぐに実行に移すのは意外と難しいんですよね。「こうしなさい」とこちらが一方的に言っても、患者さんはついてこれません。特に生活習慣病は患者さんと長いお付き合いになりますし、プライべ―トな部分にも踏み込みますので、その方ができることから少しずつ始めるのが大切だと考えています。あえて厳しくせず、薬も服用しながら無理のないペースで変えていくことで、治療に対するモチベーションも長続きしますし、患者さんとも良い関係が築いていけると思います。
なんでも話せる「健康の相談窓口」でありたい
患者さんと接する際に、どのようなことを心がけていますか?
とにかく話を聞く、という姿勢です。同じ症状や病気でも、患者さんが必要とする治療・検査は一人ひとり違っています。話に耳を傾け、何に対して不安を感じているのかを知ることで、その人にとっての適切な治療や検査を選択するのが私たちの仕事です。患者さんに安心してお話ししてもらうためにも、落ち着いた雰囲気づくりはとても大切だと思っています。働くスタッフたちにも、患者さんに寄り添った対応をするよう伝えています。患者さんの中には「病院の先生にはなんだか相談しづらくて……」と言われる方も結構いらっしゃいます。そうした方にもたくさん話していただいて、すっきりした状態でお帰りいただけたら、とてもうれしいですね。
今後の展望について教えてください。
開業して3年目を迎え、地域の方にも広く知っていただけるようになりました。今後は人員を含め診療体制をさらにパワーアップさせて待ち時間を減らすことで、もっと多くの患者さんを受け入れていきたいと考えています。それから、忙しさから健康診断を受けられていない方や、再検査や受診が必要と言われたけれども受診できていない、という方々へ、かかりつけ医という身近な医師の立場から病気の早期発見・早期治療の重要性を発信していきたいですね。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
生活している中で「症状があるけど、どの病院にかかったらいいかわからない」ということもあるかと思います。当クリニックは、そうした場合にまず最初に相談できる健康の窓口でありたいと思っています。「こんなこと相談してもいいのかな?」といったことでも構いません。全身の状態を診ることができますので、まずは不安に思っていることを聞かせてください。引き続き、丁寧な診察と負担の少ない検査に努め、訪れた方が安心して話ができる環境づくりに努めていますので、何かあればいつでも相談してください。