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園田 唯 院長の独自取材記事

ファインクリニック西荻南

(杉並区/久我山駅)

最終更新日:2023/11/30

園田唯院長 ファインクリニック西荻南 main

京王井の頭線の久我山駅とJR中央・総武線西荻窪駅の中間点。五日市街道沿いにある医療モール1階に2021年10月に開業したのが「ファインクリニック西荻南」だ。院長の園田唯先生は、患者一人ひとりが心から安心、納得できる医療を提供していきたいとの思いで開業。園田院長は、複数の病院に勤務してきた中で患者がさまざまな心理的葛藤に苦しむ姿に直面し、その原因は医療者側と患者側との医療情報レベルのギャップにもあると考え、臨床に携わる傍ら、より正しい医療情報を発信する「医療事典」プロジェクトに参画し、医療リテラシーの向上に尽力してきた。同クリニックではそうした経験を生かし、患者一人ひとりに即したきめ細かな気配り、心配りを大切に診療を行っている。そんな園田院長に話を聞いた。

(取材日2021年10月13日/更新日2023年11月16日)

きめ細かな心配りで患者の安心感を生み出したい

開業の経緯を教えてください。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南1

大学卒業後、河北総合病院や日本赤十字社医療センターの呼吸器内科、静岡がんセンターの感染症内科など複数の病院に勤務してきました。その中で多くの患者さんが病気だけでなくさまざまな心理的葛藤を抱えて悩んでいる姿を見てきました。その原因は何だろうと考えた時に、患者さん側が合理的な説明を受けていない場面や、説明を受けても理解に至っていない場面を目にしたことから、本当に納得できる医療を実感していないからではないかと思ったのです。それは医療者側に時間がないこともありますが、患者さん側が医学的知識に慣れ親しんでいないことも一因にあり、それらが相まって医療者側と患者さん側との間にギャップが生まれ、患者さん側に心理的な不幸の影が生じていると考えました。そんな時、正しい医療情報の発信をめざしている会社と出会い、その理念に共感しプロジェクトに携わるようになったのです。

それはどういうプロジェクトだったのですか。

病気や治療法、薬、医療機関、学術ニュースなどさまざまな医学情報について、複数の医師が協力して内容を検討し正しい情報を事典としてまとめ発信していくプロジェクトです。患者さんが病気で不安な時こそ、必要な情報、正しい情報をきちんと得ることでより納得できる医療を受けられるようサポートしていこうという趣旨です。プロジェクトに携わる傍ら、臨床現場に立っていましたが、この仕事が一段落したので、もう一度臨床に軸足を戻そうと思ったのです。病院に戻るか開業するか迷ったのですが、やはり自分が理想とする医療を地域で自分の力によって実践していきたいと思って開業することにしました。

ここ西荻南に開業した理由と内装などこだわった点について教えてください。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南2

実家がすぐ近くで、この辺りも慣れ親しんだエリアです。このビルのオーナーもとても理解ある方で、長期的にみても良い方向で地域医療に貢献できると思ったのです。内装は、温かみのあるデザインにしたかったのでウッディ基調にしています。清潔感も大切にして、患者さんが安心して受診できるよう配慮しています。クリニック名の「ファイン」には「優れた」という意味もありますが、それよりも「こまやかな」「洗練された」という意味を込めて命名しています。一人ひとりの患者さんにきめ細かに目配り、気配りをして、少しでも患者さんたちの気持ちが前向きになれるよう努めていきたいと思っています。

患者のことを第一に患者に寄り添った医療を実践

こちらの診療の特徴はどんなことが挙げられますか。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南3

「For the Patient」、つまり患者さんのことを第一に考えていくことです。治してあげるという姿勢で一方的に医療を行うのではなく、患者さんのお困り事やどんな治療を望んでいるかを丁寧に探り一人ひとりに寄り添いながら提供する医療をめざしています。院内感染に不安を抱く方も多いですから、感染症の疑いのある方は時間を区切って診療したり、あるいはオンライン診療にしたりするなど工夫しています。診療では私が日本内科学会総合内科専門医と日本呼吸器学会呼吸器専門医ですので、生活習慣病や喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患などさまざまな内科疾患を専門的に診ます。さらに循環器内科、消化器内科、泌尿器科を専門とする医師も在籍していますので幅広い疾患に対応できます。検査機器も充実していて、心臓、腹部、膀胱のエコーや、心電図、肺機能検査、動脈硬化の進行度を調べる脈波検査などを行っています。

診療の際、心がけていることはどんなことでしょうか。

話をよく聞くこと、傾聴を大切にしています。初対面では話しづらいかもしれませんが、しっかりアイコンタクトを取って些細なことでも話してもらえるように気をつけており、患者さんにどのような背景があり、どのような状況になっているのかも丁寧にお聞きしています。言葉遣いにも気を配っています。ご年配の患者さんに若い医療者が「どこが痛いの?」 などと話しかけているのをよく見かけたのですが、その度に違和感を覚えていました。本人は親しみを込めているのだとは思いますが、相手によってはそういった言葉遣いを不愉快に感じていると思います。ご年配の方はもちろんどんな方に対しても、優しい敬語を使って話すことが患者さんに納得した医療を受けてもらえるための礎になると考えています。また、最近では誤った情報をうのみにしている人も多いですが、頭ごなしに否定するのではなく、研究データなども含めてわかりやすく説明するよう努めています。

そうしたお考えはスタッフとも共有なさっているのですね。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南4

スタッフにはすべては患者さんのためにという理念のもと、患者さんにきめ細かに対応するようお願いしています。単に決められたことだけを行うのではなく、自分で考えて主体的に動けるように心がけています。例えば、明らかにおなかが痛くてうずくまっている方がいたら、すぐにお声がけして早く診てもらえるよう対処するなど、常に患者さんに目配り、気配りが行き届いたクリニックでありたいですね。あいさつも大切にしています。それは患者さんだけでなくスタッフ同士も同じです。医療現場は1+1が2以上にならないと回らないことも多く、そのためにはスタッフ同士のコミュニケーションがとても重要になります。

ファーストタッチとしてどんな症状も診ることに努める

今後力を入れていきたいことはどんなことですか。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南5

コロナ禍は明けましたが風邪症状への対応は重要です。新型コロナウイルス感染症なのかインフルエンザなのか、あるいは溶連菌感染なのか、考えられる原因を臨床推論をもとにそれらを判断する訓練を受けてきていますので、不安を抱いている患者さんのお力になれると思います。ゆくゆくは、このクリニックに来ればファーストタッチとしてどんな症状でも診てもらえる、どんなことでも相談できる、そしてより高度な医療が必要な場合はすぐに適切な病院に紹介してもらえる、そのように患者さんが安心して受診できるクリニックとして認知されたいと思います。

そもそも先生はなぜ医師をめざされたのでしょうか。

もともとは研究者志望で遺伝子研究をしたいと思っていました。ですが、東京大学に進学後、母が病気を患っていることを直視したことから医学に興味を覚え、医学部健康科学科で精神保健や公衆衛生などについて学びました。研究ではテーマについて集団で調査して因果関係を解明してきたのですが、そのうち、自分の中で疑問が生まれてきたのです。例えばウォーキングと高血圧改善の因果関係の調査で1万人のうち200人に変化がみられたとして、それがどんなに有望な好結果であっても数字としては1万分の200であり、今目の前の人の血圧を下げるにはどうすればいいのか。そう考えた時、やはり1対1でも患者さんを診られるようになりたいと思ったのです。それで、千葉大学医学部を再受験したというのが僕のストーリーです。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

園田唯院長 ファインクリニック西荻南6

心身の不調で困ったときに頼ってもらえるクリニックでありたいです。そのためには医療の質の高さはもちろん双方の信頼感も大切です。ここに来ればいつもきちんと診てくれる、よく話を聞いてくれる、一緒に向き合ってくれると思ってもらえるよう努力していきます。これまでの経験から医師の資質として、知識、技術、人間力の3つが重要だと思っています。日進月歩である医療知識の最新情報を日々怠ることなく習得し、技術の向上、そしてコミュニケーションを大切にしながら、今後も日々研鑽を積んでいきたいと思います。

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