松原 祥高 院長の独自取材記事
まつばらこどもアレルギークリニック
(東大阪市/徳庵駅)
最終更新日:2024/09/27
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック main](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_banner_url/77584/20240910_199980_top.jpg)
小児科・アレルギー科を診療する「まつばらこどもアレルギークリニック」は、徳庵駅から徒歩約9分の場所にある。院長の松原祥高先生は「子どもたちの未来のお役に立ちたい」という熱い思いを胸に抱くベテラン医師。病院勤務を経て開業した現在は、専門である小児のアレルギー疾患を中心に診療し、医療を通じて地域の子どもたちやその家族を支えている。同院の大きな特徴の一つが、「アレルギー科外来」として専用の診療時間を設けて丁寧な説明に努めていること。アレルギー疾患の治療には、通院の必要性を理解してもらい、一緒に治療を進めていくことが鍵になると考えての取り組みだ。「治療に根気が必要だからこそ、患者さんの伴走者として、気持ちに寄り添いながら治療を進めることを大切にしたいです」と語る松原院長に、診療について話を聞いた。
(取材日2024年7月2日)
伴走者として、真摯に患者と向き合う
小児科を選んだ理由を教えてください。
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック1](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url1/77584/pc_DF_1_Z59082_20240628__25_.jpg)
医学部時代、「府立呼吸器・アレルギー医療センター(現・大阪はびきの医療センター)」の小児科で受けた臨床実習が、大きなきっかけになりました。そこでは気管支喘息の子どもが隣の学校に通いながら病気を治療するという、院内学校の取り組みをしていました。院内で1ヵ月、子どもたちと過ごすうちに「未来ある子どもたちに何かできることをしたい」と考えるようになり、小児科の道に進むことを決意しました。その後、子どもたちの助けになるためには私自身の実力を高めていかなければと思い、勤務先には「東大阪市立総合病院(現・市立東大阪医療センター)」を選びました。かつては24時間365日体制で急患を受け入れていた病院で、私が勤務していた時も週4日は24時間体制で夜間外来診療をしており、先輩方と苦楽を共にしてきました。そこで多くの患者さんと向き合ってきた経験が、今の診療にもつながっていると思います。
開業のきっかけは何だったのでしょうか?
市立東大阪医療センターに勤める間に日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を取得しましたが、キャリアを重ねるにつれ、一般小児科の分野の患者さんを直接診る機会が少なくなっていました。小児科ではジェネラルとスペシャルの両立、つまり、専門性に加えて小児に関する全般的な知見が必要だと考えています。そのため、アレルギーだけでなく、多くのお子さんがよくお困りになる発熱などの一般小児科の分野にも関わっていきたいと思い、予防医療も含めてアレルギーや一般小児科の患者さんを診ていくために開業を決めました。市立東大阪医療センターでは、東大阪を含めさまざまなエリアにお住まいの患者さんを診ており、その方々を継続して診ていきたかったため、東大阪での開業を考えていました。また、この地域を選んだのは、小学校が2つあるのに小児科が近くに少ないエリアだったので、ジェネラルな領域で地域の方々のお役に立てると思ったからです。
アレルギーの診療で大切なことをお聞かせください。
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック2](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url2/77584/pc_DF_2_Z59082_20240628__10_.jpg)
喘息やアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患は、症状が出たら漫然と薬を服用すれば良いわけではないです。そのため、「薬を出して終わり」ではなく、きちんと定期通院してもらい、できる限り良い状態の維持を図ることが大切だと考えています。当院では、14~16時にアレルギー科外来の時間を設けています。適切に状態を管理していくために、ご本人やご家族に今の状態や治療についてしっかりとご理解いただける時間を確保したくて、あえて分けました。ただ、定期受診が必要な方で、どうしてもその時間に来られない方もいるかと思います。その場合は、一般小児科の診療時間にアレルギーの診察をすることもできますので、ご相談ください。
アレルギー専門医ならではのオーダーメイド医療を
アレルギーを専門にされたきっかけは何だったのでしょうか?
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック3](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url3/77584/pc_DF_3_Z59082_20240628__37_.jpg)
私の子どもたちが、乳児の頃からアレルギーで苦しんでいました。小児科医として何とかしてあげたいという一心で、アレルギーの勉強を始め、最終的に専門的な資格の取得をめざし、アレルギー専門医の資格を取得しました。アレルギーの治療法は日々進歩していて、例えばアトピー性皮膚炎に関しては新しく注射薬も販売されました。新しい治療法が出てきている分野のため、アレルギーで悩む患者さんには、アレルギー専門医として診療に精通されている先生への受診も、選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。また、食物アレルギーの治療は「必要最小限の原因食物の除去」が原則と言われています。当院では、アレルギーに精通したスタッフも在籍しており、「食物経口負荷試験」を実施しています。喘息の治療では、患者さんの重症度に応じた薬の処方や、専門の看護師による吸入指導も行っています。
クリニックの診療方針について教えてください。
アレルギーの治療は、患者さん一人ひとりの病状に合わせて薬を変えていく必要があります。患者さんとは長くお付き合いし、病歴や生活環境などを把握した上で治療することが重要です。そのため治療を進めるときは、ただ薬を処方するだけではなく、治癒に向けて近い目標を細かく設定します。1つずつクリアしていくことを通じて、患者さんに治療への意欲を持ち続けてもらうという試みです。なお、アレルギー科外来ではその子に合った治療を提供するため、時間をかけて治療内容の事前準備をしています。そのため、ご来院の際は必ず予約をお取りください。急にご来院いただいても準備不足になりますし、十分な診察時間も確保できません。もしやむを得ず予約をキャンセルする場合は、再度アレルギー科外来の予約をしてからご来院いただきますよう、ご理解をお願いします。また、はじめてアレルギー科外来の受診を希望される方は、電話でのご連絡をお願いしています。
患者さんと接するときに心がけていることはありますか?
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック4](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url4/77584/pc_20240910_DF_4_Z59082_20240628__62_.jpg)
患者さんはもちろん、ご家族とも信頼関係を築き、治療に最善を尽くすことです。特にアレルギーの治療は、親御さんの理解を得られるかが、結果を左右すると言っても過言ではありません。例えば、塗り薬を増やしたとき、実際に薬を塗るのは患者さんではなく親御さんです。アレルギー疾患は、見た目の状態がよくなったら完治したと思われやすいですが、まだ病気が潜んでいる可能性があり、本当の意味の治癒とは少し乖離しています。この認識が定着しきれず、見た目の状態の判断による薬の使い方に偏ってしまうことがあります。そのため、良い状態を維持するために必要な薬であることを、繰り返し説明するように努めています。そして、アフターフォローも大切です。例えば、気管支喘息は薬をやめて症状が出なくなる状態が維持できて初めて治癒したといえるので、当院では約3ヵ月に1度は様子を見るように心がけています。
患者がストレスなく継続通院できるよう、環境の整備も
他に、クリニックで取り組まれていることはありますか?
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック5](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url5/77584/pc_DF_5_Z59082_20240628__49_.jpg)
当院では、安心して受診していただけるように感染症対策も徹底しており、症状ごとに動線を分け、大型の空気清浄装置も設置しました。それから、受診の際はウェブ予約が基本ですが、急患も受け入れ可能です。また、救急科外来での経験を積んだ看護師もおり、急変の対応も含め、お子さんへの対応には慣れています。診察で気になった点や治療の注意点などを患者さんに伝えるときも、私より看護師からのほうが受け入れていただきやすいこともあり、看護師にはいつもサポートしてもらっています。
今後の展望を教えてください。
患者さんに寄り添った医療を続けていきたいです。ただ多くの方が来院されるため、診察や会計をお待たせしてしまう現状があり、申し訳ないと常々思っています。対策として、ウェブ予約システムと、自動精算機、キャッシュレス精算を導入しました。患者さんの負担軽減のために、薬局での待ち時間もなるべく短くしたいと考えています。そのため、薬局とも連携をし、前もって調合してもらい迅速に処方できるように対策しています。今後も患者さんファーストの視点で、ご満足いただける診療を追求していきます。
読者へのメッセージをお願いします。
![松原祥高院長 まつばらこどもアレルギークリニック6](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url6/77584/pc_DF_6_Z59082_20240628__54_.jpg)
お一人お一人、小さな表情の変化を観察し、説明に納得してもらえているか、治療方法を受け入れてもらえているかといったことを確認した上で、患者さんやご家族の希望に沿えるような治療を提案しています。また、治療が継続できるよう、患者さんの負担を減らすための工夫もしています。誠心誠意、最後まで責任を持って伴走しますので、どんな些細な悩みでも、気軽にご相談ください。