麻酔の技術と素早い処置で痛みと腫れの軽減を図る
親知らずの抜歯
四日市くぼた歯科・矯正歯科
(四日市市/中川原駅)
最終更新日:2023/06/19


- 保険診療
親知らずが生え始める10代後半は、多くの人たちにとって部活や受験などで忙しい時期でもある。そんな時期に突然、親知らずが痛み出すとさまざまなスケジュールに支障が出るだろう。親知らずは、その前に処置しておきたい歯でもある。ただ、いつ頃抜くのがいいのか、埋まっていれば抜かなくて良いのかなど、わからないことも多いのではないだろうか。大学病院の歯科口腔外科で親知らず抜歯をはじめとした難手術を多く執刀してきた「四日市くぼた歯科・矯正歯科」の大須賀勇樹院長は、「親知らずは、たとえ埋没していても虫歯や歯周病などの原因になりやすいので、抜歯することをお勧めします」とアドバイスする。同院の親知らずの抜歯について詳しく聞いた。
(取材日2023年4月19日)
目次
歯科口腔外科の手術技術で親知らずの難症例にも対応。短時間かつ少ない傷口で腫れや痛みのない抜歯をめざす
- Q親知らずを残しているとどんなデメリットがあるのでしょう?
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A
▲専門的な治療が受けられる四日市くぼた歯科・矯正歯科
まず、親知らずの生えている場所が物理的に歯ブラシの届きにくい場所なので、手前の歯が虫歯になりやすいことが挙げられます。さらに、磨きにくい場所から歯周病菌が増えて、歯周病や口臭の原因にもなりやすいですね。虫歯や歯周病が進んで菌が繁殖してしまうと骨の中の神経を圧迫するほど膿がたまってしまいます。この場合は痛みが出るので、放置せずにすぐに歯科医院で処置してください。親知らずが横向きの場合、前の歯を押してしまうことで歯並びの乱れにつながったり、噛み合わせが悪くなって顎関節症につながったりもします。
- Q痛みがある場合は、抜くことができないのでしょうか?
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A
▲精密な検査を行う
当院ではすぐに抜歯します。一般歯科で「痛みがある時には抜歯は無理」と言われた方も多いかと思いますが、それは痛みがある時というのは、周囲の組織が酸性状態にあり、アルカリ性の麻酔と中和してしまい麻酔が効きにくくなるからです。当院では、親知らずの周囲組織に麻酔を打つだけではなく、脳から出ている三叉神経の一つである「下歯槽神経」周囲に麻酔を打つことで、痛みや刺激を抑えることを図り、抜歯できる環境を整えています。大もとの神経をターゲットとしているので、歯の周囲に麻酔を打つより少量の麻酔薬で済む点もメリットです。これは解剖学的な知識が必要な技術なので、歯科口腔外科を専門とした歯科医院での対応となります。
- Q親知らずを抜歯するのは何歳頃が良いのでしょうか?
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A
▲CTでの診断をもとに歯科医師が説明
基本的に親知らずがどんな状態であろうと抜いたほうが良いので、当院では中高年の患者さんでも抜歯をお勧めします。高齢になると骨が石灰化して抜歯しづらいというデメリットがありますが、残しておくリスクより抜歯をするほうが健康上のメリットはあります。ただ例外もあって、虫歯になりやすい6番目の奥歯が欠損した場合、その隣の7番目と親知らずの歯を横にずらし、空いた隙間を埋めることをめざす矯正を行うため、親知らずを残すこともあります。親知らずが深い場所にある中学生頃までは、成長の頃合いを見てから抜歯をしますが、高校生ぐらいになれば少しずつ生えてきますから、埋まっていても抜歯をしたほうが良いでしょう。
- Q抜歯にかかる時間と、治療の流れを教えてください。
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A
▲一人ひとりにあった治療計画を行う
当院の場合ですと、1分から5分くらいで終わります。先ほどお話しした神経への麻酔を使えば左右上下の4本同時でも、ほぼ局所麻酔だけで抜歯できますが、それでも抜歯時間は10分くらいです。全身麻酔は、入院が必要になったり体全身に負担をかけるので、当院ではできるだけ局所麻酔で対応しています。口腔内の奥のほうですから嘔吐反射の強い方は、静脈内鎮静法という眠ったような状態での抜歯も可能です。静脈内鎮静法で抜歯をした方は、終了後にバイタルを確認し、30分ぐらい安静にしてから帰宅していただいています。
- Q治療後の注意点も教えてください。
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A
▲抜歯後の注意点も詳しく教えてくれる
まず、処方された抗生剤は必ず飲みきるようにしてください。そして、長風呂、飲酒、運動など血行が良くなるような行動は控えていただきます。喫煙は、血行を悪くするので治癒促進のためには控えたほうが良いでしょう。抜歯後は穴が開いているので、ご飯などが詰まらないよう注意し、清潔を保ってください。当院の手術法の特徴として、埋まっている親知らずを出すために歯茎をめくった状態でも、縫うことによって中の圧力が高まり腫れや痛みが出やすくなりますので、抜歯後の縫合はしません。当院では、少ない傷口で済む手技によって、痛みや腫れが出ないような手術に努めています。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。