過呼吸やパニック障害などの不安障害は
悩みが深くなる前に相談を
こころ診療所吉祥寺駅前
(武蔵野市/吉祥寺駅)
最終更新日:2021/12/06


- 保険診療
人前での強い不安や緊張が繰り返される社会不安障害や、突然に強い不安やさまざまな不快な症状が起きるパニック発作を繰り返すパニック障害。これらはともに、ひどくなると外出ができなくなることもあるという。そして、「社会不安障害やパニック障害は、適切に治療をすれば多くのケースで改善がめざせます」と話すのが、「こころ診療所吉祥寺駅前」の水谷薫院長だ。そこで、それらの病気に関する基本的な知識や同院で行っている治療などについて、水谷院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2021年11月17日)
目次
社会性不安障害やパニック障害は治療で改善をめざす。悩んでいるのなら早めに相談することが大切
- Q最近は怖い事件も多く、不安障害で悩んでいる人も多いのだとか。
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A
▲不安障害の治療にも注力している水谷院長
そうですね。新型コロナウイルス感染症の流行や最近立て続けに起きた電車内での事件。ほかにも、これまでオンライン授業だったのが対面の授業に変わったことによるコミュニケーションに対する不安や、非正規で働いている人の雇い止めに対する不安などのストレスに反応する人はたくさんいます。
- Qそもそも不安障害とは、どのようなものなのでしょうか?
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A
▲苦痛により日常生活に影響が出ると治療が必要になる
自分の不安をコントロールできない状態になることです。不安障害には、人前で発表をする時などに強い不安を感じるのを社会不安障害、仕事や学校、友人関係など日常生活全般に不安を感じる全般性不安障害などがあります。ほかに、突然に不安が強くなり、それによって自律神経のバランスが一気に崩れ、心拍が速くなったり、呼吸が荒くなり過呼吸(過換気症候群)になったり、汗を多くかいたりするなどの症状が短時間で起こるパニック発作を繰り返すパニック障害もあります。不安感は、日常生活の中ではありふれていますが、これらの症状を苦痛と感じ、日常生活に影響が出ていると治療が必要になります。
- Q過呼吸(過換気症候群)について、詳しく教えてください。
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A
▲患者に合わせた治療方針を決めるように心がけている
人間は、不安感や緊張感を感じると、どうしても呼吸が荒くなります。それは自律神経による体の変化です。普段は息をゆっくり吸って、ゆっくり吐いてというリズムで呼吸ができていますが、呼吸が荒くなってくると息が吸いづらくなり、体内に酸素が取り込みにくくなってきます。そうなると苦しくなり、その自分の姿に大きな不安や恐怖を感じてしまい、さらに緊張感が増して、それによってもっと心拍数が上がり、呼吸が速くなり、もっと息苦しさを感じてしまうという悪循環になってしまいます。手指のしびれなどを感じる方もいます。
- Q不安障害にはどのようにアプローチをするのですか?
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A
▲多くの症状は治療で改善することが可能
当院では、パニック障害や社会性不安障害などに対しては、薬物療法に加え、「系統的脱感作」にも注力しています。これは、簡単に言うと慣れさせること。例えば、満員電車に乗ろうとしても緊張して乗れないという人がいるとします。発作が起きないレベル、例えば一駅ずつ電車に乗ることにまずは慣れさせて、段階的に強度を上げていくものです。薬物療法と脱感作法を併用、調整しながら進めていきます。