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岡部 尚志 院長の独自取材記事

みずほ台泌尿器科

(富士見市/みずほ台駅)

最終更新日:2024/02/09

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科 main

みずほ台駅から徒歩約5分、2021年7月に開院した「みずほ台泌尿器科」を訪ねた。白を基調とした院内は観葉植物が置かれ、リラックスできる空間だ。岡部尚志(おかべ・たかし)院長は、埼玉医科大学国際医療センターで12年勤務した後に同院を開業。泌尿器のがんを中心に手術や治療の研鑽を積んできた。「エビデンスに基づいた治療を丁寧に行っていくこと」を信条としている岡部院長に、同院で受けられる日帰り手術や泌尿器のがんについて話を聞いた。

(取材日2022年7月7日/再取材日2023年7月12日)

泌尿器がんの診療経験を生かし病気の見逃しを防ぎたい

開業前のご経歴を教えてください。

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科1

埼玉医科大学国際医療センターに12年間在籍し研鑽を積んできました。在籍中は2年間スイスにも留学し、時計遺伝子という体内時計をつかさどる遺伝子や、そこから生成されるタンパク質と炎症との関連について研究するという機会にも恵まれました。帰国後、埼玉医科大学国際医療センターに戻ってからは泌尿器科の診療と研究、教育に携わり、外来や手術、そして病棟での業務など、さまざまな経験をしました。特にがんと脳卒中、心臓病の治療に力を入れている病院でしたので、泌尿器科の医師として自然とがん医療の経験値が増え、専門性を深めていくことができました。

設備面にもこだわったそうですね。

超音波診断装置や膀胱鏡をはじめとする泌尿器科の診療で用いる専門的な機器や診察台など、使うものはすべてこだわって選びました。設備や機器は、検査や治療など診療をスムーズに進めていくのに必要なだけでなく、診断の質にも影響すると考えているからです。われわれスタッフの仕事もスムーズになりますしね。「泌尿器科は行きづらい」と思っていらっしゃる方も多いようですが、実際は、腹部の超音波検査で診断がつくものも多いですし、初診では問診と尿検査を行う程度で、初めから膀胱鏡を使うような本格的な検査をすることはほとんどありません。内科に行くような感覚で気軽に来ていただければと思っています。

来院される方の主訴を教えてください。

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科2

おしっこが近い、勢いが弱ったといった症状で、男女ともに高齢の方が多い印象ですね。ほかには若い女性の膀胱炎や、若い男性だと性感染症の相談もあります。がんに関しては、当院では治療を終えた方の経過観察や前立腺がんのホルモン療法を行っています。患者さんが遠くの大学病院まで行かずに済みますから、今後は地域の先生方にもそのことを知っていただき、連携していけたら良いですね。それ以外にも何となく違和感がある、気になるといった曖昧な感覚であっても、おしっこの症状に関する内容でしたらなんでも相談に乗っています。

日帰り可能な先進の治療法で、患者の負担の軽減を

おしっこに関する症状や疾患について詳しく教えてください。

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科3

ご高齢になってくると尿の間隔が短くなった、勢いが弱まったと悩まれる方が増えます。ご年齢のせいと諦めるのではなく、泌尿器科を受診してほしいと思います。例えば尿が出にくい、尿の頻度が増えた、夜起きてしまうなどの症状がある場合は、男性であれば前立腺肥大症が原因となっている場合があります。また、急な尿意や間に合わずに尿が漏れてしまうなどの症状があれば、膀胱に尿がたまり切る前に膀胱が収縮してしまう過活動膀胱という疾患にかかっている可能性もあります。これらの場合、適切な薬物療法により改善に向かうことが多いですが、残念ながらそれだけでは十分な効果を得られない方もいらっしゃいます。そのような方への治療として、当院では日帰りで行えるWAVE治療(経尿道的水蒸気治療)やボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を取り入れています。

WAVE治療とはどのようなものですか?

2022年に新しく保険収載された前立腺肥大症に行う治療方法です。尿道にデリバリーデバイスと呼ばれる管状の装置を挿入し、肥大した箇所に刺した針から103度の高温の水蒸気を前立腺内に噴霧します。すると、肥大した箇所の組織が壊死し、自然と体に吸収されて前立腺が縮小し、症状の緩和が望めるという仕組みです。1回の治療で5~8回程度の穿刺を行いますが、約半日で術後診察まで終えて帰宅できるようになります。WAVE治療は前立腺を針で数ヶ所刺すだけの治療です。従来の手術のように電気やレーザーで前立腺の組織を傷つけることがありませんので、身体への負担がとても少ない手術であるといえます。ですから、全身状態が良くない方、高齢もしくは認知症などの方によりメリットのある治療法であると考えています。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法とはどのようなものですか?

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科4

高齢になるほど過活動膀胱の症状に悩む患者さんは増えます。治療としてはまず薬物療法を行います。多くの方が薬物療法で改善に向かう一方で、効果が不十分であったり、薬の副作用により内服を続けられない方もいらっしゃいます。そのような場合に行うのが、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法です。膀胱壁の中にボツリヌス毒素製剤を注入して膀胱の筋肉の過剰な収縮を抑制することで、極端な頻尿や尿失禁などの症状の緩和を図ります。期間に個人差はありますが、約4〜8ヵ月で効果が減弱するため、定期的に治療を行うことが必要です。頻尿や急な尿意、尿失禁などの症状が改善することで、長距離バスでの移動や遠出などへの不安が減ることが期待されますので、患者さんの生活の質を上げるための治療といえるでしょう。こちらも保険適用の治療です。

日帰り手術や治療が充実しているのが特徴ですね。

はい。WAVE治療とボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法のほかにも、前立腺がんが疑われる場合に行う前立腺針生検から自費診療の包茎手術まで幅広く対応しています。特に、当院では手術の際、脊髄くも膜下麻酔の一つであるサドルブロックという麻酔方法を採用しており、術後1〜2時間で歩けるようになることが望めるため日帰りでの対応が可能です。前立腺針生検やWAVE治療などの場合、例えば11時頃に来院していただいたとして、15時頃にはご自宅へお帰りいただけるでしょう。包茎手術についても、陰茎の解剖を熟知した泌尿器科医として私が全例執刀しますので、安心して手術を受けていただけると考えています。また、陰部や大腿部の粉瘤や陰嚢水腫に対する手術も積極的に行っています。

排尿トラブルを解消して健康増進へとつなげたい

泌尿器のがんの診断にも力を入れていると伺いました。

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科5

泌尿器のがんは早期発見できれば根治が期待できるケースも多いので、勤務医時代の経験を生かしてがんの診断でも地域の方に貢献したいです。前立腺がんは初期の自覚症状がほとんどないため、症状が進行して転移していない限り自分で気づくことは難しく、検査で初めて発見されることが多いです。そこで、当院では何か別の症状で受診された場合でも、患者さんが50歳以上の男性であれば、前立腺がんの腫瘍マーカーの検査をお勧めしています。そしてもう一つ、膀胱がん。こちらは血尿を契機に見つかることが多いので、血尿が出ていたらすぐに来てください。検査では膀胱鏡を用いた検査のほか、血液検査で腫瘍マーカーを調べて、PSA値が高ければMRIでの画像診断も用いて評価していくことになります。さらに生検が必要な場合は、先ほどご説明させていただいた日帰りの前立腺針生検を行います。

診療において大事にしていることはありますか?

当たり前かもしれませんが、どんな疾患でも科学的根拠に基づいた診断と治療をすることが大事だと思っています。診療ガイドラインなど、エビデンスに基づいたスタンダードな治療を丁寧に着実に行っていくこと、それが結果的に一番患者さんのためになると信じて診療にあたっています。また、治療について説明する際には、わかっている範囲で具体的な数字を提示するようにしています。

今後の展望を教えてください。

岡部尚志院長 みずほ台泌尿器科6

大きな病院では、手術などの治療が終わったら地域の先生に患者さんをお任せするのが一般的です。大学病院のように専門分野に特化した医療機関は特にそうですね。当院では、病院からそうした患者さんを引き継いで、長く診させていただきたいと考えています。また、地域に根差す泌尿器科の医師として、排尿に関する健康増進を担っていきたいです。「何ヵ所も病院やクリニックに通っているけれど、泌尿器がんについて、意見も聞きたい」という方もいらっしゃいます。そういったご相談などをお気軽にしていただけるような、憩いの場になればと思います。年齢や性別、病気の種類に関係なく、さまざまな方たちに頼っていただけるクリニックにしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

包茎手術(投薬・検査代金込み) 12万円

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