岡部 尚志 院長の独自取材記事
みずほ台泌尿器科
(富士見市/みずほ台駅)
最終更新日:2026/02/06
東武東上線みずほ台駅東口から徒歩5分の「みずほ台泌尿器科」。白を基調とした院内は自然光が差し込み、観葉植物も健やかに育つ心地良い空間だ。院長の岡部尚志(たかし)先生は2021年に開業する前は、埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科に12年間勤務。泌尿器がんを中心に手術や治療の研鑽を積むとともに、現在も信条とする「エビデンスに基づいた治療を丁寧に行う」という診療スタイルを確立した。前立腺肥大症へのWAVE治療(経尿道的水蒸気治療)をはじめとした多彩な日帰り手術、泌尿器がんの予防や経過観察に注力する岡部院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2026年1月6日)
泌尿器がんの診療経験を生かし早期発見をめざす
まず、これまでのご経歴を教えていただけますか。

北里大学医学部卒業後は埼玉医科大学国際医療センターに12年間在籍し、泌尿器がんを中心に研鑽を積みました。初期研修医の頃から同大学大学院に入学し、腎がんと時計遺伝子の関連についての研究で博士号を取得しています。その後、時計遺伝子の分野で知られるスイス・フリブール大学に留学する機会にも恵まれました。帰国後、埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科に戻ってからは診療、研究、教育に携わり、手術や外来の他に病棟管理も経験しました。がんや心臓病に対する高度専門特殊医療、高度な救急救命医療を柱とする病院だったので、おのずと泌尿器がんの経験値が増え、専門性を深めることができました。2021年7月に開業し現在に至ります。
検査機器などの設備面にこだわりをお持ちだと伺いました。
超音波検査機器や膀胱鏡をはじめとする泌尿器科の診療に必要な機器は特にこだわって選びました。検査や治療をスムーズに進めるためだけではなく、適切な診断に欠かせないと考えるからです。スタッフの仕事も進めやすくなり、余計なことに煩わされず患者さんとしっかりと向き合えるようになりますしね。ただし、初診で行うのは問診と尿検査などです。腹部への超音波検査で診断がつくケースがほとんどといっても過言ではありません。「泌尿器科は行きづらい」などとためらわず、内科に行くのと同じような感覚で来ていただければと思っています。
どのようなお悩みで来る患者さんが多いのですか。

おしっこが近い、勢いが弱った、漏れる、夜何度も起きてしまうなどさまざまなお悩みでいらっしゃいます。男女ともに高齢の方が多い印象ですね。一方、若い女性の膀胱炎や過活動膀胱、増え続ける若い男性の性感染症、お子さんの夜尿症などのご相談もあります。長く専門としてきた泌尿器がんに関しては密に病診連携し、当院では術後の経過観察などを主に担当していますが、前立腺がんへのホルモン療法なども可能です。その他、うまく言葉にできなくても、おしっこに関して気になることがあるならば、どんな些細なことでもお話しいただければと思います。
WAVE治療などの先進の日帰り手術で患者負担を軽減
泌尿器科を受診すべきタイミングを教えてください。

年齢を重ねるに従い、排尿の間隔が短くなったり、勢いが弱まったりするのはよくあることですが、放置せずにぜひ泌尿器科を受診してください。尿が出にくい、排尿の頻度が増えた、夜起きてしまうなどの症状がある男性は前立腺肥大症の可能性もあります。また、急な尿意、尿漏れなどの症状は、膀胱に尿がたまりきる前に膀胱収縮が起きる過活動膀胱かもしれません。前立腺肥大症も過活動膀胱も適切な薬物療法で改善が見込めることがほとんどです。薬では効果が見込めなかったとしても、当院では前立腺肥大症ならWAVE治療、過活動膀胱ならボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法といった日帰り手術もできます。
WAVE治療とはどのようなものなのでしょうか。
2022年に新しく保険適用となった前立腺肥大症の治療方法です。肥大している組織を壊死させるために、前立腺内に103℃という高温の水蒸気を噴霧して症状の改善を図ります。当院では腰椎麻酔で実施しているので、約半日で術後診察まで終えて帰宅できるのが特色です。この方法は前立腺組織を傷つけるリスクが低く、全身麻酔が難しい疾患をお持ちの方にも治療できる可能性が広がりました。WAVE治療については開業当初から注力しており、症例数を重ね、成果を国際的に報告してきました。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法とはどのようなものですか。

高齢になるほど増える過活動膀胱にはまず薬物療法を行うことで、多くの場合、改善が見込めます。一方で、十分な効果が期待できなかったり、薬の副作用により内服を続けられなかったりするケースもあります。そのような場合に行うのが、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法です。膀胱の筋肉の過剰な収縮を抑制するために、膀胱鏡を用いて膀胱壁の中にボツリヌス毒素製剤を注入し、症状の緩和を図ります。個人差もありますが約4〜8ヵ月で効果が減弱するため、定期的に治療を行うことが必要です。遠出などへの不安が減ることが期待されますので、患者さんの生活の質を上げるための治療といえるでしょう。こちらも保険適用となります。
日帰り手術や治療が充実しているのが特徴的ですね。
はい。WAVE治療とボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の他にも、前立腺がんが疑われる場合に行う前立腺針生検から自費診療の包茎手術まで幅広く対応しています。特に、当院では手術の際、脊髄くも膜下麻酔の一つであるサドルブロックという麻酔方法を採用しており、術後1〜2時間で歩けるようになることが望めるため日帰りでの対応が可能なのです。前立腺針生検やWAVE治療などの場合、例えば11時頃に来院していただいたとして、15時頃にはご自宅へお帰りいただけるでしょう。包茎手術についても、陰茎の解剖を熟知した泌尿器科医として私が全例執刀します。また、陰部や大腿部の粉瘤や陰嚢水腫に対する手術も積極的に行っています。
排尿トラブルの解消を図り健康増進につなげたい
泌尿器のがんの診断にも力を入れていると伺いました。

泌尿器のがんは早期発見できれば根治が期待できるケースも多いので、勤務医時代の経験を生かしてがんの診断でも地域の方に貢献したいと考えています。前立腺がんは初期の自覚症状がほとんどないため、症状が進行して転移していない限り自分で気づくことは難しく、検査で初めて発見されることが多いです。そこで、当院にいらした50歳以上のすべての男性に対して、前立腺がんの腫瘍マーカーの検査をお勧めしています。また、膀胱がんは血尿を契機に見つかることも少なくありません。一度でも血尿が出たら念のためにすぐ来てください。膀胱鏡を用いた検査の他、血液検査で腫瘍マーカーを調べて、PSA値が高ければ紹介先でのMRIでの画像診断も用いて評価し、必要があれば日帰りの前立腺針生検までシームレスに行えるのも当院の強みです。
診療において大事にしていることはありますか?
当たり前かもしれませんが、どんな疾患でも科学的根拠に基づいた診断と治療をすることが大事だと思っています。診療ガイドラインなど、エビデンスに基づいたスタンダードな治療を丁寧に行っていくこと、それが結果的に一番患者さんのためになると信じて診療にあたっています。治療について説明する際には、可能な限り具体的な数字を提示するようにして、患者さんが理解しやすいように心がけています。また、スタッフ一同、どの患者さんもストレスなく過ごせるよう最大限配慮することも忘れません。手術の流れも熟知しているスタッフたちが常に気を配ってくれているのでとても助かっています。
今後の展望を教えてください。

大きな病院では、手術などの治療が終わったら地域の先生に患者さんをお任せするのが一般的です。大学病院のように専門分野に特化した医療機関は特にそうですね。当院では、病院からそうした患者さんを引き継いで、長く診させていただきたいと考えています。また、地域に根差す泌尿器科の医師として、排尿に関する健康増進を担っていきたいです。「すでに何ヵ所も病院やクリニックに通っているけれど、泌尿器がんについてセカンドオピニオンを聞きたい」という方もいらっしゃいます。そういったご相談などをお気軽にしていただけるような、憩いの場になればと思います。年齢や性別、病気の種類に関係なく、さまざまな方々のお役に立てれば幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは包茎手術/12万円(投薬・検査代金込)

