吉岡 甲介 院長の独自取材記事
もとやまエキ歯科
(神戸市東灘区/摂津本山駅)
最終更新日:2023/09/08
JR神戸線・摂津本山駅南口のロータリーの左手にある「もとやまエキ歯科」。オレンジ色の看板が目印だ。2021年6月、関東で複数の歯科医院を展開する医療法人スワン会が関西で最初に開業した歯科医院で、虫歯や歯周病の治療からマイクロスコープを用いた根管治療、矯正治療、インプラント治療、ホワイトニング、口腔外科まで、幅広く歯科診療を行う。2022年10月に院長に就任した吉岡甲介先生は、時間をかけてカウンセリングをすることや、定期的なメンテナンスと日々のセルフケアのサポートにより、患者に寄り添いながら一緒に口の中の健康を維持していくことを大切にしている。インタビューでは、診療にかける思いや、より良い医療を提供していく環境づくりなどについて、丁寧に言葉を選びながら話してくれた。
(取材日2023年3月17日)
幅広い診療に対応し、専門性も追求
歯科医師としての歩みをお聞かせください。
もともと西宮の出身です。神奈川歯科大学への進学で関東に出ましたが、卒業後は地元に戻り、関西の歯科医院に勤務し、臨床経験を積みました。規模の大きな歯科医院では、さまざまな症例を経験できて勉強になりましたね。当時は多くの患者さんが来院される歯科医院で、短時間でたくさんの患者さんを診るということをやっていました。最初は経験できることが楽しく充実していたのですが、徐々に細かいことをもっとこうしたい、ああしたいなどの欲が出てきました。地域に根づいた歯科診療ができる歯科医院で、一つ一つの治療にもっと時間をかけたい、もっと一人ひとりの患者さんと向き合っていきたいと思うようになっていきました。そのように日々考えるようになっていた時期にちょうどこちらの歯科医院にご縁があり勤めさせていただくようになりました。
どのような患者さんが多く来院しますか。
中高年の患者さんが多いですが、お子さんを連れて来られることもありますし、ご高齢の患者さんから入れ歯の相談を受けるなど、幅広い年齢やお悩みの患者さんが受診されています。特にインプラント治療を検討する患者さんが増えていると感じます。例えば、若い方が1本だけ歯を抜く際に、ブリッジよりも周囲の健康な歯に影響を与えにくいインプラント治療を希望したり、中高年の方が土台となる歯槽骨も含め複数本の歯を抜く必要が出た場合でも、インプラント治療も選択肢の一つとしてご提案させていただいたり、さまざまです。当院では、常勤の歯科医師と連携し、インプラント治療を専門に行う歯科医師が定期的に診療を行っています。
幅広い診療内容に対応しつつ、専門性の高い治療を行っているんですね。
治療内容に応じて、各領域を専門分野にする非常勤の歯科医師が診療を行います。例えば、マウスピース型装置を用いた矯正は常勤の歯科医師が対応しますが、ワイヤー矯正は、矯正治療を専門に行う歯科医師にお願いしています。マウスピース型装置は、取り外しが可能なため歯磨きが楽で装着していても目立たず、治療前に口腔内スキャナーで読み取ったデータによるCGアニメでシミュレーションをお見せできるなどのメリットがありますが、比較的軽度なケースに適用が限られます。一方、抜歯が必要な場合など、大規模な矯正治療にはワイヤー矯正を行うというように、患者さんの状態によってケースバイケースで対応します。非常勤の先生が主導で治療する際も、普段の診療を担当する歯科医師と連携して診療を行います。こうした診療体制により、当院の診療の幅が広がって対応できる症例が増え、常勤の歯科医師も専門性の高い治療方法を学ぶ機会につながっています。
口の中の健康を維持する予防歯科が何より大切
診療の際に、どのようなことを心がけていますか。
初診時には1時間ほどかけて診察や検査を行います。じっくりカウンセリングを行い、お口の中全体を診て、主訴の部分以外にも問題がないか探り、症状や口の中の問題について説明をした上で今後の治療方針の相談をします。ある症状に対して教科書的な正解はあるけれど、必ずしもすべての患者さんにとってベストな方法とは限りません。患者さんのバックグラウンドや、ご自身の希望によって答えはさまざまです。決して押しつけにならないよう、患者さんが最も幸せになれる方法を考え、納得のいく治療を受けていただくように心がけています。それから、治療にあたり、機能面の回復はもちろんですが、きれいな見た目を維持することを大切にしています。例えば、歯を削ったときにも、仮歯で見た目も維持しながら治療を進めるなど、治療中も審美面を気にされる方には、できるだけ希望をかなえて差し上げるよう、努力しています。
院長の得意分野や力を入れている分野を教えてください。
まずは、マイクロスコープを用いた根管治療です。根管治療は、歯の神経に虫歯が達して回復が難しくなったときなどに、神経を抜いて、根管という神経の通っていた管を消毒・拡大するための治療です。裸眼とルーペでも格段に見え方が違いますが、当院では最大25倍の拡大倍率が可能なマイクロスコープを導入しており、細菌感染部分を確認しやすく、感覚に頼らずに精密な治療を行うために役立てています。それから、予防歯科に力を入れています。治療を終えることがゴールではありません。いい状態をキープしたり、悪くなる前に途中で拾い上げていくことが重要なので、定期的なメンテナンスや、日々のセルフケアが大切です。間隔が開くと状態が悪くなってしまったり、患者さんもモチベーションが保てないこともあるので、当院では、お時間がとれる方には、1~2ヵ月に1回程度、受診していただき、こまめなケアやアドバイスをするようにしています。
歯科医師としてやりがいを感じるのは、どんなときですか。
歯科医院って、嫌だとか怖いと思う方も多いですし、喜んで来る場所ではないですよね。でも、例えば患者さんが治療に満足してくださって「また来るわ」などとおっしゃっていただけたら、うれしいものです。他にも、例えば歯科医院が怖くて治療を途中でやめてしまった経験があり、歯磨きなどセルフケアもおろそかにしていた患者さんが、なんとか通院して治療していただけて、最終的には毎月メンテナンスに来院していただけるまでになる。そういう変化を見れたらやりがいにつながりますね。
スタッフと一丸となり、より良い医療の提供を
お休みの日の過ごし方やリフレッシュ法を教えてください。
歯科医療の分野は進歩を続けていて、かつて主流だった治療法がベストではなくなったり、新しい薬剤も次々に登場するので、常にアンテナを張って情報のアップデートが必要です。休みの日に勉強会に参加することもあります。そして、妻も歯科医師で友人にも歯科医師が多いので、情報交換ができる反面、休みの日に仕事から離れるのは難しいですね。そんな日々の癒やしは、飼っている3匹の猫たち。何もない日は、1日中、猫とゴロゴロしています。もともと僕は犬派でしたが、妻の希望で1匹飼ったら、すっかりメロメロに。夜も一緒に寝ています。今は完全に猫派ですね。
今後の展望をお聞かせください。
歯科医師になったときから自分が提供できる最高水準の治療をいつも患者さんに提供したいと考えています。そのためには、自己研鑽ももちろんですが、歯科医院全体でスタッフ一丸となってベストな医療を提供できる環境づくりが必要です。受付、歯科助手、衛生士、歯科医師とそれぞれの職種において個々で考えながらも全体を意識した連携のとれた職場をめざしています。メンテナンスは基本的に歯科衛生士に任せていることが多いですが、何か少しでも気になるところがあれば共有してスムーズに治療につなげていけるようにしています。また、院内では比較的何でも言いやすい雰囲気づくりを心がけています。スタッフと価値観を共有し、一体感ある歯科医院にしたいですね。そして、設備面においても良さそうな機器があれば積極的に試していき、良さそうであれば導入するなど、知識と同様に、日々アップデートしていきたいと思っています。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
当院は、初診からウェブ予約ができ、週末や祝日も午前・午後とも診療を行っていて、キッズスペースも用意しているので、お仕事や家事、育児でお忙しい方、お子さん連れの方にも受診しやすいのではないでしょうか。駅前で看板も目につくと思うので、何かお口の健康で気になることがある方はもちろん、クリーニングやチェックなどでも、気軽にいらしてください。じっくりカウンセリングして、しっかり診させていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/34万6500円~、マウスピース型装置を用いた矯正(装置数の制限なし)/76万4500円、ワイヤー矯正/69万3000円~、小児矯正/38万5000円、オールセラミックのかぶせ物/10万9450円、オフィスホワイトニング(上下16本)/1万6500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。