子どもに虫歯菌を移さないために
妊娠中から家族全員で予防歯科を
秋岡デンタルクリニック
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2023/01/06


- 保険診療
「子どもが虫歯になりやすいかどうかは、3歳までに決まる」と耳にしたことがある人もいるだろう。事実、子どもの虫歯の原因の一つは、親や祖父母などの家族と食事をともにすることで虫歯菌が移っていくことにある。だからこそ子どもだけではなく、親や祖父母の口腔ケアが必要だと「秋岡デンタルクリニック」の秋岡栄一郎院長は語る。「離乳食を息で冷ます、箸を共有してしまうなど、大人の何げない行動がお子さんを虫歯にしてしまいます。お子さんの歯を守るためには大人の意識改革も必要です」と家族全体の口腔環境の向上を促している。「お子さん・お孫さんをきっかけに、皆さんがご自分の歯に興味を持ってくださるとうれしいですね」と笑顔で話す院長に、同院での治療スタンス、妊娠時から口腔ケアが必要である理由などについて話を聞いた。
(取材日2022年12月12日)
目次
親子で通いやすい歯科のクリニック。子どもを虫歯から守るためにも、妊娠時から家族全員で歯科に通う習慣を
- Q妊娠時から歯科に通ったほうが良いと聞きました。
-
A
▲妊婦歯科検診の活用が重要
妊娠するとホルモンバランスが変化することで「妊娠性歯肉炎」になることがあります。加えてつわりなどで歯磨きがしづらくなり、歯周病が進行することも。問題は、出産後のお子さんにも影響する点です。離乳食を息で冷ましたり、同じ箸をそのまま使ったりすると、容易にお子さんのお口に親御さんをはじめとしたご家族の虫歯菌が移ってしまい、それが虫歯の原因になります。また出産後はお子さん中心の生活になりますから、必然的にお母さんは自分のことを後回しにしがちになり、口腔環境が悪化することも。そのため妊婦歯科健診や産婦歯科健診などを活用し、妊娠中、もしくはその前から定期的に歯科に通い、口腔環境を整えておくことが重要です。
- Q子どもの歯を守るためには、ご家族全員の協力が必要なのですね。
-
A
▲子ども一人ひとりの気持ちに寄り添いながら治療を進める
お子さんが虫歯になりやすいかどうかは、3歳くらいの幼い段階で決まるといわれています。それは口腔環境だけではなく、歯磨きという「生活習慣」からもいえること。祖父母が子育てに協力してくれる場合は、妊娠中やその前から「口腔環境は子どもに移る」という事実を伝え、子育ての一環としてご自身の口腔環境を整えるようにしてもらうのがお勧めです。症状はなくとも虫歯や歯周病が隠れている可能性も十分にあり得ます。定期検診は3〜4ヵ月に1回ほどを年齢問わずお勧めしていますので、親子、兄弟でなど、家族で一緒に通う習慣が身につくと良いですよね。1歳半・3歳時検診などもあるので、上手に活用してほしいと思います。
- Q歯科を嫌がるお子さんもいると思います。
-
A
▲居心地の良い空間づくりや笑顔での応対を心がけている
仕方のない事だと思います。そもそも病院ってだけでマイナスのイメージを持たれますし。しかし、歯科では嫌がるのは「治療だから」とも考えられます。クリーニングやフッ素の塗布などの予防歯科であれば、お子さんの負担はほぼありません。定期的に通って口腔環境を保てば、歯科を「行きたくない場所」と思うこともなく、治療の必要がなくなります。それでも虫歯ができた場合は、年齢や性格などを加味しながら、一人ひとりにあった治療法を親御さんと考えていきます。私自身子育て中の父親なので、お子さんと親御さん両方のお気持ちがわかります。どこを重点的に磨けばいいのかなどのアドバイスもできるので、ぜひ気軽に相談してほしいですね。
- Q具体的に診療ではどんなことを行いますか?
-
A
▲「小さな相談だけでも、当院を活用してほしい」と語る院長
最初にお口の状況を写真に収め、それをモニターで患者さんと確認しながら、現状と考えられる治療について説明します。これはお子さんも同様です。というのも、患者さんの主訴以外にも、歯の間の虫歯といった自覚のない疾患があることも多いからです。その際に気をつけているのは、緊急性の有無を明確にすること。進行した虫歯は早めの治療が必要ですが、定期検診で様子見できるものもあります。親知らずを抜歯する場合などは年末年始、受験期などを避けてスケジュールを組めるようアドバイスもします。初日に「この治療をする」と全てを決めてもらうことはほぼありません。しっかりと話し合いながら治療を決めていきますので安心してください。
- Q院内には親子で通いやすい工夫もされていますね。
-
A
▲子どものためのお絵かきスペースもあり、親の診察中も安心
診察室の隣に小さなお絵かきスペースを設けています。院内は白と木目調が基調ですが、治療ユニットはそれぞれブルー、グリーンなど、テーマカラーを用いてポップさを感じられるように。またベビーカーのままでも入れる広さなので、子育て中の方も遠慮なく来ていただけると思います。私も子どもがいますし、もともと子ども好きなので、治療中に泣いていても気になりません。お子さんの治療ではフレンドリーに声をかけ、笑ってもらえるように心がけています。無理にそうしているのではなく、自然とそうなってしまうんですよね。でもそうすると治療や予防も受けやすくなりますし、お子さんが歯科医院に通うが楽しみになるようにと考えています。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。