スポーツリハビリテーションを活用して
安全性に配慮した運動を
おざき整形外科クリニック
(松原市/河内天美駅)
最終更新日:2025/10/23
- 保険診療
少し前まで、スポーツリハビリは本格的な競技を行うアスリートのためのものというイメージがあった。しかし近年では、スポーツクラブに所属する学生、一般のスポーツ愛好家、さらに健康のために運動をする人の間でも利用者が増えている。「おざき整形外科クリニック」の尾崎彰造院長によると、健康志向の高まりの中で自己流の運動を始める人や筋トレブームに乗って無茶なトレーニングをする人も多く、スポーツリハビリを必要とする人が増える要因になっているそうだ。スポーツリハビリと一般的なリハビリにはどのような違いがあるのか、具体的にはどのような内容で進められるのかなど、運動をする人なら知っておきたいポイントについて、スポーツリハビリに注力している尾崎院長に詳しく解説してもらった。
(取材日2025年9月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qスポーツリハビリと通常のリハビリはどう違うのですか?
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A
通常のリハビリは、ケガや疾患などにより、動作に痛みを伴う、体の動きに支障があるという方の痛みや不具合の軽減や、日常生活が送れるレベルまで運動機能を回復させることが目標です。一方、スポーツリハビリは、スポーツによって生じた体の痛みや不調、体を動かす際の問題点などの改善を図り、まずは以前のようにスポーツが行える状態に戻すことをめざします。さらに、競技ごとの体の動かし方、体の各部位への負荷のかかり方といった特性を踏まえて、ケガや故障の再発防止に備えるのが特徴です。希望される方については、競技を行う際のフォームの改善指導などを通して、パフォーマンスアップをめざす場合もあります。
- Qどのような人がスポーツリハビリの対象になりますか?
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A
患者さんの中心となるのは、日常的にスポーツを行っている方です。職業的に競技を行っている方はもちろん、学生アスリートも対象で、当院の場合、現在は学生さんで野球やサッカー、バスケットボールやバレーボールをしている方から利用を希望されています。この他、趣味でマラソンや草野球、サッカーやフットサル、テニスやゴルフなどを楽しんでおられる方も対象です。一方、ブランクを経て若い頃にやっていたスポーツを再開してみようという場合や、今まで経験のないスポーツを始めてみようという場合、体の柔軟性・筋力の向上や、より安全性に配慮しながら効率的に運動を行うために、アドバイスできることもあるかと思うのでご相談ください。
- Q受診時の注意点や準備するものについて教えてください。
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A
スポーツリハビリだからといって、何か特別に準備するものはありません。体を動かしやすい服装でお越しいただき、リハビリのメニューによっては汗をかくこともあるので、タオルや着替えを用意しておくと安心です。また、スポーツをする上での痛みや動きの問題点、悩んでおられること、さらに具体的な目標などを整理しておけば、よりスムーズに診療が進むと思います。久しぶりにスポーツを再開したい、新たに未経験の種目を始めたいという方も、健康のために行う、趣味として楽しむ、試合での勝利をめざすなど、ある程度のイメージを持っておくと良いでしょう。ただし、気負う必要はまったくありません。リラックスして受診してください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師による問診や検査・診断
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ケガや故障について確認し、リハビリの必要性を判断するために、まずは医師による診察・診断を受ける。スポーツに関する悩みや、故障があれば、その原因などについて問診が行われ、関節の可動域や体の動きなどが確認される。必要に応じて超音波(エコー)診断装置などを用いた検査により、関節内部の状態などがチェックされることもある。
- 2医師の診断に基づき治療計画を設定
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ケガや痛みなどにより体を動かすことが難しい場合は、まずは症状の緩和、改善をめざした治療を行う。体を動かせる状態になれば、スポーツリハビリが必要と診断された患者については具体的なリハビリの内容が検討される。同院では、整形外科の医師と理学療法士が症状や問題点を共有し、さらに問診などを通して把握した治療に対する患者の希望を尊重しながら、リハビリ内容が設定される。
- 3治療計画に沿ってスポーツリハビリを開始
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医師の診断に基づき、理学療法士が作製した計画に沿ったスポーツリハビリが開始される。同院では、異なった視点で患者の状態を確認するために、理学療法士はあえて担当制を採用していない。ただし、全員が何らかのスポーツを経験しており、学生アスリートなどの場合は、患者のスポーツ種目に合わせて担当制が採用されることもあるそうだ。リハビリの頻度は週に1〜2回が基本だが、スケジュールなどに合わせて受診できる。
- 4カンファレンスを行いより適した治療を検討
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同院では、理学療法士チーム内で毎日、医師とは月に1度、患者の状態を共有し、治療内容などを検討するカンファレンスが行われる。さらに、カンファレンス以外の時間でも、医師と理学療法士が頻繁にコミュニケーションを取り、患者の状態などを共有するのが特徴だ。リハビリに対するモチベーションを維持するためにも、さまざまなストレッチや運動を組み合わせるなど、患者に合わせて柔軟にアレンジされる。
- 5患者の希望に合わせてパフォーマンス向上をめざす
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ケガや故障前の状態にまで回復し、さらにパフォーマンスアップを希望する患者には目標に合わせたリハビリが提供される。同院では、ピラティスマシンやスリングを使う装置なども導入して、競技特性や目標に合わせたリハビリが受けられるのが特徴だ。マシンや装置は、アスリートはもちろん高齢者のリハビリにも取り入れられ、筋力アップやバランス感覚の向上などに役立っている。

