川崎 正憲 院長、川崎 美奈 先生の独自取材記事
かわさき消化器内科クリニック
(大阪市平野区/喜連瓜破駅)
最終更新日:2023/12/19
大阪メトロ谷町線喜連瓜破駅から徒歩1分という便利な場所にある「かわさき消化器内科クリニック」。大学病院や総合病院の消化器内科で、多くの内視鏡検査や治療に携わってきた川崎正憲(まさのり)院長と川崎美奈先生が大切にしているのは、「安全で苦痛の少ない内視鏡検査」。病気の早期発見・早期治療につながる検査の重要性に関する啓発に積極的に取り組み、一般的に「痛い、苦しい」といった印象を持たれがちな内視鏡検査のハードルを下げるためさまざまな工夫を施しているという。今回は2人に、クリニックでの診療や検査について詳しく話を聞いた。
(取材日2021年6月4日)
患者の不安を軽減する配慮をクリニックの随所に
先生方が医師をめざしたきっかけを教えてください。
【正憲院長】内科の医院を開業している祖父の影響と言えるかもしれません。患者さんへの人あたりがよく、丁寧な診療で地域の人に信頼されていたことが記憶に残っています。私はもともと、医師になることは考えていなかったのですが、具体的に進路を考えるようになった時、小さい頃に見た祖父の姿を思い出し、医師はやりがいのある職業なのではと思うようになり、近畿大学医学部へ進学しました。
【美奈先生】私は医師家系に生まれ育ったことが影響しています。父は歯科医師をしていて、おじは婦人科や耳鼻咽喉科、兄は泌尿器科、いとこは腎臓内科と、専門領域はさまざまですが家族・親戚が医療に従事しています。ですから幼少期より医療は身近なものでしたし、自分自身が将来医療の道に進むことはとても自然なことでした。
お2人が消化器内科を専門に選ばれた理由を教えてください。
【正憲院長】私は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管、胆嚢、肝臓、膵臓など、内科の中でも扱う臓器が多く、さまざまな疾患を扱うことに興味を持ち、消化器内科に進みました。また、体に負担が少なく、さらに根治と機能温存をめざす内視鏡治療に可能性を感じたことも理由の一つです。
【美奈先生】私も院長と同じような理由です。院長とともに、大学病院や総合病院でさまざまな消化器疾患を扱い、内視鏡の経験を積み、習得することができました。病気の発見から、診断、治療、予防のすべてにおいて患者さんに関わることができるのは、消化器内科の医師ならではの魅力だと考えています。
開業の際に、先生がこだわったところはどこでしょうか?
【正憲院長】喜連瓜破駅から徒歩1分という通いやすさに加え、どの年代の方にもストレスなく、快適に通院していただけるように、院内は段差のないバリアフリー設計にこだわりました。また、当院は内視鏡検査に力を入れており、検査に対する患者さんの不安を解消するために、検査後にゆっくりお休みいただけるリカバリールームを設けています。さらに、時間に追われず、内視鏡検査に関しての説明を丁寧に行うための相談室も設けました。「不安を取り除く」というコンセプトの一環で、待合室や診察室、内視鏡室にいたるまで、クリニックらしい清潔感と、リラックスして過ごせるような院内環境づくりに配慮しています。検査中もリラックスできるよう、BGMにはハワイアンを取り入れるなど選曲にもこだわっています。
クリニックの特徴を教えてください。
【正憲院長】専門の消化器内科に加え、咳、発熱、頭痛などの一般内科、血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病などの診療、また胃がん・大腸がん検診、メタボリック症候群に着目した健康診査などを行っています。特に、胃・大腸を中心とした内視鏡検査を得意としています。大学病院での勤務医時代、胃がんや大腸がんの検診を受けてない方が多かったこと、症状が出てからの検査では病気が進行してしまっていることを何とかしたいと感じていました。病気の早期治療のためには早期発見が肝心。しかし、早期発見に役立つ内視鏡検査は一般的に苦痛を伴うイメージがあり、受診をためらっている人は多いと思います。そこで私たちは、内視鏡検査に抵抗がある方のハードルを下げ、以前内視鏡検査でつらい思いをした方にも安心して受けていただけるよう、苦痛の少ない内視鏡検査を実施しています。
苦痛の少ない内視鏡検査で病気の早期発見に貢献
内視鏡検査の苦痛を減らすために、どのような工夫をされているのですか?
【正憲院長】胃内視鏡の場合は、わずか直径5mm程度の太さの胃カメラを鼻から挿入します。口からの検査と違って、内視鏡が舌の根元に触れないため、吐き気をほとんど催すことなく検査を受けることができると思います。また、痛みを軽減するための麻酔薬は氷状のものをなめていただきます。苦味を感じにくいよう味が工夫されているので、初めての方でも抵抗感なく使用していただけると思いますよ。さらに内視鏡の設備は先進のシステムを導入。高画質な検査が可能なため、胃の中の微細な病変を見逃しにくく、早期がんの発見・診断が可能です。
大腸の内視鏡検査について教えてください。
【美奈先生】大腸カメラの場合は、小さなポリープも見逃さないよう検査の際に十分に大腸を膨らませて観察しますが、検査後の腹部膨満感や不快感を抑え、楽にお過ごしいただくために、当院では炭酸ガスの送気を導入しています。生体吸収性が高いため、おなかの張りが長く残りにくいです。また内視鏡の挿入技術にもこだわっており、優しい操作を心がけています。不安がある方には、看護師が背中をさすったり、お声がけをしたりするなど配慮。苦痛を軽減しながら、精密な内視鏡検査を行います。また女性医師である私の診察および内視鏡検査をお選びいただくことも可能です。女性の中には、おなかの診察や胃カメラ、大腸カメラを受けるのに男性医師ではちょっと……と思われる方も多くいることを感じています。そのような患者さんの助けに少しでもなりたいと思っています。
観察中に悪性の病気が見つかった場合はどうするのですか?
【正憲院長】観察中に切除すべきポリープを認めた場合は、処置具を用いて患者さんの苦痛に配慮しながら切除することもできます。また、当院は高次医療機関と連携しているため、治療が必要な病気が見つかれば適切な医療機関を紹介させていただきます。
寄り添う医療で地域の人々の健康に寄与
診療で心がけていることはありますか?
【正憲院長】高齢の患者さんも多いので、わかりやすく丁寧な説明を心がけています。また胃がんや大腸がんの検査の大切さについても、患者さんへ地道にお伝えするようにしています。例えば、若い世代を中心に増えている潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性疾患は難病に指定されていますが、内視鏡検査で早期発見につなげることが可能ですし、適切な治療を受けることができれば安定した状態をキープすることも望めます。また、一度検査を受けたら終わりではなく、胃カメラでしたら1〜2年間隔、大腸カメラでしたら2〜3年間隔など、どの程度の間隔で内視鏡検査を受けるのがいいかは一人ひとりの状態によりますが、定期的に内視鏡検査を受けるのがよいことも伝えています。
お忙しい日々の中で、ご自身のリフレッシュ法は?
【美奈先生】ちょうど1歳になるタイニープードルを1匹飼っています。名前は5月生まれなのでメイちゃん。帰ってくると飛びついて来てくれて、とてもかわいくてメロメロです。休日はメイちゃんと遊んだり散歩したりするのが、リフレッシュにつながっていますね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
【正憲院長】医師になって間もない頃、先輩から「内視鏡検査で一度患者さんに『痛い、つらい』印象を与えてしまうと、もう検査を受けてもらえなくなるから、痛みのない検査をすることが大切」と教えられたことが今も心に残っています。当院では、安全性に配慮し、痛みの少ない内視鏡検査を実施して、検査へのハードルを下げ、病気の早期発見・治療に取り組んでいきたいと考えています。怖い病気であっても、手遅れにしないことが医師としての使命ですから。
【美奈先生】検査をためらっていると大きな病気につながってしまうこともあるので、病気の早期発見に役立つ内視鏡検査をぜひ受けていただきたいと思います。また大腸の内視鏡検査ができる女性医師はまだまだ少ないと思うので、これまで検査に抵抗があった方は、ぜひ気軽に足を運んでいただきたいですね。