原 浩二 院長の独自取材記事
はらクリニック
(川崎市中原区/武蔵中原駅)
最終更新日:2025/07/16

武蔵中原駅から徒歩5分、肝臓と消化器の分野で専門性の高い検査・治療をめざす「はらクリニック」では、日本肝臓学会肝臓専門医の資格を持つ原浩二院長が診療する。身近なクリニックで専門的な診療を行えるよう、胃や大腸の内視鏡検査設備や超音波検査機器、脂肪肝の状態と肝臓の硬さを数値で表示する検査装置などを備え、消化器疾患、肝胆膵領域の診療に取り組む。さらに診療予約時に患者が記入した問診内容、これまでの検査結果などの資料は、前日にしっかり読み込んで質の高い医療の提供に努めるという。大学病院での勤務や米国留学で得た知識や技術を地域に還元したいと意欲を燃やす原院長に、診療に対する思いなど幅広く聞いた。
(取材日2025年6月6日)
肝臓、消化器内科、内視鏡の専門性を生かした診療
先生は消化器内科、特に肝疾患の専門家と伺いました。

私は研究志向が強く、多様な病気があり研究対象も幅広いことに惹かれて肝臓を専門としました。大学病院や関東労災病院などで肝臓や消化器内科の診療に携わった他、アメリカ国立衛生研究所にも留学して研究に従事。前職は横浜市立大学附属市民総合医療センターで、今も同センターで週に1回、肝臓がんに抗がん剤をカテーテルで注入するといった治療も行っています。肝疾患の患者さんは多いのですが、肝臓の専門家は意外と少なく、専門的な医療を身近なクリニックで提供したいとの思いから開業を考えるようになりました。この場所を選んだのは、以前に勤務した関東労災病院にも近いなじみのあるエリアで、働き盛りの若い世代が多く、私の診療が役立つのではないかと思ったからです。
受診の流れや院内の設備について教えてください。
2025年4月から外来診療はウェブまたは電話での完全予約制としました。受診時にお待たせしないのはもちろん、ウェブでの問診などをもとに十分に準備をして質の高い医療を提供できれば、患者さんのメリットも大きいと考えたからです。現在は診療時間後、翌日の診療に備えて必要な検査を確認し、これまでの検査結果や関連資料を読み込むといった準備に時間をかけています。また設備面では、院内の感染症対策として発熱の患者さんと一般の患者さんの動線を分け、隔離室を2室設置。ウイルスなどを含む可能性のある空気が待合室や他の部屋に流れ出ないよう配慮しました。さらに診療室の扉は半自動ドアで、どの患者さんも扉に手を触れずに衛生的に入退室できます。その他、自動精算機の導入で待ち時間の軽減にも努めるなど、「自分が患者さんだったら、どうしてほしいか」を考え、受診しやすく通院しやすいクリニックをめざしています。
診療面での特徴を教えてください。

発熱や咳、腹痛、下痢など内科一般の診療の他、私の専門である消化器内科や肝疾患の診療に注力しています。消化器内科は、逆流性食道炎や胃潰瘍、慢性胃炎、ピロリ菌感染、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎などに対し、内視鏡検査をはじめ専門的な検査・治療が可能です。内視鏡検査は月2回の土曜日に対応件数を増やしていますから、土曜日を希望される方は当院ホームページで確認してください。加えて、腹部超音波画像診断などで肝臓・胆嚢・膵臓領域の疾患の診断・評価も行います。ウイルス性肝炎や脂肪肝といった肝疾患の診断や治療に関しては、CTやMRIが必要な場合は提携施設で撮った画像を私が診断するなど、入院が必要な検査や治療以外は、当院で対応できると思います。
医学的根拠に基づいた質の高い検査・治療を追求
胃と大腸の内視鏡検査の特徴を教えてください。

内視鏡検査はがんなど重篤な病気の早期発見に有用な検査ですから、とにかく楽に快適に受けていただける検査をめざしています。胃の検査では経口内視鏡と経鼻内視鏡に対応し、経口内視鏡と大腸内視鏡では鎮静剤を使用して、ウトウトと眠ったような状態で検査を受けられます。また、着替え室がリカバリー室にもなっていて、ベッドとトイレもついているので、プライバシーを守りながらゆっくり過ごしていただけるでしょう。内視鏡検査機器は微細な病変も捉えるための特殊光観察に対応し、さらに経口内視鏡と大腸内視鏡は拡大内視鏡を使い、腫瘍が良性か悪性かを判断します。大腸の良性ポリープはその場で切除し、悪性と思われる場合は精密検査を行い、治療ができる施設につなぎます。進行したがんでメスを用いた外科的な手術になると体への負担が大きいため、患者さんのQOL(生活の質)を落とさないためにも、質の高い検査・治療を続けていきたいです。
専門性の高い検査・診断が受けられそうですね。
質の高い医療を提供するため常に知識をアップデートし、前述のとおり患者さんに関する資料を事前に確認しています。検査や治療のプランなど診療時に想定されることはすべて書き出し、紹介状が必要になりそうな場合は会計時に渡せるよう準備。診察時は診て説明して、治療方針を相談・決定するだけになるよう事前準備に努めています。そうすることで、限られた診療時間で濃密な診察ができるのです。私は今も大学病院で患者さんを治療していますし、当院でも大学病院と同程度の検査・診断は可能と考えています。
診察の際はどんなことを大切にしていますか?

患者さんによく説明して、理解し納得していただくことです。検査結果から、疑われる疾患、確認するための精密検査、検査項目やメリットデメリット、その結果から考えられる治療の選択肢など、順序立てたわかりやすい説明を心がけています。健康診断を受けたが結果がよくわからないという方は、理解できるほど丁寧に説明されていないのかもしれません。特に肝疾患は自覚症状がなく、途中で治療をやめることが最も問題となります。また患者さんによっては、心配だからもっと検査をしてほしい方もいらっしゃいます。でも、必要のない検査を勧めることはしません。ガイドラインなどの資料を見せながら医学的根拠を説明し、納得してもらえるようコミュニケーションを大切にしています。
専門的な医療を提供し、早期発見・治療に貢献する
アメリカ国立衛生研究所でのエピソードを聞かせてください。

とにかく一度、医療分野の研究で知られる研究所を見たいと考えて、5年間留学しました。日本との違いもありましたが、先端の医療にふれて、問題に対する取り組み方を学びました。世界中から医学で社会に貢献したいという思いを持った人たちが集まり、医学的に正しいことを探し、それを社会に還元する。そういうことをやっている人たちを見ていたので、それが正しいことだと思っていますし、本当に自分がいいと思った治療しかやりません。今も毎週英語論文を読み、知識や診療技術を常にアップデートしています。医学は学問ですから、開業医も勉強を続けるべきだと思うのです。
お酒を飲まない人でも脂肪肝が増えていると聞きました。

肝臓に脂肪がつくのはお酒の飲みすぎだけでなく、食事の偏りや運動不足などが原因のケースも多く、生活習慣の改善が治療の第一歩です。当院では血液検査や画像診断などで進行性とそうではないものを見極め、必要があれば提携施設でMRIや肝生検も実施します。脂肪肝と診断する際には、肝臓や膵臓に腫瘍などでのトラブルがないか注視しています。これまで肝臓の検査では脂肪肝の状態を画像化する装置を使っていましたが、患者さんにはどれくらい悪いのかピンとこなかったと思います。今回新たに導入した装置は、肝臓内の脂肪の量を数値で表すことができ、わかりやすくなりました。もし、「こんなに悪かったのか」と脂肪肝の状態を実感いただけたら、運動を始めていただけるかもしれません。体重が減ると肝臓の脂肪も減ることが数値でわかるので、「3ヵ月後にこの数値まで」と目標も立てやすく、患者さんが治療に取り組むモチベーションにもなっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
今後も内科全般から肝炎・脂肪肝・肝臓がんなどの肝臓疾患、胃や大腸の消化器疾患について専門的な医療を提供していきます。肝臓の病気は大きな病院でなくても、肝疾患に関わる診療の中で入院を必要とする検査や治療以外はほとんど当院で対応可能です。中には、「コストをかけて検査しなくても、薬で症状が治まれば」と考える方もいるかもしれませんが、検査は治療方法を決定する重要な手段で、検査による原因解明はベストな治療のために必要なことです。また私自身、体重を減らすために食事制限や運動を工夫した経験があるので、体のメンテナンスに関わる取り組みも手がけたいと思っています。気になることがあれば気軽に相談にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部消化管内視鏡/2万2000円、下部消化管内視鏡/2万7500円、腹部エコー/5500円、フィブロスキャン/2200円