喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の
無症状化をめざす
街のクリニック 日野・八王子
(日野市/北八王子駅)
最終更新日:2022/08/19


- 保険診療
内科全般を総合的に診療する日本内科学会総合内科専門医として幅広く対応する一方、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を有し、専門性の高い治療も行う「街のクリニック 日野・八王子」の角田篤郎院長。アレルギー診療では特に喘息、花粉症などのアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の診療に力を入れ、「症状ゼロ」をめざして薬の使い方や継続する大切さを患者に伝え、丁寧に治療を進めている。「検査は大事だが、やみくもに検査項目を増やさない」と原因特定の方法にも専門の医師としての経験を生かし、適切なステップを踏んでいるという。そんな角田院長に、内科全般の診療とともに、同院の治療の柱に掲げるアレルギー診療について話を聞いた。
(取材日2022年7月12日)
目次
アレルギー疾患の専門的な診療を提供。治療を継続する大切さを伝えて、症状のコントロールをめざす
- Qアレルギー疾患に対する先生の診療方針をお聞かせください。
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A
▲アレルギーの根治は難しいが無症状化をめざしていく
まずは何のアレルギーが疑われるかを検索するために、症状が出る季節や時間帯、場所など、しっかり問診を取ります。住居の形態、築年数、ペット飼育、エアコン使用年数などといった細かい住宅環境もお尋ねします。問診後にその方に合った検査を行い、アレルゲン(アレルギーの原因)を特定した上で、「症状ゼロ」をめざして治療を行います。アレルギー疾患は根治が難しいため、「仕方ない」と諦めている方も多いようですが、しっかりと治療を行えば症状をゼロに近づけることが望めます。そのためには日々薬を内服したり、吸入したり、塗ったりといった患者さん自身の努力も必要です。患者さんが治療を継続できるように説明にも力を入れています。
- Qどのようにアレルギーの検査を進めていくのでしょうか?
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A
▲狙いを絞って検査することは患者の負担軽減にも
当院では血液検査で調べますが、検査には個々の項目を調べるシングルアレルゲン検査と、あらかじめ決められた多項目の検査をまとめて調べるマルチアレルゲン検査があります。マルチアレルゲン検査はたくさんのアレルゲンを調べられますが、その分精度が落ちるのと、項目にないアレルゲンは追加して調べることができないため、先ほどもお伝えしたようにしっかりと問診をして、ある程度項目を絞ってからシングルアレルゲンの検査を行うこととしています。今後は皮膚科などで取り入れているプリックテストや皮内テストを導入することも検討しています。これらは15分程度で結果が出るため、通院の負担も減らせるのではないでしょうか。
- Q喘息の治療ではどんなことに重点を置いていますか?
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A
▲自己判断での治療中断は、その後、治療困難になる可能性も
喘息は喘鳴や呼吸困難など典型的な症状の方がいらっしゃる一方で、咳のみや胸部不快感のみといった、他の疾患との鑑別が必要な方もいらっしゃるため、検査をきちんと行い診断をつける必要があると考えています。胸部エックス線で肺疾患の有無、呼吸機能検査で気道の狭窄の有無、喀痰中好酸球検査や呼気一酸化窒素(NO)検査で気道のアレルギーの有無を問診と併せて慎重に調べます。また、症状が改善に向かうと自己判断で治療をやめてしまい、再度悪化していらっしゃる方も少なくありません。それを繰り返していると薬に対する反応が悪くなり、治療が困難になるケースもあるため、治療を継続する大切さを知ってもらうことにも注力しています。
- Qアレルギー性鼻炎の治療ではどんな点がポイントになりますか?
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A
▲薬物療法が中心となるので薬についても医師からしっかりと伝える
アレルギー性鼻炎には花粉症と呼ばれる季節性のものと、年間を通して症状が出る通年性のものがあります。通年性はダニやカビ、ペットの皮膚や毛などが原因となります。どちらのアレルギー性鼻炎の治療も薬物療法が中心となります。一般的には内服薬が好まれる傾向にありますが、局所的に作用する点鼻薬の方が効果が期待でき、副作用も少ないため、点鼻薬による治療を基本としています。内服薬は、薬によっては空腹時でないと効果の発揮が見込めないものもありますので、正しい内服方法を指導するように努めています。スギ花粉とダニのアレルギーに関しては、根治をめざせる舌下免疫療法を積極的に導入するようにしています。
- Qアトピー性皮膚炎の治療について教えてください。
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A
▲正しい量の塗り薬を適切な範囲に塗ることと話す角田院長
皮膚のアレルギーによってかゆみを伴う湿疹ができるアトピー性皮膚炎は小児に多いとされていますが、大人でも悩まされている方がいらっしゃる疾患です。現状では根治は難しいものの、以前より症状のコントロールが見込めるようになってきています。治療で大事なのは、正しい量の塗り薬を適切な範囲に塗ること。皮膚症状が出ている部分だけではなく、その周囲にもアレルギーの炎症があるため、広範囲に塗る必要があります。そして他のアレルギー疾患と同様に、自己判断で治療をやめないことも大切。当院では客観的な指標として皮膚の炎症の程度を数値で評価できるTARC(タルク、ターク)という血液検査も定期的に行って薬を調整しています。