角田 篤郎 院長の独自取材記事
街のクリニック 日野・八王子
(日野市/北八王子駅)
最終更新日:2023/02/14
地域の人が何でも相談できる場所をめざし、日野市旭が丘に2021年開業した「街のクリニック 日野・八王子」。そのポリシーを引き継ぎ、2022年より院長を務める角田篤郎先生は、内科全般の幅広い診療に加え、アレルギーの治療にも力を入れる。大学病院の呼吸器内科での経験を生かし、喘息や花粉症、アトピー性皮膚炎などの症状にも専門の医師として対応。その他、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群の治療、各種ワクチン接種、新型コロナウイルスのPCR検査、発熱の外来といった今地域が必要としている医療も提供している。「医療機関が少なく、中でもアレルギーを診られるクリニック探しに困っている方が多いこのエリアで、自分の経験を役立てたい」と熱い思いを語る院長に、診療に対する考えや得意な治療についてなど、広く話を聞いた。
(取材日2022年7月6日)
睡眠時無呼吸症候群や喘息などの治療にも注力
先生はどのような経緯で院長になられたのでしょうか?
私はこちらに来る前はあきる野市のクリニックに勤務していました。自分が中心となって診療を行いたいと思っていたものの開業はハードルが高い、そう考えていた時に当院の理事長である鎌形博展先生に「地域医療に貢献してほしい」と声をかけていただきました。当院は医療機関が少ない日野市旭が丘に「何か困ったときにまず相談できる場所」をめざして2021年に開業したクリニックです。私は以前に近隣にある東海大学医学部付属八王子病院に勤務していましたし、出身大学も杏林大学ですので、20年以上ずっと多摩地区で生活しています。そういう縁もあり、思い入れの深いこのエリアで地域医療に貢献していきたいと考え、院長に就任しました。
こちらのクリニックで対応している治療内容について教えてください。
私は日本内科学会総合内科専門医であり、内科全般を幅広く診療しています。その中で、呼吸器およびアレルギーを専門として学んできましたので、喘息、花粉症などのアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの疾患に対しては専門的な診療を当院で行うことができます。また、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療にも力を入れております。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合の検査に関して、他院では入院して検査を行うことが多いですが、いつもとは違う環境での検査となってしまうため、眠れずに正しい検査結果が得られない可能性もあるため、当院ではご自宅で検査できる体制を整えています。
先生が院長になられて患者層に変化はありますか?
当院で喘息やアレルギーの診療を行っていると調べて来てくださったり、クチコミを聞いていらっしゃったりと、アレルギーでお悩みの方が増えています。年齢層は30、40代くらいの方が中心で、親御さんとともに小中高生の方が花粉症の相談にいらっしゃることも多いです。市内には耳鼻咽喉科や皮膚科のアレルギー専門の医師が不在であることも大きいかと思います。
適切な検査で診断をつけた上で、治療を行うことが大事
呼吸器内科が専門だそうですが、どのようなご経験を積まれましたか?
杏林大学医学部を卒業後、研修医として同大学医学部付属病院第一内科に入局しました。こちらの第一内科というのは呼吸器感染症、腎臓膠原病、脳神経の3つの専門グループが合同した科なのですが、私は呼吸器感染症グループに属していました。肺がん、喘息、COPD、肺炎などの呼吸器感染症疾患の他、同時に脳神経疾患や腎疾患、膠原病についても学ぶことができました。その後、町田市民病院や虎の門病院分院での勤務を経て、東海大学医学部付属八王子病院の呼吸器内科に入職しました。そこで、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を取得しました。大学病院を退局した後は5年ほど訪問診療を経験し、その後は外来診療に専念しています。
訪問診療のご経験もあるのですね。
はい、この訪問診療の経験はのちの私の診療のポリシーを確立させました。私が診療で大事にしているのは、しっかり話を聞いてきちんと診断をつけること。やみくもに薬を出して終わりではなく、きちんと問診・検査をしてから薬を処方するという適切な医療の提供に努めています。訪問診療を行っていた時、たくさんの薬を飲んでいる受診者が多く、1日に10錠、20錠もの薬を飲む方もいらっしゃって、一つ一つ吟味していくと飲む必要のない薬を処方されていることも少なくありませんでした。ポリファーマシーといって多くの薬を服用することは、認知症の悪化にもつながるといわれています。過剰医療を行わないためにもきちんとした診断の上で正しい治療を行うことが大事だと強く気づかされました。
今後、力を入れていこうと思っているのはどの分野になりますか?
私の専門である喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎の診療は力を入れていきたい分野です。これらのアレルギーの疾患に対しては症状をゼロにすることを目指して治療を行っています。例えば、喘息の診療では吸入薬が重要ですが、当院では実際に練習吸入器を用いて正しい吸入法を指導しています。また、アトピー性皮膚炎の診療では塗り薬の使い分けや塗り方を指導し、症状が安定してきても自己判断で薬を中止せず、量を調整しながら継続していくことの大切さを伝えています。アレルギー性鼻炎に対しては、点鼻薬の使い方の指導や抗アレルギー薬の正しい飲み方、舌下免疫療法の導入などに尽力しています。
「街のお医者さん」として気軽に頼ってほしい
先生が医師になられたきっかけ、アレルギー診療を専門に選ばれた理由は?
父の存在が医師になった大きなきっかけです。父は消化器内科の医師として75歳の今も現役です。子どもの頃から医師という職業を勧められてきましたが、漠然としか考えていませんでした。ただ自分がアトピー性皮膚炎になったり、病気になったりしてつらいときに、父に治療してもらったことで、自分もこうなりたいと思うようになりました。アレルギーの分野に興味を持ったのは、自分や家族がアレルギーを持っていたことが大きいですね。アレルギー自体は、内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科と診療科は多岐にわたりますが、アレルギーを診る以上は全体に知る必要があると考え、一番広く診ることができるであろう内科に進みました。
先生のリフレッシュ方法は何かありますか?
恥ずかしながら30歳頃から中年太りが始まってしまい、その解消のためにランニングを始めました。それが高じすぎて今では年に2、3回フルマラソン大会に参加するまでになりました。嫌なことがあっても走るとすっきりします。平日は10キロ、週末は20キロ、ほぼ毎日走っています。東海大学医学部付属八王子病院に勤務していた頃は自宅から20キロほど走って出勤したこともあります(笑)。運動するとおなかがすくので、グルメも趣味の一つですね。家族と一緒においしいものを食べに行ってリフレッシュしています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
「街のクリニック」という当院の院名どおり、内科全般を幅広く診る「街のお医者さん」として気軽に利用していただきたいです。その中で私のライフワークであるアレルギーの治療も突き詰めていきますので、喘息や花粉症、アトピー性皮膚炎にお悩みの方はご相談ください。睡眠時無呼吸症候群の治療にも力を入れていきます。また、当院は基本的に完全予約制で、お待たせする時間を減らし、なるべく待合室に患者さんが重ならないようにしています。会計もキャッシュレスの機械を導入してスタッフとの接触を減らし、感染症予防に努めていますので、安心して来ていただきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは新型コロナウイルスのPCR検査(無症状の場合)/2万4800円