船越 真木子 院長、船越 太郎 副院長の独自取材記事
まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック
(京都市伏見区/石田駅)
最終更新日:2023/12/14
京都市営地下鉄東西線・石田駅から徒歩2分。2021年に開院した「まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック」は、内科・消化器内科・内視鏡内科のクリニック。2023年4月より船越太郎先生が副院長に就任し、常勤・非常勤合わせて5人体制となった。胃・大腸内視鏡検査に強みを持ち、胃と大腸内視鏡検査の同日検査や土日・早朝受付など独自の工夫を凝らして早期発見・治療に努める真木子院長と太郎副院長に話を聞いた。
(取材日2023年7月11日/情報更新日2023年12月1日)
常勤医増員でさらに質の高い医療提供を
2021年4月に開院し、2023年4月より新体制になりました。
【真木子院長】当院は一般内科や消化器内科、生活習慣病などの診療に加え、私が大学病院や基幹病院で携わってきた胃・大腸内視鏡検査を得意とし、また、特に女性が安心して内視鏡検査を受けられる環境づくりを最大の目標としています。患者さんの約7割が女性と、開院以来順調に診療を続けてきましたが、私1人では体調不良など緊急時に対応できず、安定したクリニック運営を続けられないのではないかと考えたんです。そこで2023年4月より、内視鏡検査が非常にお上手で、患者さんへの対応も含め安心してお任せできる副院長に入職していただく運びとなりました。
太郎副院長は大学病院でがん治療に従事されていたとか。
【太郎副院長】京都大学医学部附属病院でがん治療をメインに、臨床と研究に携わってきました。大学病院では特に専門性が要求される病気の方が来られますが、がんを一般診療で診たいと思ったことがクリニック勤務を決めた理由です。中でも内視鏡設備が整っており、内視鏡検査に従事した経験のある看護師さんらが在籍しているここなら、専門性の高い診療ができると考え入職を決めました。
ほか非常勤の先生をはじめ、多くのスタッフさんが活躍していらっしゃいますね。
【真木子院長】女性1人・男性2人と合計3人の非常勤医師のほか、常勤・パートを合わせ看護師5人と受付・事務8人の体制で診療をしており、週1回の全職種ミーティングや院内勉強会の開催などを通じて医療の質を保てるよう努めています。また各スタッフが自身のポジションだけでなく広い視野で周囲を見ることができるよう、ホームページやSNS担当など各チームにそれぞれの職種が参加。このほか例えば看護師だけがとても忙しいといったように偏りが出てしまうとスタッフ間であつれきが生まれてしまうこともあるため、当院では受付が看護助手のような補助業務に入れるようにジョブシェアも推進中です。3~4人の「ご飯会」のグループを組んで、食事会費用を補助しているのも当院の特色で、定期的にグループを入れ替えてコミュニケーションを図ってもらっています。
苦痛の少ない内視鏡検査の提供を。土日・早朝も検査
胃・大腸内視鏡検査に注力していらっしゃいますね。
【真木子院長】胃がん・大腸がんは、男女ともにがん死亡数の上位に入ります。症状を感じる頃には進行していることが多いため、胃が痛い・血便が出るなど明確な症状がなかったとしても、胃は30歳、大腸は40歳を目安に一度は内視鏡検査は受けていただきたいですね。特にご家族が胃がん・大腸がんになったことがある場合は、おなかが張るなど些細な違和感でも早めに検診を受けましょう。なお腹痛や吐き気などの消化器症状で来られた患者さんに、思いがけない内科の病気が隠れていることもあります。それを見逃さないように、日本内科学会総合内科専門医の目でも注意しながら診療しています。
内視鏡検査へのこだわりや特徴を教えてください。
【真木子院長】2種類の鎮静剤を使い分けて眠っている間に検査を実施し、目が開いたときにはすべて終わっているというのが当院の内視鏡検査のめざすところ。鎮静剤は深くなりすぎず浅くなりすぎず、苦痛を与えないためのギリギリの量を保つように細心の注意を払っています。丁寧な挿入はもちろん、大腸カメラの際には検査後のおなかの張りを抑えるため炭酸ガスを用いるなど、リピートにつながる「楽な検査」をめざしています。当院では胃・大腸内視鏡の同日検査、働き世代も受けやすい土日の予約受付のほか、朝5時から下剤を飲んでいただき出勤前に検査を終える「モーニング大腸カメラ」もご用意。私または非常勤の女性医師の指名が可能ですので、大腸内視鏡検査が恥ずかしいという女性も安心して受けていただけると思います。
内視鏡検査にはどのようなやりがいがありますか?
【真木子院長】例えば今まで内視鏡をしたことないという患者さんが検査を受け、胃がんリスクを高めるピロリ菌の感染が判明した、早期がんが見つかったというときに、最もやりがいを感じると思います。現在、当院では非常に多くの患者さんの検査を実施していますが、これまで一度も内視鏡検査を受けたことがない人もたくさんいることからもわかるように、全体ではまだまだ検査は足りていません。内視鏡検査数をさらに増やし、検査によって助かったと思っていただける方を増やしたいですね。
早期発見・治療が大切なんですね。
【太郎副院長】がんはある程度、進んでしまうと治せないことも多いため、早期診断・早期治療が最も大切であり、その両方をかなえることが望める内視鏡はとてもやりがいがあります。そして早期に診断をつけるのはもちろん、患者さんごとにどのタイミングで内視鏡検査を受けたらいいのかをお伝えするのも大切な仕事です。大腸ポリープを切除することはがん予防につながりますし、ごく初期のがんなら内視鏡で、そうでなかったとしても段階によって手術で治療することが可能など、早期発見・治療が特に重要であることをお伝えしたいですね。
「来てよかった」と思われる、患者に寄り添う診療を
真木子院長が患者さんに接する際に心がけていることはありますか。
【真木子院長】「来てよかった」と思っていただけるように、「お薬だけほしい」「おなかを触ってみてほしい」など、常にその患者さんのご要望はどこにあるのかを把握できるように心を配っています。そして患者さんごとに個性は異なるため、同じ目線に立つのはもちろん、声のトーンや話すスピードを変えるなど、その患者さんに合わせて対応を変えるように心がけています。また伝え方に配慮が求められるような診断結果が出た場合は看護師らスタッフに同席してもらい、診察室を出た後に「何かわからなかったことはありますか」と聞いてもらうなどフォロー体制を整えています。
太郎副院長はいかがでしょうか。
【太郎副院長】患者さん自身がどんな病気か理解し、ご自身でも病気について考え、一緒に治療に取り組んでいけるように、わかりやすい言葉を用いた丁寧な説明を心がけています。その上でご信頼いただけて治療を任せるとおっしゃる方には最善だと考えられる治療をご提示し、もっと病気のことを知りたいという方にはできる限りご質問にお答えするなど、患者さんの個性やニーズに合わせて対応しています。また例えばご家族の悩みが体調に現れている場合や、どの診療科を受診したらいいかわからないという症状があるケースもあるため、まずは患者さんが何を一番気にされているかを最初にお聞きし、もし私の専門外であれば「ここを受診してみてはいかがですか?」などアドバイスできるようにしています。
今後の展望について教えてください。
【真木子院長】鎮静剤を使った苦痛の少ない内視鏡検査を心がけ、早期診断・治療ができるように努めています。内視鏡検査が必要なのに、興味・関心がない潜在層の患者さんたちを啓発して、胃や大腸の進行がんを減らしたいという思いがあります。また体の健康は食べるものでできているというのが私の考え。健康につながる食事の指導にも力を入れていきたいと思っています。
患者さんへのメッセージをお願いします。
【真木子院長】女性医師として、やはり女性の患者さんが受診しやすいことに関してはアドバンテージがあると思いますが、患者さんの体質や生活背景、ご希望など一人ひとり丁寧に考えながら診療にあたりますので、女性に限らず男性の患者さんも安心してお越しください。まずは悩むよりも先に診察を受けに来ていただきたいですね。
【太郎副院長】京都大学医学部附属病院のほか静岡がんセンターでも、がんの診断・治療・研究の修練を積んできました。これらの経験をがんの早期診断・治療に加え、啓発の面でも地域の方々に還元していきたいですね。身近になってしまったがんですが、万が一なってしまったとしても、一緒に相談しながら治療に取り組んでいけるクリニックでありたいと考えてます。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部内視鏡検査/1万4000円
下部内視鏡検査/2万4000円
上下部内視鏡検査セット/3万6000円