不安や人間関係の悩みを解決に向けた
心療内科・精神科のかかり方
北参道こころの診療所
(渋谷区/北参道駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
仕事・家庭・学校などで、責任感を持ち頑張っている人ほど、ストレスを抱えがちだ。「不安や大変さを一人で何とかしようとすると、ストレスが原因で心に不調を来してしまうこともあります。重症化する前に、心療内科・精神科を利用してほしいですね」と話すのは、「北参道こころの診療所」の三浦聡太郎先生。とはいえ、心の病気は目に見えないもの。社会での理解は進んできたものの、そもそもどんなときに頼ればいいのかわからない、気軽に行っていいものなのか、と受診をためらう人も少なくないのが現状だ。そこで今回、初めて心療内科・精神科に行く人に向けて、受診のタイミングやどんな治療をするのかなど、上手なかかり方について助言してもらった。
(取材日2021年6月17日)
目次
人に頼ってはいけないと思わずに、気持ちを吐き出す場所として利用してほしい
- Q心療内科や精神科は、どんな時に利用したらよいのでしょうか。
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A
「いつもの自分と違うな」と感じた時に、いつでも来ていただければと思います。例えば、眠れない日が続いている、仕事の効率が悪くなった、仕事のミスが増えた、好きだった趣味を楽しめなくなった、というような場合ですね。そうした不調が2週間以上続くようなら、受診をお勧めします。嫌なことがあった日に気分が落ち込むのは当たり前ですが、きっかけとなった出来事から時間がたったのに調子が戻らないのであれば、心の病気の可能性があります。当院ではうつ病、適応障害、パニック症(パニック障害)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、自律神経失調症、統合失調症、強迫症(強迫性障害)、不眠症などの疾患に対応しています。
- Qこちらのクリニックではどんな相談で来院される方が多いですか?
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A
思春期から高齢の方まで幅広い患者さんがいらっしゃるので、ご相談もさまざまです。学校に行きづらいと感じている方や、介護に疲れてしまって、という方もいれば、大切な人を亡くして来院される方もいます。周りにオフィスが立ち並ぶ場所にあるので、お仕事関係のお悩みは特に多いですね。実力以上の仕事を引き受けてしまった、長時間残業している、上司や同僚との人間関係が良くない、といったことが精神的な不調の原因になっていることもあります。何にどれくらいストレスを感じるのかは人によって違いますから、「自分で解決しないと」と頑張りすぎず、気持ちを吐き出す場として気軽に相談に来ていただけたらと思います。
- Q受診の流れ、診療で行うことを教えてください。
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A
初診ではまず、今悩んでいることついてお話を伺います。うまく話せないかも、という心配はしなくて大丈夫です。話してくださった言葉から少しずつ広げていき、全体を捉えていきますから。その上で、適量の薬を処方したり、生活指導をしたり、あるいは「お仕事を減らしましょう」といった環境調整をすることで対応していきます。ただ薬を出すばかりではなく、患者さんの生活を豊かにする糸口を一緒に探していきたいですね。必要に応じて「精神分析的精神療法」というさらに心を深く知るアプローチを試みる場合もあります。この方法では週に1~3回、1回につき45分程度の時間で、患者さんが自身の心のありようを探る手助けをします。
- Q先生が診療で心がけていることを教えてください。
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A
精神分析的精神療法以外の診療ではどうしても患者さんとお話する時間が限られてしまいますが、その中でもなるべく、ご家族や幼少期のことを聞きたいと思っています。患者さんの生い立ちを知ることで、心を紐解くきっかけになることもあるからです。精神分析的なものの見方は一般診療でも役立つと感じています。あとは、僕自身が自然体でいることですね。無理に表情を作ることはしません。こちらが自然でいることで患者さんにもあるがままの気持ちでいてもらえたらと思っているんです。ほかにも雑談を織り交ぜるなど、気負わず話しやすい雰囲気づくりに努めています。
- Q周りの人の心が不安定なとき、どのように接するべきでしょうか。
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A
ご友人やご家族、同僚の方の様子が心配な時は、「私はあなたを心配しているよ」というメッセージを伝えることが大切です。例えば、上司が部下に受診を勧める場合には、「最近ミスが増えているから、病院に行ってこい!」という言い方をすると、「会社として困る」というニュアンスに聞こえてしまいます。本人はミスを怒られている気分になり、ますます自分を責めてしまいかねません。「ふだんのあなたと違う気がして、体調が悪そうで心配なんだ」「健康かどうかを確認するためにも、一度心療内科や精神科を受診してみてはどうだろう」と話してみてはいかがでしょうか。