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庄司 剛 院長の独自取材記事

北参道こころの診療所

(渋谷区/北参道駅)

最終更新日:2021/10/12

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東京メトロ副都心線の北参道駅から徒歩約2分。明治通りからほんの少し入ったビル2階にあるのが「北参道こころの診療所」だ。同院は2021年4月に開業したクリニック。エントランスを入るとチャペルのような雰囲気の待合室が広がり、どこか気持ちを落ち着かせてくれる。院長の庄司剛先生は、筑波大学医学専門学群卒業後、東京大学医学部附属病院心療内科やロンドンのタビストッククリニックなどで研鑽を積んできたドクター。「今は他人に頼るのは良くないと思っている人が多いのではないでしょうか。悩んだり困ったりしたら、いつでも気軽に頼ってきてください」と庄司院長は穏やかに話す。同院の診療の特徴などについて話を聞いた。

(取材日2021年6月3日)

精神医学と縁の深い地で「心を聴く」診療を

この北参道に開業なさった経緯について教えてください。

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当クリニックは、水戸やつくばで心療内科クリニックやデイケアなどメンタルヘルス事業を幅広く行っている医療法人が初めて東京都内に開業したクリニックです。私や他の医師も長く東京都内で診療しており、理事長の意向もあったことから開業するに至りました。北参道を選んだのは千駄ヶ谷界隈が精神科医療、特に精神分析と深い縁があるからです。かつて千駄ヶ谷には小此木啓吾先生のクリニックや小寺精神分析研究財団などがあり、私も勉強に通っていてなじみがある場所なのです。このビルは北参道駅からもすぐですし、千駄ヶ谷や代々木からも歩いて来られる距離ですので、患者さんも通いやすいと思います。

落ち着いた雰囲気の診療室ですね。どんなことにこだわったのですか。

クリニックらしくないクリニックにしたいと思い、友人の家に遊びに来た雰囲気になるよう内装を工夫しました。壁が白いとどうしても無機質になりますので、ドアや床、机などの木の質感や観葉植物のグリーンとしっくりくる深い落ち着いた色合いにしています。患者さんにはどんなことでもためらわずに話せると感じていただければと思います。診察の時には白衣は着ないで私服にしています。というのも、患者さんとは一人の人間として向き合いたいと考えているからです。各診察室にあるのはカウチソファーです。精神分析的精神療法の中でも主に週に3回以上など頻度の高いセラピーのときに使うことがあります。クライエントの方に横になっていただき、セラピストは後ろに座って話を聞く、フロイト以来の伝統あるスタイルです。

クリニックの特徴について教えてください。

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当クリニックには私を含めて医師が4人いますが、全員、精神分析的な訓練を受けてきており、一般診療においても精神分析的理解を深める診察を行っています。心療内科・精神科の診察では患者さんの話を聞くことが重要な手段の一つですから、患者さんの心を聴くことを大切にしています。対象となる疾患は主にうつ病や不眠症、適応障害、パニック障害、社会不安障害、心身症、自律神経失調症などです。最近は、会社で仕事に集中できない、人間関係がうまくいかなくなったなど適応障害の症状を訴える方が増えていますね。

無意識の中の自分を探索する精神療法を実践

診療の際、どんなことを心がけていますか。

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患者さんがどういう体験をなさっているのか、今、どんなふうに思っているのか、患者さんが感じていることをよく聴くことでしょうか。考え方、見え方、聞こえ方など、患者さんがどのように感じているのかを理解するように努めています。これはこうだから、とか、こうしたほうが正しいなどと上から決めつけたりしないようにして、わからないものはわからないものとして、患者さんの感じ方を探求する方向性で診療しています。患者さん側から考えますと、人に話すことがとても大切になります。医師に話したり相談したりすることで何か心の整理ができてそれが一つの成功体験となり、医師だけではなく身近な人にも相談できる、相談してもいいのだ、と心を許して話せる相手が広がればと願っています。

こちらの特徴でもある精神分析的精神療法というのはどのように行うのですか。

一般診療を行っていく中で、医師が提案する場合や患者さんからご要望があった場合に行っています。時間は1回45分から50分、週に1回以上の頻度で行います。精神分析的精神療法は何かの症状を取るという一時的なことが目的ではなく、患者さんの心の中を深く理解していこうとする試みです。心の変化や人との関係の中で、なぜそのようなことになったのか、無意識のうちに起きていることも含めて、心の中を深く理解しようとします。自身の心を深く内省することが第一の目的なのですね。その副産物として症状の改善につながっていく場合もあると考えますが、無意識の中にある自身のありようを探ることを第一の目的とする療法です。

薬物療法も行っているのですか。

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患者さんがどんなことにどのように困っているのか、よく耳を傾けて、医学的な判断の結果、薬物療法が適切である場合には、エビデンスに基づいた治療を行っています。その薬の意義や使い方、副作用の注意点もわかりやすく説明して、適切な量を処方しています。また、上のフロアには偶然にも心理相談機関があり、当クリニックの守備範囲外の症状でカウンセリングが必要な場合はご紹介したり、逆にそちらに通われる方で薬物療法が必要な場合はこちらで対応するなど連携を取っています。

どんな悩みでも遠慮せず気軽に相談を

医師をめざされたきっかけと心療内科を専門にした理由を教えてください。

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医師という職業は、精神科・心療内科に限らず、患者さんと人間的に深く関わり、人生にコミットする仕事だと思って志しました。筑波大学を卒業後、東京大学医学部附属病院の心療内科に入局しました。心療内科を選んだのは、心と体の関係に深い関心があったからです。ストレスなど心理的な要因によって体にいろいろな症状が出ることにとても驚いたのです。その勉強をしていく中で精神分析の考え方に出会い、ロンドンにあるタビストッククリニックに留学しました。こちらのクリニックはフロイトがナチスドイツの迫害から逃れた後、余生を過ごしたといわれる場所のごく近くにあります。伝統的に精神分析の研究が盛んに行われていて、多くの高明な精神分析の研究者、治療者に学ぶことができました。

最近、人々の心のありようについて感じることはありますか。

今は他者との関係性が薄れてきているように感じます。それは自分を守るためでもあるのかもしれませんが、残念なことでもあると思っています。もっと情緒的に密に関わり合う方が精神的には豊かな面もあるのではないかと思うのです。以前はお互い本音を言い合ってぶつかることも多かったですよね。本気でけんかしたからこそわかり合えることもあったでしょう。ですが、この頃はそんなことも少なくなってきたようです。他人に頼ってはいけない、頼ることは良くないことだ、迷惑をかけてしまうなどと思っている人も多いですね。それで自分一人で抱え込んで、心のバランスを崩してしまうケースが多いと思います。

ところで先生のリフレッシュ法はどんなことですか。

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映画や海外ドラマを観たり、音楽を聴いたりしますね。最近本を読む時間がなかなか取れませんが、通勤時はラジオをよく聴いていて、落語や講談なども好きです。自宅は郊外にあるので、最寄りの駅までの自転車通勤も良いリフレッシュになっています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

何かつらくなったり気持ちが落ち込んだりしたときに気軽に相談に来られるクリニックでありたいと思います。こんなことで受診していいのだろうか、些細なことなので恥ずかしい、などと思わずにどんな悩みでも気軽に相談してもらいたいですね。最近では心療内科や精神科のイメージもかなり変わってきて、受診のハードルも下がってきているようです。患者さんたちが日常から少し離れて、 安心してご自身の心をひもといていけるようしっかりサポートしていこうと思います。今の社会状況の中、孤立感を感じたり家庭での人間関係で悩んでいる人も多いと思います。つらい、生きづらいなど心が苦しくなったら気軽に当クリニックを頼ってきてください。

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