患者と家族の療養生活を支える
訪問診療
かじもと内科在宅クリニック
(東大阪市/鴻池新田駅)
最終更新日:2024/05/15


- 保険診療
医療を必要としているけれど通院が大変、そんな人たちのもとへ医師が出向いて診療を行う訪問診療。なんとなく敷居が高いと感じてしまうが、実際には高齢者から小さな子どもまで、さまざまな人が訪問診療を利用しながら住み慣れた場所で過ごしている。「実際に訪問診療を利用するまでは心配も多いと思いますが、必要なのは患者さんやご家族の“自宅で過ごしたい”という気持ちだけ。相談してもらえれば、あとはケアマネジャーや病院と連携しながら進めていきます」と話すのは、東大阪市・大東市・門真市を中心に訪問診療を行う「かじもと内科在宅クリニック」の梶本心太郎院長。通院困難な患者や、できるだけ入院をしたくないという患者の心身に寄り添う訪問診療とはどんなものか、また家族へのアドバイスなどについても、詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2024年4月19日)
目次
通院が難しい患者とその家族の希望に寄り添い、療養生活をサポートするための訪問診療
- Q訪問診療とはどういった方が対象になるのでしょうか?
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A
▲患者の世代・症状問わず、幅広いサポートを行う
対象となるのは、原則的にお一人での通院が困難な方です。高齢の方や末期がんなどで看取りを希望される方だけでなく、体力的な負担が大きいので通院回数を減らしたい、できるだけ入院したくない、発熱時の対応や食事について相談したい、認知症が進行して外出できない、がんや神経難病と診断され人工呼吸器やカテーテルを使っており移動が困難、といった方が対象となります。一人暮らしの方も、ご家族と一緒に住んでいる方も、また、高齢者も小さなお子さんも利用いただけます。住み慣れたご自宅や施設での療養生活をサポートするため、さまざまな相談にお応えできるように準備していますので、まずは気軽にご相談ください。
- Qクリニックへの通院との違いについて教えてください。
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A
▲クリニック全体で包括的なサポートを行う
訪問診療では患者さんの居住する場所に医師が定期的に出向き、診察、投薬、注射や点滴、傷や手術痕などのケア、血液検査、血圧測定、酸素飽和度測定など、療養するために必要な医療処置を行います。胃ろう、気管カニューレなどのカテーテル交換や、人工呼吸器の管理にも対応する他、当院では小型のエコーも導入しているため超音波検査も可能です。エックス線検査やCTの撮影など大がかりな画像検査こそできないものの、皆さんが思っているより多くのことができますよ。また、緊急時には往診や病院への入院支援を行うだけでなく、訪問看護師やケアマネジャー、ヘルパーと連携し、ご本人やご家族の希望に寄り添った医療を包括的に提供できます。
- Q実際の訪問診療はどういった流れになるのでしょうか?
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A
▲訪問診療を受けるまでも安心して相談ができる
訪問診療を希望する場合は、ケアマネジャーや病院のソーシャルワーカー、訪問看護師にご相談いただくか、当院に直接ご連絡ください。ご依頼をいただいたらご本人もしくはご家族に来院いただき面談となりますが、来院が難しい場合は訪問も可能です。面談では利用可能かどうかを確認し、診療内容や費用、緊急時の対応について説明。同意していただいたら、利用開始の手続きを行い、決まった日時に自宅もしくは施設に私たちが出向きます。訪問の頻度で多いのは2週に1回ですが、週1回・月1回の方もおられます。利用時の書類手続きもサポートしますのでご安心ください。診療内容は、患者さんの状態やご要望によって随時見直しを行っています。
- Q訪問診療にかかる費用と訪問可能な地域を教えてください。
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A
▲訪問診療先へ向かう院長
費用は医療保険の適応となり、負担割合、公的補助の有無によって異なりますので、詳しくは面談時にご説明いたします。基本的な費用の他に、特別な検査や処置、管理が必要な場合には別途費用がかかります。また、薬は院外処方となるため、薬局でお薬代を払っていただく必要があります。そう聞くと高額な気がするかもしれませんが、病院に通院するたびにタクシーや介護タクシーを利用することを考えると、訪問診療のほうが、負担が軽くなるというケースもあります。当院の訪問範囲は東大阪市と大東市の全域、門真市・大阪市の一部です。近いほうが緊急時に迅速な対応ができますし、地域との連携もスムーズだと思います。
- Q患者さんのご家族に知っておいてほしいことはありますか?
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A
▲患者や家族に寄り添った対応を心がけている
まず、訪問診療は特別なものではないということ。「自宅で過ごしたい」「住み慣れた場所で療養させてあげたい」という希望があるのであれば、まずは相談してみてください。かかっている病院、ケアマネジャー、介護事業所、私たちのようなクリニックでも構いません。相談すれば何かしらの情報が得られて、病や障害と付き合いながら生活を送る方法が見えてくると思います。そして、訪問診療が始まったら、頑張りすぎないこと。家が散らかっていても気にしないでください。医師はお客ではなく、患者さんの生活を支える仲間です。ありのままの状態から、生活に合わせた医療・介護のかたちを作っていきます。無理をせず一緒に進んでいきましょう。