大きいほくろやかゆみのある湿疹
皮膚がんの検査で不安を解消
平和台皮フ科
(練馬区/平和台駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
最近、ほくろが大きくなってきた、しみが濃くなってきた、湿疹がなかなか治らないなど、見た目の変化や肌トラブルに悩んでいる人も多いのではないだろうか。中でもほくろの変化は「皮膚がんの前兆では?」と考えがちだ。また、年齢を重ねると、がんに対する不安も高まってくる。だが、そもそも皮膚がんについて正しい知識を持ち合わせているかといえば、多くの人が疑わしいのも事実。「平和台皮フ科」の種田研一院長は、「皮膚がんは痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどありません。自己判断が極めて難しいので、何か気になる症状があればどんな些細なことでも受診してください」と話す。皮膚がんの症状や検査などについて話を聞いた。
(取材日2021年5月21日)
目次
自覚症状がほぼないのが皮膚がんの特徴。気になることがあれば早期に受診を
- Q皮膚がんとはどのような病気ですか?
-
A
▲早期であれば切除手術の治療が可能な皮膚がん
皮膚を構成する細胞が悪性化したものを皮膚がんと呼んでいます。皮膚がんは早期であれば切除手術による治療が可能です。いくつかの種類があり、メラノーマ、基底細胞がん、有棘細胞がん、ボーエン病、日光角化症、乳房外パジェット病などが代表的です。中でも、メラノーマは悪性黒色腫とも呼ばれ、メラノサイトという色素細胞ががん化することで発生し、進行すると転移が早いので注意が必要です。また、頭の皮膚などにできやすい血管肉腫も進行が早く転移を起こしやすい悪性の皮膚がんです。全般的に皮膚がんは高齢者に多い傾向ですが、メラノーマは若い世代でも発症する場合があります。
- Qどのような症状が出るのですか?
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A
▲皮膚がんは自覚症状がほとんど現れないという
皮膚がんは、痛みやかゆみなどの自覚症状はほぼなく、色や形のいびつさ、出血などが皮膚がんの一つの指標になります。例えばほくろやしみに似たメラノーマは、日本人では手や足の裏などによく発症し、いびつな形、色の濃淡、曖昧な境界線などが特徴です。基底細胞がんは顔にできることが多く、ほくろに似た盛り上がりや光沢のあるほくろのように見えます。有棘細胞がんは、しこりのようなできものができ、進行すると潰瘍や穴状になったりします。大きくなると臭いが出る場合も。ボーエン病はかさついて治りにくい湿疹、乳房外パジェット病は腋窩や陰部、肛門周囲などにできる湿疹の症状に似ていることがあり、誤診されていることが多々あります。
- Qほくろがメラノーマに変わることはあるのですか?
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A
▲患者自身でほくろとメラノーマを判別するのが難しい場合も
誤解している人が多いのですが、ほくろがメラノーマに変わることはありません。そもそもほくろは良性の腫瘍で、ほくろはほくろとして、メラノーマはメラノーマとして発症するのが一般的です。ただ、ほくろだと思っていたものが、実は皮膚がんだったというケースはあります。メラノーマには見た目の特徴がありますが、ご自身で判別するのは極めて難しいです。湿疹に似た症状の皮膚がんもありますから、気になることがあれば皮膚科を受診して検査を受けるようにしてください。また高齢者では、老化によるしみと、かさかさして赤みを帯びている日光角化症が混在して見られることもありますので、気になる人は受診してください。
- Qこちらのクリニックではどんな検査を行うのですか?
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A
▲患部の状態を診るために用いる特殊な拡大鏡ダーモスコープ
視診をした後、ダーモスコープと呼ばれる特殊な拡大鏡を用いて患部の状態を詳しく診察し評価します。必要であれば、生検を行う場合もあります。早期の皮膚がんの場合、手術による切除が必要となりますので、連携している日本大学医学部附属板橋病院や帝京大学医学部附属病院、順天堂大学医学部附属練馬病院など、患者さんのご要望を考慮して紹介しています。メラノーマの疑いがある場合は、これらの病院で生検を行い超音波検査やCT検査などで転移の有無やがんの進行度を精査して、ステージに即した治療を行います。
- Q長引く皮膚トラブルも、専門家の診断を仰いだほうがよいですね。
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A
▲心配なことがあれば早期の受診を勧めたいと話す種田院長
そうですね。これまでお話ししたように皮膚がんとほかの皮膚トラブルの判別は一般の人ではなかなか難しいことが多いのです。薬を塗っても湿疹がなかなか治らない、できものが治らないといった場合は、診断が間違っている場合や薬が合っていないことも考えられます。もしそのような心配があれば、セカンドオピニオンとして受診することも有用だと思います。こんなことで相談してもいいのだろうか、と思うかもしれませんが、できるだけ早めに受診して検査・診断を受ければ患者さんも安心できると思います。