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千手 陽一郎 院長の独自取材記事

ファミリア透析クリニック北綾瀬駅前

(足立区/北綾瀬駅)

最終更新日:2021/10/12

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東京メトロ千代田線北綾瀬駅の中央改札口からすぐの「ファミリア透析クリニック北綾瀬駅前」。複数の病院で研鑽を積んだ千手(せんじゅ)陽一郎院長が、2021年1月に開院したクリニックだ。同院は透析治療を軸としつつ、透析に至る前の慢性腎疾患や生活習慣病の外来診療にも対応。早い段階から腎臓に関する疾患すべてを診ることで、患者の背景も踏まえた一人ひとりに合った治療の提供につなげている。「ただ透析をするのではなく、その先にある患者さんとご家族の生活を守りたい」と真摯に語る院長に、大事にしている理念とその実現に向けて取り組んでいることなどについて聞いた。

(取材日2021年3月30日)

信頼関係を大切にしながら患者とその家族を支えたい

まずは開院のきっかけから教えてください。

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自分のめざす診療理念を形にしたいと考えたからです。その理念とは、「誠実かつ専門的な医療であなたの腎臓と生活を支える」というもの。看護師長・臨床工学技士長をはじめとしたスタッフがこの理念に賛同してくれ、その実現を皆でめざしています。透析クリニックは「専門的な医療」を提供する場であるとともに、患者さんにとって自宅と同じくらい身近な場所ですから、安心して通っていただくことが欠かせないと思うのです。だからこそ私たちは「誠実な医療」を掲げ、家族のように「誠実に・親身に・熱心に」患者さんと向き合うことを大切にしています。クリニック名の「ファミリア」は家族のようなクリニックでありたいという願いを込め命名しました。そんな思いで関わりながら、患者さんと信頼関係を築くことが、結果的により良い透析治療を提供することにつながると私たちは考えています。

患者さんとの信頼関係を大事にされているのですね。

透析治療にはさまざまな選択肢があり、その中から一人ひとりに合った治療を提供するには、患者さんをよく知ることが求められます。例えば、治療では食事制限が必須なのですが、栄養に関するアドバイスをするには普段何を食べているのか、誰が作っているのかなど、細かに生活背景を把握する必要があります。そして、こうした情報は患者さんが私たちのことを信頼し心を開いていなければ得ることが難しいものです。そのため、当院では通院前の見学・面談・オリエンテーションの時点から患者さんとしっかりコミュニケーションを取ります。通院開始後も透析治療中の時間を利用して会話をし、お互いを理解した上で少しずつ信頼関係を築くようにしています。その際、心がけているのはあいさつと笑顔。基本的なことですが、まずは私たちが心を開き、患者さんに安心していただけるようにしています。

では、得た情報をどう診療に生かしていらっしゃるのでしょうか?

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透析治療は性別や年齢などあらゆる条件を加味した上で行うべきで、均一な治療を行うべきではないと考えております。例として栄養管理があります。食事指導をする際は血液検査の結果も踏まえ、その方に適した量や食材、調理法などについてアドバイスします。年代が違う場合はもちろん、同年齢であっても生活習慣などは異なりますから、それぞれに合ったオーダーメイドの指導が必要だと思います。その際、注意しているのはわかりやすく伝えること。腎疾患や透析治療は内科の中でも難しく、理解しづらい分野であるため、自身の病気のことを理解されていない方が多くいます。そこで診療では、治療の内容や必要性、生活管理の方法をきちんとご理解いただけるように、平易な言葉で説明しています。しっかりとした理解が患者さんの治療意欲や成果にもつながると考えています。

腎臓内科の外来にも対応し、一貫した治療で生活を守る

続いて、透析治療におけるクリニックの特徴や強みを教えてください。

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当院はオンラインHDF、IHDFと呼ばれる治療法に対応しており、常に先進的な治療を取り入れています。オンラインHDFは透析液を補充液として使用することで、通常の血液透析よりも多くの老廃物を除去でき、足のかゆみや貧血、低栄養の改善が期待できます。導入するには徹底した水質管理が必要となるのですが、当院では臨床工学技士が厳重な日々の水質管理を行うことにより、これを可能としています。また当院では、合併症予防にも力を入れております。透析患者さんは下肢血流の低下から足にトラブルを起こしやすく、最悪の場合足の切断に至り、患者さんの生活レベルは大きく低下します。そこで当院では予防として、フットケアについて専門的に学んだ看護師が専用器具を用いて対応しております。当院が質の高い治療を提供できるのは、こうしたスタッフの協力によるところも大きいですね。

ご家族へのサポートもされていると伺いました。

透析治療はご本人だけでなくサポートするご家族の負担も大きいものです。そこで当院では、少しでも負担を減らせるよう多角的な支援を行っています。専用車による送迎サービスはその一つで、ご家族の付き添いなしでの通院が困難な方の負担を緩和しています。また、透析治療の継続に強いストレスを感じる患者さんやご家族もいますので、当院のスタッフによる対応だけでなく、近隣の精神科・心療内科とも連携ししっかりと対応します。こうした取り組みはすべて、患者さんとご家族の生活を支えるため。当院は患者さんだけを診るのではなく家族までしっかりとサポートすることで、良い医療ができると考えております。透析治療のみならず、その先にある「生活」を守ることが私たちの役割です。

外来診療も行っているのですね。

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生活習慣病は腎不全と大きく関わっていることから、当院は生活習慣病に特化した内科治療も行います。開院の際、透析治療だけでなく外来診療も行うと決めたのには理由があります。一つは、腎臓内科に対応できる医療施設が全国的に少ないこと。足立区はその傾向が強く、地域の方が専門的な治療を受けづらいのが現状でした。結果的にそれが透析患者の増加につながっているのではという思いもあり、地域の腎疾患の患者の受け皿になろうと考えたのです。治療の結果、残念ながら透析に至ったケースでも、導入前から一貫して同じ医師が治療を行うことにより、以後も適切な治療を提供しやすいという利点もあります。腎疾患は症状がないことが多いので、尿検査などで腎臓機能に異常が見つかった場合は若い方でも早めに受診いただきたいですね。入院や精密検査が必要な場合は、連携する病院に紹介も可能ですので、まずは気軽にご相談ください。

地域のニーズに応え、選ばれるクリニックをめざして

感染症対策は患者さんも気になる部分だと思います。

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免疫力の低下から重症化する可能性が高いため、感染症は透析患者にとって最も避けて通りたい合併症の一つです。当院はスタッフの対策徹底はもちろん、非接触型検温スタンドや空気清浄機、オゾン発生機の設置、定期的な換気などの対応を行っております。外来は完全予約制としており、院内も透析と外来の患者さんが極力接触しないような設計になっています。透析患者さんに発熱などの症状があった場合でも専用のスペースを設けており、隔離での透析対応が可能です。皆が安心して通院できるような環境づくりに常に努めています。

先生はなぜ腎臓内科の医師になられたのですか?

研修医時代に東日本大震災の支援スタッフとして、災害地で診療を行った経験が影響しています。患者さんは体調のことだけでなく、自分の身に起きたさまざまな話をしてくれました。被災者の方にとって、医師を含む医療スタッフは大事な心のよりどころだったのだと思います。管理していたご家族が被災されたために、普段飲んでいる薬など自身の病気のことがわからない方も多くいました。そんな特殊な状況下でも患者さんの話を丁寧に聞けば、適切な治療が提供できることを経験の中から学び、それが「患者さんの背景を深く知ることが重要」という今の姿勢につながっています。また被災地では専門に特化した知識よりも全般的な知識がより求められました。そうした経験から内科を志望し、その後全身臓器と複雑に結びつく腎臓に興味を持ち、腎臓内科に進みました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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当院のあるエリアは交通網の発達から若い世代が増える一方で、昔からお住まいの方も多く、さまざまな生活背景を持つ幅広い世代の方が住んでいます。そういった地域の皆さんに、世代を問わず「家族」のように受け入れてもらえるように、日々頑張っていきたいと思います。透析患者さんの見学についても随時受けつけておりますので、ぜひ気軽にいらしてください。

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