田中 理砂 先生、山田 晋也 理事長の独自取材記事
医療法人社団天翔会 かるがも上尾クリニック
(上尾市/上尾駅)
最終更新日:2025/04/21

大型ショッピングモール「イオンモール上尾」の医療施設が集まる一角にある「かるがも上尾クリニック」。院内は全体的に元気な色使いが特徴で、天井は高く、大きく美しい水槽があるなど、明るい雰囲気。困った時に頼れる場所でありたいという同院には、山田晋也理事長や田中理砂先生など複数の医師が在籍し、毎日来院する大勢の患者に対し、とてもスムーズに診療を提供。その一方で、患者や家族の丁寧に寄り添ってくれる頼もしい存在でもある。そんな「かるがも上尾クリニック」について、山田理事長と田中先生に話を聞いた。
(取材日2025年3月4日)
大規模病院での経験をもとに、プライマリケアの実践へ
田中先生は2024年4月からこちらで勤務されていらっしゃいますね。

【田中先生】以前は大きな総合病院の小児科に勤めていましたが、「かるがも上尾クリニック」のプライマリケアを大切にしている姿勢が私の考えと一致していたので、こちらでの勤務を決めました。クリニックは患者さんにとって身近な存在。困ったときにまず相談できる医療の入り口であることが重要だと思います。当院は来院される患者さんの数がとても多いのですが、医師もスタッフも人間味があるというか、私たち医師の考えを尊重してくれますし、患者さんのために本当に良いことならどんどんやって良いと、温かく丁寧な対応をされていることも当院の魅力だと思います。
これまで、大きな規模の病院での勤務が長かったのですね。
【田中先生】長く勤務したのは出身校の附属病院である埼玉医科大学総合医療センターです。新生児を含めて、幅広い年齢の患者さんの診療に携わってきました。その後複数の総合病院で勤務後、埼玉県立小児医療センター、そしてまた埼玉医科大学総合医療センターへ。ですから当院からご紹介する場合でも私の経験の中から、その後のことをある程度予測してお話しすることで、少しでも安心していただけたらと思っています。まだ紹介先には知り合いが多くいますので、この疾患ならこの先生、などできる限り適したご紹介ができると思っています。中でも私はリウマチや周期性の発熱を繰り返す病気などお子さんの慢性疾患を多く診ていました。こうした少々特殊な疾患は適切な治療ができる医療機関が少ないものですから、患者さんが集まり担当した症例数は多いと思います。そういった経験も踏まえ、できるだけ早い段階から症状を見逃さないよう気をつけています。
日々の診療で心がけていることはありますか?

【田中先生】まず患者さん本人の訴えを聞くこと。そして適切な検査と診断ですね。乳児や小さなお子さんの場合は、明確に自分の意思を言葉にすることは難しいですから、親御さんのお話をしっかりと聞きます。普段接している方からの情報は重要ですからね。そして顔色や泣き方、全身状態などをよく観察します。ご相談できる方が周囲にいらっしゃらない親御さんも多いようですので、一連の診察が落ち着いたところで、何か心配事やお困り事はないか、お尋ねするようにしています。あとはできる限り話してもらいやすい雰囲気づくりにも気をつけています。最近はインターネットなどで勉強していらっしゃる親御さんが多いですね。具体的なお薬や治療法・検査をご希望になるときもありますが、インターネット上の情報は玉石混合。正しい情報を信念を持ってお伝えできるよう日々努力をしています。
子どもにとってベストな治療を常に考え続ける
子どもの症状で気をつけたほうが良いことはありますか?

【田中先生】多くは発熱や咳など風邪の患者さんが来院されますが、中には川崎病や重症の感染症の患者さんも含まれます。そういった患者さんを見落とさないためにも気をつけなくてはならない病気の可能性はないのか、さまざまな角度から考えます。診断後は念のため、こういった症状が出たら、こういう経過をたどったら、などと再度来院してほしい症状についてお話しするようにしています。病院へのご紹介は早すぎてもいけないし遅すぎるのは論外ですから、症状の見極めやタイミングは本当に難しいですね。その辺りは長年の経験が生きているといったところでしょうか。
田中先生はどんな方でしょうか。
【山田理事長】とても頼りになり信頼ができる方です。私もこれまでたくさんの先生方と一緒にお仕事をさせていただきました。クリニックという所は、患者さんに寄り添いながらも、医学的に毅然とした対応をしなくてはいけない場面も多いです。患者さんや親御さんのニーズに応えながら、お子さんに対してベストな提案をしっかりしていただけるのが田中先生です。日々の診察を拝見しても、一人ひとりの患者さんをとても丁寧によく診てくださっています。そして良い意味でどんな患者さんや親御さんにも平等です。大きな病院での重症や難症例のご経験もとても豊富で、私を含め他の先生方もよくご意見を聞かせていただいています。リウマチなどの免疫疾患や感染症に関する専門的な見識もあり、一緒に診療をさせていただいて、すごく私たちにとっても学びが多いです。
本当に大勢の患者さんが来院されていますね。

【田中先生】何といってもスタッフワークが素晴らしい。看護師さんが診察前に必要なことは聞き、患者さんの様子も伝えてくれますから、私は診断に集中できますし、他の心配事なども余裕を持って伺えます。処置が必要な時も、先を読み準備してくれるので患者さんに余計な待ち時間が発生しません。そんな流れるような無駄のない診療体制が、丁寧でありつつもスムーズな診療体制につながっています。また当院は予約制ですが予約枠の数が多く、予約できず受診できないという方が出ないようにしています。前回と同じ症状で受診したいけれど、予約が取れず別のクリニックへ、ということだと一貫性のある医療が受けられません。そういう意味では特定の分野に特化した診療ではなく、とにかくどんな疾患でも当院で診療に努め、この子のためには紹介したほうが良いということならご紹介する、という体制にしています。
いつでも頼りにできる「かるがも」
土日祝も診察していただけるのは助かります。

【山田理事長】当院は0歳から100歳まで誰でも受け入れること、子どもも大人も誰でも困った時に「あそこなら開いている」と思い出してもらえてすぐに来院していただける存在をめざしています。土日祝日は遠方からの来院も多いですね。患者さんが増える分、医師の数も増強し対応しています。特に小児科は、急な発熱や症状が出たときに、どこに行けばいいのかわからず、不安を抱えたまま様子を見る親御さんも少なくないでしょう。当院が365日診療していることで、子どもも大人も何かあった時にまず来ていただけるようにして、必要なら速やかに二次、三次医療機関につなげられる道をつくる。そんな地域医療における守り神のような役割を果たしたいと思っています。
親子で一緒に診ていただけるのもありがたいです。
【山田理事長】だいたい子どもの風邪は親ももらいますよね。そして子育て世代は持病がなく、かかりつけのクリニックもないことが多いんです。具合の悪いお子さんを抱え、こっちの小児科、あっちの内科、と受診するのは本当に大変で親御さんのことは後回しになりがち。ですからおそらく同じ病気である親も子も一緒に診ることができれば、お役に立てると思います。
最後に読者へのメッセージをお願いできますか?

【田中先生】この地域の皆さんがお子さんを健やかに育てる、そのお手伝いをしたいと思っています。いつでも何でも相談できるのが、このクリニックの良さです。よく親御さん方に、こんなことを聞いて良いのか、受診して良いか迷う、といった声を聞きますが、まさにそういった判断をするのが私たちの仕事です。普段お子さんと接している方が疑問や不安に感じることは何かあることが多いものです。心配なことや不安なことがあればいつでも気軽にご相談ください。