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津田 晃男 院長の独自取材記事

若松皮ふ科こどもクリニック

(新宿区/若松河田駅)

最終更新日:2021/10/12

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若松河田駅から歩くこと約3分。目立つ緑の看板が目印の「若松皮ふ科こどもクリニック」は、その名前の通り小児科と皮膚科を標榜するクリニックとして、約20年間地域の人々に頼りにされてきた。院長を務めるのは、優しい笑顔で患者を迎えてくれる津田晃男先生。待合室の一角には、広々としたキッズスペースがあり、おもちゃや絵本で遊ぶ子どもたちでにぎわっている。「小児科の医師ですから、子どもの立場に立って力になれる存在でありたい」と話す津田院長に、診療の際に大事にしていること、力を入れている予防接種の啓発などについて聞いた。

(取材日2017年11月14日)

子どもの立場に立って、力になれることが第一

開業時から、小児科と皮膚科の二本柱なのですね。

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ええ、そうです。大学病院で小児科の医師として仕事するうちに、乳幼児は乳児湿疹や脂漏性湿疹といった、皮膚のトラブルがとても多いことに気づいて……。皮膚科の教室にも通い、皮膚科の医師として基本的な知識を勉強して、小児科、皮膚科、二足のわらじで開業当初より2科目診療しています。最近では珍しくありませんが、開業当時は両方診られるクリニックが少なかったこともあり、「助かります」という声もたくさん頂けましたし、良い面はあるかなと思います。また、子ども・成人問わず予防接種には力を入れています。

どんな患者さんが多いのでしょう?

地域の小さな子どもたちが主体ですが、ご年配の方もたくさん来られますよ。症状としては皮膚疾患や湿疹、スキンケアなど皮膚に関する相談が多いですね。乳児検診や生後2ヵ月の予防接種がきっかけで来る子もいます。当院はビルの2階なのですが、エレベーター前の段差にはスロープを設けて、ベビーカーや車いすでもスムーズに移動できるようにしました。また、待合室の一角には板敷きのプレイスペースを設けて、子どもたちが自由に絵本やおもちゃで遊べるようにしています。診察が終わってもなかなか帰ろうとせずに、ずっと遊びたがる子もいますね。ここで遊ぶことを楽しみに通院してくれるお子さんもいて、うれしく思っています。

診療にあたり、先生が一番大事にしていることを教えてください。

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その子ができるだけ早く回復するように、症状が悪化しないように、先手を打ってできる限りの治療をすることです。子どもは大人と違って体力が弱く、急速に症状が悪化することもあり得ます。例え重篤な症状ではなく良くなる見通しが高いとしても、悪化したときに想定される症状やリスクについてもしっかりお話しして、万が一の場合は速やかに受診してくださいと必ず説明していますね。今は2、30年前と違い、病気で亡くなったり後遺症が残ったりする子が少ない分、保護者の方も「治る」ことを大前提として、いつ熱が下がって保育園に行けるかだけを心配しがちです。けれど、悪化する可能性はゼロではなく、そこで子どもに無理をさせるとリスクも高まってしまいます。私は小児科の医師として、保護者の方の立場とともに、その子の立場に立って力になれることが第一と考えています。親御さんにもリスクをわかってもらえるような丁寧な説明を心がけています。

「病気を診て治す」時代から「病気を予防する」時代へ

開業からおよそ20年を迎えて、変化を感じることはありますか?

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法定予防接種の種類が増えたことで、感染症が大幅に減ったと思います。私が大学病院に勤めていた頃は、まだまだ定期予防接種の数が少なく、麻疹や風疹、細菌性髄膜炎にかかる子どもがたくさんいました。日本の予防接種は、国際的に見てもすごく遅れていたんです。けれど現在は定期接種が普及し、これらの病気はほとんど見なくなりました。また、冬場に流行し、乳児の嘔吐・下痢を引き起こす「ロタウイルス」の感染症についても、数年後には法定予防接種になる見込みで、接種率の上昇と共に患者数は大幅に減っています。そういうことからも、「病気を診て治す」時代から「病気を予防する」時代に変わってきたと感じています。小児科の医師の役割としても、病気になった人を治療するのがメインではあるけれど、予防に力を入れることが重要だし、また求められているのかなと思います。

だからこそ、予防接種が重要なのですね。

予防接種は病気の予防に効果的な手段ですし、全体の接種率がある程度上がれば社会全体に集団免疫ができて、経済的事情などでなかなか任意の予防接種まではできない人にも恩恵があると考えています。すべての疾患を予防接種で防げるわけではないですが、地域のかかりつけ医として、一次診療を担う医師として、予防接種で防げる疾患はしっかり防ぐことが大切だと考えています。ですから、クリニックでの診療だけでなく、校医、園医をしている小学校や保育園、幼稚園でお話ししたり、医師会として予防接種の普及を図ったりと、啓発活動にも一生懸命取り組んでいるところです。子どもが病気になれば、親御さんも仕事を休まなくてはいけなかったりと社会的なダメージが大きい。予防接種を受けることは、子どもだけでなく家族の生活を守り、病気を広めないという意味で社会を守ることにつながることをお話しして、その重要性をわかってもらうようにしています。

こちらでは効率的に予防接種が受けられるよう、配慮されていると聞きました。

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まず効率良く短時間で免疫を獲得できるよう、日本小児科学会推奨のプランがあり、何もない人であればそちらをお勧めしています。ただ人によっては、基礎疾患があったりするので、その人の状態や病気の流行状況を考えて、一番リスクが少ないであろう方法を提案させてもらっていますね。電話で相談を受けることも多いので、難しいケースでは私や看護師が相談に乗ったりしますが、スタッフを含めてみんなで勉強して、受付の段階でもある程度の知識を持ってお答えできるようにしています。また仕事の都合や社会的事情などでどうしても通常の時間に来られない場合は、ケースバイケースにはなりますが、時間外に行うこともあります。

地域の医療と社会に貢献していきたい

成人の予防接種も行っていますね。

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ええ、まだまだ認知度は低いので啓発していかないといけませんが、肺炎球菌や帯状疱疹、風疹など成人向けの予防接種も行っています。風疹は、年齢によって子どもの時に予防接種を受けていない世代があるため、不安な人は一度検査をして、抗体がないなら予防接種を受けてもらうのがいいのですが、検査の時間と費用が大変な場合に既に抗体があったとしても、予防接種を受けることでブースター効果(免疫を強める効果)が働きますから、予防接種を受けることは問題ありません。むしろ、今は昔のように周りに風疹や麻疹の人がいないので、抗体を維持するには追加接種をする必要があるのですが……。一度行った予防接種の効果をどう維持していくかは、今後の医療界全体の課題ですね。

地域の中でどのような存在でありたいですか?

開院から約20年を数え、知り合いも増え、先輩方が一生懸命病診連携に取り組んできてくれたおかげで、地域の病院の先生方とも非常に話のしやすい非常に恵まれた環境ができています。重篤な症状が疑われる場合はスムーズに高次の病院・専門の先生につなぐことを含め、一次医療を担当する「地域のかかりつけ医」であることがまず一つ。小さな力ではありますが、協力することで、地域医療の一助になれているかなと思います。加えて、校医、園医として啓発活動や所属する新宿区・東京都の医師会などでの活動を通じて、地域医療全体に役立つことにも引き続き力を入れていきたいと思います。

最後に、ドクターズ・ファイルの読者に一言メッセージをお願いします。

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相性が良く、信頼関係が築けるかかりつけ医を持ってほしいと思います。いつも診ているからこそ「いつもと違うな」と気づけることはありますし、その違いは毎回行き先を変えていたら、どんなに優秀な医師でもなかなかわかりません。もちろん医師によって得意分野は違いますが、医師同士はつながっていますから。例えば、当院の隣の岡田小児科の岡田先生は消化器がご専門で、特に便秘の分野ではエキスパートの方なので、便秘に関してなかなかうまくいかないケースでは相談させてもらったり、紹介させていただいています。例え専門以外のことでも、日頃から診ているかかりつけ医なら、一番合った医師を紹介してくれるはずなので、ぜひ地域でかかりつけ医を持ってみてください。

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